万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

ガラスの花を見る万華鏡

2006-11-30 18:32:16 | 万華鏡ブログ
細井厚子さんのオルゴール万華鏡です。小さいけれど、クリスマス前の何となく心華やぐ気分を盛り上げる作品ですね。 赤いボディーも素敵なのですが、何といっても、細井さんらしい繊細なガラス製のポインセチアやヒイラギを飾りつけた黒いディスクが素敵で、全体の姿も愛らしい作品です。ディスクを1-2回、回転させて手を離すと、ディスクが戻るように回転し、オルゴールが音楽を奏でます。回転するディスクを万華鏡を覗いて見る仕組みです。
このように回転するディスクやトレイにオブジェクトを載せたり、貼り付けたりして、それをミラーシステムを通して覗き楽しむ万華鏡は、個々のオブジェクトが直接見えるのが面白いところです。もっと大きいものならば、パーティーなどでトレイの上に色とりどりのキャンディーを載せたり、おもちゃを載せたり、アクセサリーを載せたりするだけで、みんなでいろいろな映像を作る楽しみ方もあります。
光線の加減で写真が上手に撮れず残念でしたが、「透明な花」がきれいな、夢のある作品をぜひご紹介したいと思いました。
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夢は再びヨーロッパへ、そして世界へ

2006-11-29 17:25:56 | 万華鏡ブログ

「有田焼万華鏡」で最初に開発されたのは、手持ち型の小ぶりなサイズでした。(写真の奥側にも写っています。) 多くの異なった部品から成っている万華鏡は、本来、まったく同じものが無いとはいえ、大きさを揃えて生産しなければ、大量に作ることは出来ません。筒の部分を焼くときの収縮率を一定にするために苦労をなさったと聞いています。
開発に成功して、「有田焼万華鏡」は、大手百貨店や万華鏡専門店での販売により多くの方の手元に届きました。そしてその次に、多くの人が集う場所に設置して、たくさんの人に楽しんでもらうための大型の作品の製作が始まりました。最初にご紹介したフロアータイプのほかに、卓上型の作品も数点創られました。
今日ご紹介するのは、源右衛門窯の大型卓上オイルタイプ「古伊万里風菊牡丹」という作品です。古伊万里の伝統的な図柄でしょうか。手描きの模様が素晴らしいですね。台座部分は「ブルー・アンド・ホワイト」の唐草模様になっており全体的に豪華な印象です。
万華鏡部分の製作者は山見浩司さん。オブジェクトは大き目のオイルワンドで、覗き口も大きく、ひし形のミラーシステムを通して、二つの曼荼羅模様が並び重なるように映し出されます。伝統的な図柄の色を意識して選ばれたガラスオブジェクトは、透明な質感で日本的な色模様を展開し、オイルセルならではの瑞々しさが演出されています。
何百年も前にヨーロッパに輸出されていた「伊万里」の磁器を、新しい形で再び世界に向けて発信したい、万華鏡の生まれ故郷スコットランドにも紹介したいとの想いが詰まった「有田焼万華鏡」です。

*有田郷で焼かれ始めた磁器は鍋島藩の保護育成と厳しい管理のもと、十数キロはなれた伊万里の港から積み出されました。そのため一般には「伊万里焼」と呼ばれるようになりました。(源右衛門窯ウェブサイトより)
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花の里というテレイドスコープ

2006-11-28 13:18:29 | 万華鏡ブログ
有田焼万華鏡の大型テレイドスコープ「花の里」をご紹介します。磁器のテレイドスコープの筒、オブジェクトを載せる鉢、そして椅子が、香蘭社の製作によるもので、清楚な白い地の一部が青くなっており、そこに白い小花文様が浮き出る優美なデザインです。筒の先端に季節の花を植えて、それを万華鏡映像に映し出して楽しみます。 花を植え込んだ鉢は、軽く手で回すことができるようになっていて、覗いたときの映像を変化させます。正三角形の3ミラーシステムで映し出されるのは、花の咲き乱れるお花畑のような世界。視野いっぱいに広がり、まさに「花の里」です。ミラーやレンズの精度も良く、シャープな映像が楽しめます。
スタンド部分のスチールのデザインも磁器の優雅さを損なわないように、曲線を描き、アンティーク調の色合いになっています。
太陽の光が入り込むサンルームのような場所に置いて、有田焼の小花と季節の花を愛でながら、美しい万華鏡映像も楽しめる贅沢な作品です。
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磁器万華鏡の内部映像

2006-11-27 14:22:39 | 万華鏡ブログ
前回ご紹介した「手鞠」の内部映像です。美しい内部映像のほんの一瞬ですが、山見浩司さんらしい完成度の高いくっきりとした曼荼羅映像を中心に、幻想的な色模様が周りを取り囲んで輝いています。ステンドガラスのホイールを2枚重ねて、その組み合わせの妙と、光の透し具合でガラスの美しさを演出するのですが、無作為にオブジェクトが動くドライセルやオイルセルほどの自由さはないものの、その映像変化は多様多彩で心惹かれます。1枚はダイクロイックガラスのみを使って、ホイールの部分ごとに形を変えたピースを埋め込んだもの、もう1枚はいくつかの、色と質感の違うガラスを埋め込んだもの。特にダイクロイックガラスは2色性ガラスと訳されますが、見る方向、光の透り具合で色が違って見える素材で、万華鏡に使われるようになってアート表現に大きな幅を生み出しました。さまざまなガラスに精通し、素材として使いこなして万華鏡という形や手段で表現する職人芸と、心に響く映像世界を創り出すというアートセンスが組み合わされてこそのアート万華鏡の素晴らしさを改めて思いました。
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秋の有田にて

2006-11-26 22:24:10 | 万華鏡ブログ
旅先の佐賀県有田市で、「秋の陶磁器祭り」に立ち寄った際に有田万華鏡の展示会が開催されていて思いがけずたくさんの万華鏡を見ることができました。「400年の伝統を持つ有田焼と200年の歴史を持つ万華鏡のコラボレーション」というキャッチフレーズのもと、多くのプロの知恵と技術を結集し、夢と感動を生み出そうとする大きなプロジェクトが始まったのが2003年。2005年には大型の作品も製作されるようになりました。
この作品は、昨年のザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティー・コンベンションにも出品された「手鞠」です。上品な手鞠の文様、美しいガラスのホイール、アンティーク調のデザインでまとめたスタンドが素敵なフロアータイプの大型万華鏡です。万華鏡本体とスタンドの一部が、手鞠の手描き模様のある有田焼の磁器製になっています。佐賀県立宇宙科学館に来年2月から展示されることが決まったそうで、これを機会にさらに多くの方に万華鏡の魅力と伝統工芸の良さを知っていただきたいと佐賀ダンボール商会・有田焼カレイドスコープ研究所の石川さんはおっしゃっていました。
この作品の万華鏡のデザイン、ホイールやミラーシステムを担当なさったのは、山見浩司さんです。ミラーの第3面に特殊フィルムを使うことで曼荼羅模様の周囲にオーラの輝きが幻想的な内部映像になっています。ステンドガラスの美しい2枚のホイールは、そのものが素晴らしいステンドガラスのデザインであり、覗くと組み合わさったガラスの重なりや周囲の明るさ、光によってさまざまな色模様を見せてくれます。
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心地よい映像の変化について思うこと

2006-11-22 20:46:26 | 万華鏡ブログ

万華鏡の映像の変化を音楽と組み合わせて楽しむヒーリングビデオというのがあります。万華鏡そのものを覗いて撮影したものだけでなく、コンピューターの力でミラーシステムを通さずとも完ぺきなシンメトリーの万華鏡映像に映し出すものもあります。 きれいな旋律にきれいな映像は確かに心地よいのだろうと思うのですが、実際の万華鏡を覗いたときの感動にはどうも及ばないような気がします。自分の意思で筒を覗き、オブジェクトセルを回すという行為があるかないかで、受け取る刺激が違うのでしょうか?そんなことを思いながら、キテルソン夫妻のミスティックラプチャーを覗いたときに感じたのは、待ちたいときに待つことができることなのではないかと思いました。オイルセルの映像でゆっくりと余韻の変化を楽しみたいと無意識に感じているときには心静かにその映像に浸っている自分がいます。次を待つ経過の時間の楽しみがあるのです。万華鏡の変化の魅力も見る側のペースに合ってこそ心地よいのではないかと思ったしだいです。皆さんはどんな風に思われますか?
Comments (2)
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万華鏡 山見浩司となかまたち展

2006-11-21 22:11:57 | 万華鏡ブログ
今日から始まった「万華鏡 山見浩司となかまたち展」に行ってまいりました。この作品展は日本の万華鏡作家の草分けであり、常に万華鏡界をリードしてきた山見浩司さんの教室の10年の歴史を記念して、山見さんと生徒さんの作品を集めたもので、大変見ごたえのある展示会でした。そして、日本に確かに根付いてきた「万華鏡を楽しむ文化」を感じることができて、とても嬉しく思いました。ステンドガラスが中心ですが、他の素材の作品もあり、すでに作家として活躍している方々も含め、それぞれの個性を発揮していると思いました。
この作品は、山見さんの新作です。虹色の光沢のあるガラスの本体はすっきりとしたパーラータイプで、アールデコのデザインを意識したものだそうです。無駄のない美しい形の筒の先端には、手の込んだホイールが付いています。特徴的なのは、オブジェクトのホイールのユニークさです。1枚のフラットなホイールともうひとつの立体的なホイールの組み合わせによる映像効果が楽しめます。さまざまなガラスを組み合わせたホイールは、それだけでも美しいですが、内部映像もまた素敵です。展示されている山見さんのどの万華鏡を覗いても、万華鏡映像の質にこだわりを持って創られていることが感じられました。
この作品展は、11月21日(火)から26日(日)まで、表参道のアートスペース リピーナで開かれています。(電話03-3401-2242)
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冬の宝石 

2006-11-20 20:30:19 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介したルーク&サリー・デュレットさんの「スノーフレークス」です。透明感のあるブルーの筒に雪の結晶が掘り込まれたデザインは、清清しさと荘厳さを感じさせます。子供の頃、雪が降るととても嬉しくて、空を見上げたり、手袋の上や地面に舞い落ちるのを飽きずに眺めたことを思い出します。
この作品のタイトルには、「冬の宝石」というサブタイトルが付いています。万華鏡の中に雪や氷の宝石のようなきらめきを生み出すため、デュレット夫妻が選んだのは、スワロフスキーのカットクリスタル、バーナーワークを施したダイクロイックガラス片、輝きのあるビーズ、メタルワークの小さな結晶などのオブジェクトです。多分、万華鏡には本当の宝石を入れるより、こういったオブジェクトを入れたほうがずっときれいだと思います。
もうひとつの特徴はオブジェクトセルの背景の部分です。凍りついた窓ガラスのような模様をリバースペイントという技法でガラスに描いてあります。この写真だと濃い色のように見えますが、光をよく通して、オブジェクトと重なり、雪の結晶を幻想的な色合いに変化させます。
誰もが懐かしく思うクリスマスや冬のシーンを万華鏡に表現するデュレット夫妻のクリスマスシリーズの魅力は、美しさだけでなく、万華鏡をのぞいて喚起される懐かしい思いを作家さんと共有できることなのではないでしょうか。
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雪の結晶の万華鏡映像

2006-11-19 23:49:37 | 万華鏡ブログ
11月も半ばを過ぎると、町ではクリスマスの飾りつけが人々の目を惹き、クリスマスムードを盛り上げています。万華鏡にもクリスマスをテーマとする作品がいくつかあります。シークレットガーデン工房のルーク&サリー・デュレット夫妻は、限定版シリーズとして、クリスマスをテーマに美しく、夢のある作品を創り続けていますが、この「スノーフレークス」は、その第7番目、2005年から製作をしているクリスマススコープで、300個の限定版です。きらめきのある美しい映像は、デュレット夫妻ならではのオブジェクトの組み合わせによるものです。
タイトルの通りに雪の結晶のような6ポイントの映像が、きらきらと美しく展開します。ひとつの万華鏡に二つのミラーシステムが入っており、覗き口も2個あります。ひとつはこの写真のように、2ミラーシステム6ポイントの映像が一つ見え、もうひとつは3ミラーシステムですが、小さめの雪の結晶が一度にたくさん見えます。基本は6角形ながら、多種多様な形の雪の結晶は、自然の生み出すシンメトリーの世界で、万華鏡の映像と通じるものがありますが、あえてその美を万華鏡で表現しています。冷たい空気の張り詰めた雪の舞う景色を思い起こさせる素敵な万華鏡です。
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彩陶の万華鏡とガラスの表現

2006-11-17 01:33:10 | 万華鏡ブログ
ステンドガラスの万華鏡作家、山見浩司さんによる、おしどりの万華鏡の内部映像です。鳥の羽の色合いを巧みに映像に映しこんでいると思いませんか。オブジェクトセルの背景(オブジェクトセルの鏡から遠い方の面)が光を通す素材になっていて、ガラスの重なり合いが微妙な色合いの変化を生み出します。重なり合う色合いまで考えた上でのオブジェクト選びだったのだと思います。 透明度のない彩陶の作品が、万華鏡となって反射と光を取り込み、透明感のある表現を中に秘めているのです。いくつか辻輝子さんの陶器の万華鏡を覗いてみて、そんな面白さや魅力に感じ入りました。 そして陶芸家の辻さんが、自分の焼いた筒を万華鏡にすることをずっと前から願っていたこと、すでに十数年前、日本に現代のアート万華鏡が入ってきたばかりの頃から、実際に著名な万華鏡作家の方々とのコラボレーションをなさっていたことを知り、さすが女流陶芸家の先駆者と思ったものです。このような作品は、思いのほかたくさんあるようですが、美術館での展示が多く、なかなか手にとって見ることが出来ないのが、残念です。
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