小さな作品は、作るのが結構大変です。ミラーも細く切らなければなりませんし、焦点距離を合わせるために覗き口にレンズを入れますから、すべてがよく見えてしまうので、ミラーを組む時も細心の注意が必要です。オブジェクトセルも小さいから、中に入れるものも小さく造られています。そして小さくても作家さんの個性は変わりません。
今日の万華鏡は喜多里加さんと小嶌淳さんのコラボレーションの万華鏡です。長さ9cmの小ぶりな作品は、木の台に載っています。喜多さんの創る筒の質感、雰囲気は小さくても十分伝わります。
土を削って模様を浮き出させているのがわかるでしょうか?オブジェクトセルのカバーはすりガラスで、ざらっとした土の筒の先端に、融合するようにつけられています。
この中に小さなオブジェクトセルがあり、小さなガラス細工が入っています。
筒の色に使われたピンクやブルーと同様の、柔らかいパステル調の映像。
透き通ったダイクロイックガラスが輝きが添え、赤い灯がともったような映像。
菖蒲の花のような紫が鮮やかな映像も見えます。
いろいろな表情があって、やさしい色と強い色が突然目の前に現れる印象。
心をざわざわとさせるような小嶌さんの万華鏡映像です。