万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

星に思いを込めて

2015-07-29 22:16:45 | 万華鏡ブログ

前回に続いて ギャルリー・ヴィヴァンさんで開催中の「万華鏡の星座展」から。
深い藍色と白のコントラストが美しく、目を惹いたのは、生駒和代さんの手持ち型の作品です。 晴れ渡った夏の夜空と、白い部分は天の川でしょうか。
作品のタイトルは、「アルタイル」、「ベガ」、「デネブ」 です。 きっと星空に思いを馳せて製作なさったことでしょう。 映像も美しくてきらめいていました。

こちらは小林綾花さんの作品です。 いつも作っていらっしゃる「Twinkle 星の海」シリーズと、特別バージョンの作品「春の北斗七星」、「冬のオリオン」が並んでいました。 美しい星空が金属の筒に映し出されていてとても素敵です。

天然石をふんだんに使ったきらめきのある魅力的な映像です。

もう1点は清野一郎さんの大型の作品「星の記憶」です。 古代の遺跡かな?と不思議な感じ。 何やら穴が開いている・・・・好奇心をかきたてます。

その中を覗くと目に飛び込んでくる雄大な星の世界。 何億光年もの彼方から届くきらめきを表現しているのでしょうか。

万華鏡とひとくくりにはできないほどのさまざまな造形、映像表現に驚くばかりです。
この作品展は8月1日(11時―19時、最終日は17時まで)開催中です。

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泉の湧く万華鏡

2015-07-28 21:23:00 | 万華鏡ブログ

先日東京、銀座のギャルリー・ヴィヴァンさんで開催中(8月1日まで)の「万華鏡の星座展」に伺いました。きら星のごとく並んだ作家さん達の作品展です。 その中から、小嶌淳さんの作品です。

この水をたたえたような映像、素敵ですね。
この作品は「スルスの箱」というタイトル。 フランス語で泉(Source)から名付けられたそうです。 本当にきれいな泉です。

外観は陶器と木製の箱型の作品です。上から光を当てています。陶器の製作は喜多里加さんで、二人のコラボレーションの作品が今までにもたくさん生み出されてきました。 独特の雰囲気を持つ陶器の表情と、小嶌さんの生み出す世界の組み合わせが、誰とも違う個性的な万華鏡作品になっていて、いつも素晴らしいなあと思います。

窓の中に見える別世界。 覗くだけで電動で模様を変えていきますが、その世界を変えるのが、木製の台座の前面に見えている2つのボタンです。

映像の種類を変えたり、オーラのように照明を添えたりします。
小嶌淳さんの万華鏡は、そんな仕組みが工夫されていて、映像のきれいさはもちろんのこと、どんなふうに変わるのかなと覗く楽しみを与えてくれます。

「スルスの箱」は覗き口が箱の横にあったり、泉の深さを感じたり、普通の万華鏡とはちょっと違うけれど、鏡や光の生み出すファンタジーに変化する万華鏡映像が組み合わさっていて、とても現代的でもありますね。 

初めて小嶌さんの作品を拝見したのは仙台万華鏡美術館で開催された「スリーセンス万華鏡」の公募展でした。 「三賢者の夢」という作品で、映像を拝見しながら、その背景の物語に思いを馳せるというスタイルに驚いたものでした。(この作品は優秀作品賞を受賞しました。) 
それ以来ずっと、小嶌さんの独特のネーミングにわくわくしたり、なるほどと納得させられたりしてきたこと、 少し妖しげで、不思議に惹かれる映像に、小嶌さんの魔法を感じたりしたことなどと思い起こしています。

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傾きがポイント

2015-07-21 22:15:48 | 万華鏡ブログ

この写真はマーシャル・フィッシャーさんが今年のBKSコンベンションで新作発表した作品「Coming and Going」です。 この方の作品をご紹介するのは初めてだと思います。

四角い木の筒の正面を飾るのはガラスをフュージングしてデザインしたものです。、オブジェクトは色とりどりのガラスやビーズを配した回転するシリンダー型のものです。

特徴的なのはオブジェクトのシリンダー部分の傾きです。 薄い箱型の筒に対して斜めになっています。

ミラーシステムは4ミラーのレクタンギュラー(長方形)ミラーシステムで、一方向だけ部分的にテイパードになっています。 

そしてこの万華鏡の映像はとてもユニーク。

 

ジグザグになっていますね。 少し奥へ回り込む感じもミラーシステムのなせる技です。
ジグザグになった理由の一つは、オブジェクトシリンダーの傾きだそうです。
なるほど・・・と思いながらも、かなりな意外性を感じたことでした。

木材と金属とガラスを組み合わせて製作するスタイル、ユニークな映像・・・ありそうでちょっとない感じが新鮮に思えたカレイドスコープです。

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夏色万華鏡

2015-07-15 13:50:47 | 万華鏡ブログ

今日はスー・リオさんの夏色万華鏡をご紹介します。 今年のコンベンションで目にとまったものです。
型押しガラスというのでしょうか、ダイナミックなパターンで切り込み模様のある透明なガラスの下にキラキラのホログラム素材を置いて、その輝きがガラスを通してとてもきれいな万華鏡です。 夏の太陽のキラキラ感を感じますね。

パーラータイプのように本体に脚が付いた形ですが、細めで、やわらかいラインの脚なので、万華鏡デザインの一部として優雅なアクセントになっています。

アイホールは2か所。 周りに装飾ハンダも施されて美しく加工されています。
スー・リオさんの定番万華鏡によく見られるようなダイクロイックガラスの飾りがオブジェクトセルの上方にあります。 本体のガラスもこの飾りのガラスも当たる光によって色味や輝きが変わってきます。

そして夏らしさを一番感じたのが、このオブジェクトセルです。色合いが鮮やかで、ブルーとレッドがきれいに組み合わされています。 外からも良く見えるシリンダータイプのオブジェクトセルには、オイルとたっぷりのガラス片、ビーズ、ダイクロイック素材、メタルオブジェクトなど見るからに明るく夏らしい色味が混ざり合っています。

一つのアイホールから見えるのは3ミラーの映像です。 二等辺三角形に組んだ鏡の筒の向こうに見えるのは、視野いっぱいに広がる色模様です。

もうひとつのアイホールから見えるのは2ミラー6ポイントの映像です。

この万華鏡は全体がスランピングによってカーブのついた楕円形に仕上げられています。その中を半分に仕切るように2ミラーシステムと3ミラーシステムの筒が背中あわせに入っています。 そのため、アイホールの広いところ(中心側)から覗くと、どうしても2ミラーの映像は左側によってしまいます。 でもこれは万華鏡のボディーいっぱいになるくらい大きなミラーシステムが入っているこということなので、映像はとても迫力があります。

オイルの中にたっぷりとあるオブジェクトが流れながら生み出す夏色の景色を楽しんでください。

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個性派ぞろい

2015-07-09 23:20:55 | 万華鏡ブログ

昨日に続き、万華鏡ギャラリー「見世蔵」で開催中のBKS出品作家展からご紹介します。
上のユニークな映像は、石田千香子さんの新作「SAMSARA」です。
この映像を生み出すのは一つのミラーシステムとふたつのオブジェクトセルです。

覗き口は一つですが、次の写真でお分かりのように、青い背景のオブジェクトセルと黒い背景のオブジェクトセルがあり、両方がユニークな形で映り込んでいますね。青いセルは地球を、そして黒いセルは地球の周りの惑星をイメージしているそうです。

外観の美しいデザインも魅力的で目を惹く作品です。 覗いて見ると不思議な映像世界、宇宙の深淵に迷い込んだような気がする万華鏡です。

伊勢型紙をデザインにとりいれながら、今までとは異なった切り口の中里さんの「タイム・トラベラー」 です。 

積層ガラス、透明なガラスを駆使したガラスの造形デザインとしても個性的で、中里さんの想いを形にしています。 二つの門を突き抜ける万華鏡の本体は時代を超えるイメージでしょうか。 いくつもの小さなドライセルを載せたホイールを回転させて、映像の変化を楽しみます。 テイパード4ミラーシステムから生まれるユニークな映像表現です。

次は山見浩司さんの「HOPE」です。 今年のコンベンションには残念ながら参加なさいませんでしたが、昨年秋に開催された仙台万華鏡美術館での「希望の万華鏡展」で発表なさった作品です。 美しいデザインですね。

横に長いオブジェクトケースにはきらめきに満ちたオブジェクトがたっぷりと入っています。
光を当てると輝きを増す、とても繊細な色模様が見事だと思います。

ブリュースター・カレイドスコープソサエティの新作発表は、準備する作家さんにとっても大きなチャレンジです。 自分のスタイル、個性を表現しながらも、斬新さを求められるのです。
毎年、コンベンションの直前までかかって創り上げた作品を見せていただくと、まさに作家魂を感じます。 そして、新しいものを創り上げるまでの苦労を伺い、作品を説明していただくと
その万華鏡の魅力がもっと伝わってきます。

万華鏡は覗いて感動したり、癒されたり、驚かされたりするものだから、そしてそれは個人的な経験なのだから、説明はいらない、とにかく覗いて感じればそれでいいとする考え方もありますが、一歩進んで、作家さんがどのような考え、思いで製作したのだということを知ると、その世界がさらに広がる感じがします。 

 

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力作集合

2015-07-08 23:17:51 | 万華鏡ブログ

千葉県流山市の万華鏡ギャラリー「見世蔵」で開催中の万華鏡展に伺いました。 この万華鏡展はブリュースター・カレイドスコープソサエティ(BKS)のコンベンションに参加した作家さんの作品を展示しています。
今年参加して新作を発表した方の作品を中心に展示されていますが、見ごたえもあり、創造性にあふれていて、素晴らしいなとあらためて思いました。
 
上の写真は松本建夫さん・美子さんご夫妻のピープルズチョイスアウォード受賞作品「雅」の映像です。 テイパードミラーシステムから生まれるちょっと不思議な立体映像です。
本体の白地に七宝紋様という和のデザインも素敵です。

対をなす「風雅」は、アメリカに残してきましたが、一つでも十分存在感のある作品です。
ふたつのアイホールのもう一つからは2ミラーの星が輝いています。

オブジェクトセルには砂時計のようなオブジェクトが入っています。 砂ではなくガラスの粒が流れるこのオブジェクトは、映像の中にあって、別の流れを見せるところがユニークです。

同じくピープルズチョイスアウォードを受賞した佐藤さんの「Grand Blue」です。

ガラスの美しさを全体に表現すると同時に、オブジェクトにもこだわりを見せます。 滑らかに回転するオブジェクトセルを回すと、ガラスの動く軽やかな音とともに、見事な映像の展開を見せる作品です。 一瞬一瞬が美しくて、離れがたい思いに駆られることでしょう。

誰とも違うアイディアで作品を生み出す北村さんの作品「Reflection and Refraction」です。

プリズムミラーの特徴を外観にも映像にも活かした万華鏡で、4つのミラーシステムから鮮やかな映像を展開します。 機能的にもLEDやモーターを使って照明や回転の仕組みを組み込み、覗くだけで映像の変化を楽しめる万華鏡です。 オブジェクトホイールの交換もマグネットでの着脱なので、簡単にできます。

この万華鏡展は7月12日まで開催中です。 次回も作品を紹介いたしますが、この変化するアートをぜひ直接見ていただきたいなと思います。
BKSのコンベンションでは、作家さんたちが毎年新作を発表します。 今年はどんな作品だろう?と期待も膨らみます。 そんな楽しみもあるBKSのコンベンションが、2年後は京都で開かれます。 たくさんの万華鏡ファンの方とこの楽しみを分かち合えるよう、企画準備中です。 

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