万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

手のひらの宝物

2015-05-24 12:41:38 | 万華鏡ブログ

5月28日から開催されるザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティのコンベンションに参加するための準備に時間がとられ、ブログの更新が遅れてしまいました。

今日は赤津純子さんのとても小さな作品「凸」(とつ)をご紹介します。
その姿をそのままタイトルにした万華鏡です。

どのくらい小さいかというと、こんな感じです。

小さくて可愛らしい万華鏡ですが、赤津さんの想いとエネルギーがいっぱいこもった作品なんです。
覗き口の上にレンズをかぶせて、はんだで留めてあります。 丈の短い万華鏡でも、適切なレンズで焦点距離がちゃんと合うようになります。 このレンズ選びも作家さんが試行錯誤しながら、より良い映像を生み出すために努力するところです。

覗くと繊細で優しい絵が白い背景に浮かび上がります。

小さなオブジェクトセルに入っているのは、どれもさらに小さなガラスオブジェクトで、細く引いたもの、薄く作って小さく成形したもの、粒の飾りのついたものなどです。
映像になった時の色合い、オブジェクトのバランスを1点ずつ考えながら、オブジェクトセルを作ります。 

オブジェクトの間の白い半透明の背景が占める割合の多い、赤津さんの作品。 日本のアートに通じるものがありますね。 すっきりとした清々しい映像表現です。 鏡の組み方もきれいです。 

手作りの布製の袋に入っていて、どこにでも一緒に持って行けそうな、小さいけれど、とても高品質な万華鏡です。 手にとって覗けば、心が喜ぶ手のひらの宝物です。

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「至福の旅」という万華鏡

2015-05-03 21:36:20 | 万華鏡ブログ

今日ご紹介するのは、ランディ&シェリー・ナップ夫妻の最新作「Blissful Journey」です。「至福の旅」とでも訳しましょうか。 彼らの生み出すどの万華鏡も幸せをくれる素敵な作品ばかりですが、今回もきっとそうに違いありません。 

新作は製作ナンバー入りのシリーズです。 数種類の木材を重ねて使ったボディーのデザインは新しく、木材の組み合わせによってボディーの模様が違っています。 
また、2本の脚がボディーについているのも新しい特徴です。 パーラータイプとは言えないけれど、普通の手持ち型とも少し違っていて、台座なしに安定して置くことができます。

映像の種類は2種類 (ジュエルトーン/ブライトイメージ) で、今日ご紹介するのは「ジュエルトーン」というタイプです。

オブジェクトセルは彼らのいつものスタイルで黒い背景、横から光を入れるオイル入りです。
側面にダイクロイックフィルターを入れて、映像に美しい光を当てるような効果があります。

外から見るオブジェクトセルは黒と白のアクリルの層を使い、ローズエンジン(旋盤)できれいな模様を浮かび上がらせています。

この作品もセルを回す部分がとても滑らかにストレスなく動きます。 品質の高さの一つといえると思います。

オブジェクトはシェリーさんがイタリア製のガラスケインを、バーナーワークで加工したもので、オイルの中で、美しい流れ方をすると同時に、一瞬一瞬の映像に奥行きを感じさせます。

彼らの作品は5ポイントや6ポイントが多いのですが、それは、一つ一つのオブジェクトのガラスデザインが生かされ、しかも反復されてバランスが取れた映像になることを目指しているからかなと思います。
パープル色の光りに輝きをもらった映像です。

ガラスオブジェクトのねじりが効いた映像です。 ピンク色の光が当たっているように見えます。

このように取り込まれた光の色味が万華鏡の映像を作るひとつの要素となっているのがこの作品の特徴で、またナップ夫妻が26年にも及ぶ万華鏡製作の経歴の中で、何度か取り入れてきたテクニックです。 

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桜色に染まる別世界

2015-05-01 22:24:38 | 万華鏡ブログ

山見浩司さんのお店で新しい万華鏡を見せていただきました。仙台万華鏡美術館でつい最近までひらかれていた「さくらの万華鏡展」に出品した作品だそうです。

外観はまるで絵を描いたように色が混じり合う美しいガラスに、ピンク色のさくらの花が飾られています。

大きなオブジェクトシリンダーには少なめのオイルとたっぷりのガラスオブジェクトが入っています。外から見るだけでも美しいガラス片の詰め合わせで、どれほど美しい映像に変身するか、覗くのがとても楽しみになります。

箱の幅に広がる大きなミラーシステムですが、上部の2か所に覗き口があり、それぞれ大きな映像の違う部分を切り取って見せています。 両目で全体を見ることもできます。 

そしてその繊細で美しいこと・・・・ シリンダーを回すに従って次から次に生み出される色の層、変化する色合い、景色・・・桜色の別世界に連れていってくれる夢のような映像に、圧倒されます。 山見ブルーもいいけど、山見ピンクも素晴らしい!

オブジェクトシリンダーの下の部分には光を反射する素材が使われ、それも映像に影響を与えています。
日本の美しさをいろいろな万華鏡で表現なさっている山見浩司さんの作品群に加えられた新作でした。 

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