万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

鏡の中の鏡

2007-08-28 23:40:41 | 万華鏡ブログ
ずいぶん前に手に入れた中村明功さん考案のキットですが、最近になって作ってみたら、これが大変面白いものでした。
「無限に続く合わせ鏡の世界を万華鏡で表現した世界初のミラーシステム」とご自分のサイトで書いてありましたが、外から見ただけではまず分からないミラーシステムをキットで体験製作できてラッキー!という気持ちになりました。
作品名は「鏡の中の鏡」と命名していらっしゃいますが、作ってみるとなるほどと納得するタイトルでした。
大きなオブジェクトケースを回転させることにより、左右、上下、前後に無限に続いていく四角い枠の映像の彩の変化を楽しみます。
万華鏡の不思議、鏡の魔術を十分に体験させてくれる優れたキットです。
作品展などで拝見する中村さんの不思議なミラー映像の秘密にちょっと近づいたようで嬉しかったのですが、実は、もうひとついまだに気になってしょうがない、不思議な映像もあるのです。万華鏡にもいろいろな奥行き、可能性があるのですね。
その中村さんご夫妻が中心となって「大人も楽しむ万華鏡展」が今年もまた、そごう横浜店6F(9月11日から17日まで)で開かれるそうです。何人かの日本の万華鏡作家さんのグループ展とのことで楽しみにしています。
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銀河列車

2007-08-27 16:23:58 | 万華鏡ブログ
最近、いろいろなキットで万華鏡を作っています。作家さんが試行錯誤の上、誰にでもきれいに作れるキットという形で、万華鏡を作る楽しみを与えてくれていますので、ウェブサイトでご紹介したいと思って、不器用ながらあれこれ挑戦しています。実際やってみると、本当によく考えて作られていることがわかり、作品を生み出すのと同じくらいに、こだわって作っていらっしゃるのだなあと思います。おかげで私達は、少しスリルを感じながら、大きな失敗もなく、万華鏡を作り上げることができるのです。
この作品は依田さんご夫妻の考案になるキット「銀河列車」です。ゴールドの煙突の付いたアクリル製の汽車が、ジョバンニとカムパネルラを乗せて夜空を走る汽車のイメージです。4ミラーシステムを通してみる映像は、車窓から見える銀河・・・物悲しい中にも、温かみのあるこの話を思い出しながら、作ってみました。
手動で音のなるオルゴールが「虹のかなたに」の調べを響かせ、その回転がそのままオブジェクトセルの回転に伝わる仕組みになっているのが、依田さん考案らしい素晴らしいところ。煙突を覗くと、そのスピードに合わせて、ドライセルがカシャカシャしながら、映像を変化させています。
手動なので、回転のスピードをゆっくりにも早くにも調節できるところが良いと思います。短い筒ですが、レンズを装着したアイホールが準備されていて、くっきりとした映像を見せています。付属のオブジェクトもバーナーワークによるガラス片がたくさん入っていて嬉しいです。
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打ち寄せる波をイメージした万華鏡

2007-08-24 14:56:22 | 万華鏡ブログ
大西洋を望む風光明媚なメイン州ケネバンクポートという町で工房を構えるスー・リオさんの「サーフ(Surf)」という作品です。「打ち寄せる波」という意味のことばですが、サーフィンという言葉を思い浮かべる方も多いと思います。
美しい水色のイリデッセントガラスのボディーに透明感あふれるオイルオブジェクトセル、アクセントにつけられた白い貝殻やオブジェクトセルの中のいくつかの巻貝が美しい海辺を表現しています。
オブジェクトセルの側面には、ダイクロイックガラスをフュージングした輝きのある四角いガラスが飾られ、ここを持ってオブジェクトセルを回転させて、映像の変化を楽しみます。
箱型のボディー、シリンダー型の透明なオイルセルというスタイルはお馴染みのものですが、それだけに洗練された造りで、バランスよくきれいにできています。
そして、この作品は小型で持ちやすく、しかもアイホールは大きめですから、覗きやすい作品です。7cm×13cm×2.6cmのボディーの中に2ミラー(7ポイント)と3ミラー(二等辺三角形)のふたつのミラーシステムが入っており、ふたつの覗き口それぞれに美しい映像を展開していきます。この作品には姉妹編の「Turf(ターフ)」という色違いのものがあるのですが、それはまた別の機会にご紹介します。
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木工も手がけるウッドランドデザインズ工房

2007-08-22 22:30:09 | 万華鏡ブログ
さまざまな表情のステンドガラスや、そのガラスの筒にさらに花やさまざまなデザインを焼き付けたガラスの筒の万華鏡がトレードマークのウッドランドデザインズ工房、スティーブ&ペギー・キテルソン夫妻の作品は、これまでにもいろいろご紹介してまいりましたが、今回の新作万華鏡は木製の筒で、「ザ・アメリカンウッド・カレイドスコープス」というシリーズです。ウォルナット、メープル、チェリー、オークといった木材を使って、スティーブさんの木工の作品です。少し小振りで、先端部が滑らかに回転する造りになっています。
オブジェクトは、ペギーさんのバーナーワークによる美しいガラスオブジェクトで、ミラーシステムは2種類あります。 2ミラー6ポイントと正三角形の3ミラーシステムです。ずっと馴染んできた2ミラーシステムの映像に比べると、3ミラーシステムは、彼らとしては、かなり珍しいと感じます。
内部映像の色合いも、筒の色に影響されることがないので、いろいろな試みができそうです。でも今回改めて感じたのは、外部の素材が変わっても、やはりペギーさんのオブジェクトは、あくまでもペギーさんらしく、この作品のデザインはあくまでもウッドランドデザイン工房らしいということ。これが彼らのオリジナリティーであることをしっかりと見せてくれます。
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涼やかな映像

2007-08-21 10:43:08 | 万華鏡ブログ
残暑厳しいこの頃、この涼やかな映像はいかがでしょう。
昨日ご紹介した佐藤元洋さんの「千凛」の内部映像です。バーナーワークで作られた枝状のガラスオブジェクトの一つ一つが、絡み合い、重なり合って、よく見ると複雑な陰影を生み出します。 あえて数と色味を少なくしたことで、陰影の表現が生きています。ほとんどが青の濃淡と白いオブジェクトですが、1-2個含まれる黄色や緑、琥珀色が現れるとその効果がはっきりと見えるので、メリハリのある映像展開になります。
オブジェクトセルは軽く指で回し手を離すと、オブジェクトの重みで戻るような動きがあり、その一瞬映像がふわっと変わるのも面白い効果です。
そしてガラスのオブジェクトがぶつかり合って奏でる音も涼やかで、目と耳で清涼感を感じる作品ですが、表面的な印象に留まらず、覗いていると心が落ち着いてくる静けさを評価したい作品です。
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凛とした美しさのある万華鏡

2007-08-20 21:04:39 | 万華鏡ブログ
佐藤元洋さんの「千凛」という作品です。水色や青のガラスの美しさが際立っているパーラー型の万華鏡は、佐藤さんらしいブルーの世界を存分に表現して、静かな凛とした表情を見せています。台座部分のガラスの濃い青の流れと万華鏡本体のガラスの淡い青の流れのコントラストが素敵です。本体に散らした銀箔も、美しいアクセントになっています。
万華鏡の下のスリガラス状の白い部分は、内側に青を配した透明な台座に差し込むようになっていて、外して手に持つことができます。
先端部は滑らかに回転するベアリングが組み込まれているので、軽く触るだけで回転し、ガラスのドライオブジェクトの奏でる音が心地よく響きます。
少し少なめのオブジェクトは青の濃淡、白のほかに少しの緑と黄色と琥珀色からなり、静かな映像を表現したと佐藤さん。背景となる青みがかった白いスリガラスの色もとりこんで、清冽な泉のごとく、透き通った美を次々と生み出しています。
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斬新な木工デザインの万華鏡

2007-08-19 22:34:11 | 万華鏡ブログ
アーニー・ウェインステインさんの木工の万華鏡です。木材を組み合わせ、直線とカーブが組み合わされた独自のフォームでさまざまな作品を作っています。
左側の作品は「Koool,Bro」(クーールブロ)というタイトルで、チェリー材、メープル材、ブビンガ材、ウォルナット材を組み合わせた四角い筒を斜めにカットして8面の切り口のある面白いデザインとなっています。カットされた面にかならず2色の木材が含まれるようになっており、見る方向によってさまざまな表情になります。内部は黒い背景の3ミラーの映像です。
右側の「Young Monk」(ヤングモンク)はウォルナット材の四角い筒の角を丸めたり、カーブの付けることで、木工デザインを活かした万華鏡となっています。こちらは2ミラー7ポイントで白い背景の映像です。
木工の万華鏡では丸い筒を基本とする人が多いのですが、彼の場合は丸にこだわらずに外観のデザイン性の高い作品が多いようです。
オブジェクトセルはオイル入りで、バーナーワークによるガラス細工やビーズが使われていますが、木材という筒の素材だからこその、内部への縛りのない自由な色合いの映像表現となっています。
ミラーシステムにこだわりを見せるのは大型の作品で、このブログでも2007年5月4日にもご紹介しました。木材という素材を活かしてのデザインへのこだわり、そしてユニークなミラーシステムへの挑戦を続けている作家さんです。
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手毬のような万華鏡映像

2007-08-17 09:24:51 | 万華鏡ブログ
パレッティー夫妻の「スローヨーヨー」の内部映像です。可愛らしくて楽しい映像だと思いませんか。
クランクの部分には3本のリボンが並んで付けられ、いずれもが継ぎはぎされています。巻いていくうちに3本が交差したり、偏って巻きついたりするので、同じ映像はなかなか出てきません。しかもリボンの長さは130cmもあります。巻きついていくうちに厚みも変わってきて、そのため映像が立体的に見えるようになります。リボンの表情によっては、日本の伝統的な玩具の手毬(てまり)のような印象の映像です。
またクランクの部分は長さに余裕を持たせてあり、左右に動かすことによっても映像が変化します。リボンが解ける時と巻き上げるときの映像の変化の違いも面白いものです。
昨日の写真ではわかりにくいのですが、この長いリボンを巻き取るとアクリル部分に収まるようになっており、リボンの先端を束ねて抑えているプラスティックの棒を万華鏡本体木部にある小さな突起に差し込んで固定すると、万華鏡を持ち上げてもリボンが勝手に解けることがないようになっています。
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リボン・リボン・リボン

2007-08-16 14:36:42 | 万華鏡ブログ
好きな万華鏡はいろいろあって、特定するのは大変ですが、その中でもアイディアと映像が大好き!という作品をご紹介したいと思います。トム&キャロル・パレッティー夫妻の「SLOW YO-YO(スローヨーヨー)」という作品です。
何といってもユニークなのはオブジェクトが継ぎ足された長い3本のリボンというところです。それをクランクで巻き上げたり、ぶら下げたりするさまを万華鏡を通して見るのです。リボンは色、模様、幅、材質など異なるものを継ぎ足し、ステッチなども入れてあります。オブジェクトのケースを取り払ってしまったところ、ヨーヨーのような縦の動きを万華鏡を通して見るところなど、すごいアイディアだと思います。そんな理由をつけなくても、とにかく覗くのが本当に楽しい作品です。
そしてパレッティー夫妻の作品の多くに言えることですが、異なる素材をスマートに個性的に使いこなしているところが素晴らしいです。この作品ではアクリル、革、木材、そしてリボンですが、統一感のある落ち着いた姿になっています。
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ガラスで創る羽のオブジェクトが美しい万華鏡

2007-08-14 21:57:13 | 万華鏡ブログ
昨日に続き、ハワード&エリザベス・スミス夫妻の「Views from Vermont」シリーズから「Feathers(フェザーズ)」の内部映像です。その名のとおり、羽をイメージしたガラスオブジェクトが、軽やかで透き通るような映像を生み出します。
エリザベスさんがバーナーワークで作るオブジェクトはひとつひとつが羽の形になっており、鳥の羽を表現するその色合いは、強い色がなく、やわらかい色調です。
こんな羽の色の鳥がいるだろうなあと思うようなごく自然な感じが、派手さはないけれど、心に響く美しさを演出していると思います。
パレッティー夫妻の「フェザー&レザー」という作品は、本当の鳥の羽を飛ばして思いがけない美しい映像を生み出す画期的な作品ですが、ガラスで作られた鳥の羽のオブジェクトのドライセルも、また別の魅力を見せています。
本体は「フラワーズ」と同様に、なめらかなメープル材の楕円形の筒で、よく見ると小さな覗き口も羽根の形になっていて、ハワードさんの木工の細かい技も見せています。
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