万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

白い背景に映えるガラス模様

2008-08-28 21:59:30 | 万華鏡ブログ
白い背景に、ガラスオブジェクトの透明感と色の重なり合いが美しく映りこむこの映像は、佐藤元洋さんの「千凛」という万華鏡です。5ポイントの華を中心に視野いっぱいに模様が広がる3ミラーシステム(二等辺三角形)の映像です。
佐藤さんの万華鏡は吹きガラスの本体の表情も素晴らしいですが、それに合わせて作られるガラスオブジェクトも、独自の感覚を生かして作られていると思います。
ドライタイプなので、回転させるとオブジェクトの動く心地よい音とともに、小気味良く映像が変化します。オイルタイプよりもオブジェクトの偏りが起こりやすいので、時々背景の白が映りこむ空白も映像の大事な要素になっています。
ドライタイプですが、先端のセルがとても軽やかに回転する仕組みになっているので、回転を止めても自然にオブジェクトの重みに引かれてセルが戻り、オイルセルの映像のようにフワーッと変化するのも、1つの特徴になっています。
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ポプリ

2008-08-27 22:23:29 | 万華鏡ブログ
ポール・ノックス工房から生み出される木工の万華鏡の中で、一番小さくて軽い「オアシス」というシリーズ作品については、今までもご紹介してきましたが、その魅力は軽くて持ちやすいこと、木工の技術が高く、木材の美しさを引き出していること、オブジェクトセルの回転が滑らかで、ストレスなく映像の変化を楽しめること、そして独特の配色のオブジェクトによって、ユニークで新鮮な色の饗宴を味わえるところです。
「オアシス」では10種類ほどのオブジェクトセルがあります。いずれもオイルセルで、バーナーワークなどによるガラス細工を中心にテーマ(タイトル)に合わせた色のオブジェクトを組み合わせています。
それぞれのセルにタイトルがあり、全く違った雰囲気の映像になっています。
この写真のセルのタイトルは2008年の新作、「ポプリ」。パープル、イエロー、オレンジなどのオブジェクトが織り成す、独特の趣がある映像が次から次へと展開します。ポプリの香りをイメージして、スーザンさんが創り上げた映像デザインなのでしょう。
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12ポイントの華

2008-08-22 17:10:59 | 万華鏡ブログ
スティーブ&ペギー・キテルソン夫妻の万華鏡は、定番作品といえども、外のガラスの色の種類、アートガラスの表情、手作りのオブジェクトの織り成す内部の映像がそれぞれ1点ずつの製作になり、同じものはありません。そしてそれらの定番作品の万華鏡の魅力は、いつまでたっても色あせず、多くの人を魅了してきました。その中でも「ミスティックラプチャー」というシリーズは2ミラーシステム、7ポイントの映像で、1993年から作り続けられてきた一番息の長い作品です。オブジェクトセルを取り付ける部分のデザインのマイナーチェンジが一度あっただけです。その「ミスティックラプチャー」と同じサイズで最近作られるようになったのが、今回ご紹介する「ミラージュ」です。
黒い背景にオイルセル、2ミラーシステム、12ポイントの細かい映像になりますが、いかがでしょうか。この作品は外側のガラスが赤紫や青紫が混じりあったようなモーヴという色合いのガラスなので、内部には藤色の濃淡やブルー、若草色などのオブジェクトが用意されています。いつものことながら、ペギーさんの作るオブジェクトセルは陰影のある映像が魅力的で、黒い背景の中に浮かび上がるエレガントな花という風情です。
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スタイリッシュな万華鏡の置きかた

2008-08-20 11:38:00 | 万華鏡ブログ
万華鏡の形にはいろいろありますが、ひとつの分類として手に持って覗く「ハンドホールド型」と、脚や台座付きで、卓上や床置きで設置されているのを覗く「パーラー型」があります。「ハンドホールド型」はどこにでも簡単に持ち運びができ、いろいろな明かりや環境を選べます。日本の昔ながらの万華鏡もそうですね。
逆に「パーラー型」は持たなくても覗けるので、覗くのが楽です。特に大きな作品は持ったり、オブジェクトを回したりするのが大変なので、設置して覗くようになっています。ブリュースター卿の発明した当時から両方がありましたが、万華鏡の歴史の中で、さらにそのスタイルも多種多様になり、設置型でも高さ、角度、明かりを調節できる機能なども増えてきました。
この写真はハンドホールド型の小型万華鏡ですが、デザイン性と高さのある台座に載っていますので、持ち上げても、置いたままでも両用に楽しめるタイプです。
チェスニック工房のホイールタイプの万華鏡は、ホイールタイプの置き難さを考慮して木製の脚や台と組み合わせてデザインされていますが、いずれも美しいバランスや形にこだわっていることがよく分かります。
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招き猫の万華鏡

2008-08-18 16:13:55 | 万華鏡ブログ
中里保子さんの万華鏡展では、可愛らしい招き猫が迎えてくれました。
招き猫というのは、「お客さんやお金や福を招く」という縁起もので、私達日本人にとっては馴染み深いものですが、いろいろな表情、スタイルがあるそうです。そのなかでも、万華鏡になっている招き猫は、かなり新しいバージョンではないでしょうか?
現代九谷焼の辻優子さんが焼いた招き猫を、中里保子さんが万華鏡に仕立てたもので、中里さんの作品展には毎回登場していますが、いつもその愛嬌のある姿に手を伸ばしたくなります。おそらく一匹として同じ猫はいないでしょう。
見ただけで心を和ませ、さらに中を覗いて楽しめる、素敵な作品です。
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木漏れ日

2008-08-15 16:20:53 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介した、中里保子さんの「摩天楼」の作品は万華鏡がガラスの柱に支えられる形でぶら下がっています。筒の部分を台座に固定するタイプと違い、筒の傾きを自由に調節できます。覗き口は下側にありますが、胴体を手前に持ち上げて覗き、先端部のステンドガラスの球状のオブジェクトを回転させて見ます。このような作品は、筒を取り付けるちょうど良い位置を決めるのが大変だと伺ったことがあります。
この作品を拝見したとき、その内部映像がとても魅力的だと思いました。ひとつひとつのオブジェクトが光の力を借りて、絵画のような微妙な陰影と美しい色合いを生み出しています。ステンドガラスを組合わせた球状のオブジェクトは、回転によって見える色合いが様々に変化し、そのときの光の当たり具合で、表情を変えます。中里さんのおっしゃっていた「木漏れ日」のようなやわらかい光を感じる映像をご紹介したいと思います。
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「中里保子・光の世界」万華鏡展

2008-08-14 23:55:27 | 万華鏡ブログ
山梨県小渕沢のResonare内のギャラリーFlashpointで開催中の中里保子さんの万華鏡展に伺いました。昨年度アメリカの万華鏡コンベンションでの受賞作品「秋草」をはじめ、今年新たなスタイルで新境地を開いた「ラグーン」、振り子スタイルの「摩天楼」シリーズの新作、アイアン作家さんとのコラボレーションによる壁掛け万華鏡、現代九谷焼の陶芸家、辻優子さんとのコラボレーション作品など、最近さらに広がった中里さんの万華鏡の世界を十分に見せてくれる展示会です。
同じタイトル、テーマの作品でも、全く同じものはなく、それぞれにそのときの想いを込めて、新しいアイディアを盛り込んで製作なさっているので、新たな印象を受けたり、改めて感動したりします。
この写真の作品は中里さんのスタイルのひとつ、振り子タイプの万華鏡で、「摩天楼シリーズ」の新作です。万華鏡を支えているガラスの部分が、高層ビルの林立するイメージでしょうか。中里さんが表現したかったのは、思い入れのあるお気に入りの場所、東京・有楽町の東京フォーラムの雰囲気。ガラス張りの建物に接した広場で感じた癒しの空気、木漏れ日の柔らかいきらめきなど、喧騒の都市の中にあって別空間のような、心に響く情景を外観のガラスにも、内部の映像にも表現しています。
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手毬を見る万華鏡

2008-08-12 21:04:55 | 万華鏡ブログ
「おとなも楽しむ万華鏡2008」展(昨日まで開催)でこんな可愛らしい万華鏡を見つけました。ちりめんを素材に丁寧につくられた「手毬」という作品です。ステンドガラスの万華鏡も素晴らしいのですが、それ以外にも、いろいろな素材を使って、楽しいアイディアを形にした万華鏡を作っていらっしゃる木村えみ子さんによるものです。
筒には渋いグリーンのちりめんが巻かれており、オブジェクトは綺麗な色模様のちりめんを手毬状に組み合わせたもの。先端部で回転させて映像の変化を楽しみます。見るからに可愛いですね。この写真の万華鏡は2ミラーシステムですので、覗くと丸い映像が見えています。ほかにも3ミラーシステムのものがありましたが、こちらも丸い映像がたくさん重なり合って見えています。ちりめんという素材の質感が、映りこんだときに面白く、またミラーの先にあるのが球体であることで、映像にも立体感が感じられます。
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ふたたび「鏡の中の鏡」

2008-08-11 17:53:13 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介しました中村明功さん・あや子さんご夫妻の箱型万華鏡の中には、こんな映像が広がっています。ご自身で考案された「鏡の中の鏡」という見え方の映像です。合わせ鏡の中に身を置いたように、無限に奥深くつながっていく映像の連続が圧巻です。何層にもなっている映像のある層に焦点が合っているので、その手前は少しぼけて写っていますが、実際はそれぞれの層が良く見えます。
見ているオブジェクトは箱の下にあるガラスホイールです。手で回しながら覗くとステンドガラスの色模様が美しい変化を見せてくれます。この写真ではどのように変化するかわからないかと思いますが、色のついたかざぐるまがたくさん回っているような映像です。
2007年8月28日にこのミラーシステムを使ったキットをご紹介しましたが、今回は立方体に近い箱型、オブジェクトはガラスホイール、異なった映像デザインなど違った形での万華鏡として出会い、新鮮さを感じました。
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覗き箱の魅力

2008-08-10 17:28:37 | 万華鏡ブログ
「おとなも楽しむ万華鏡2008」展は、現在活躍中の日本の万華鏡作家さん10数名による作品展なので、作家さんの知名度が上がってきたこの頃では、楽しみになさっている方も多いかと思います。毎年拝見させていただいていますが、そのますますの充実ぶりには目を見張るものがあります。
その作品展を中心になってまとめていらっしゃるのが、中村明功さん、あや子さんご夫妻です。丁寧な手作りと工夫を重ねたミラーシステム、手描きの図案など、オリジナリティーのあるいろいろな万華鏡を見せてくれています。万華鏡の面白さを感じながら、作品になさっていることが伝わってくるので、どの作品も覗く時、わくわくします。
ガラスの光沢と可愛らしい花と蝶の図案に、まずひきつけられたこの小ぶりな「箱」は角に覗き口があります。覗かずにはいられない!と思いませんか?
たくさん並んでいる中で、最初に覗いてしまったのは多分この覗き口のせいです。
中に何が見えるんだろう?どんな世界が広がるんだろう?万華鏡の魅力は何といっても私達の心に好奇心をもたらしてくれることです。
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