万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

万華鏡展*光で綴るものがたり*

2006-08-31 18:48:24 | 万華鏡ブログ
東京、渋谷のBunkamura Galleryで開催中の万華鏡展を見てきました。広い会場には、なかなか見る機会の少ない人気万華鏡作家の作品が数多く、とても見やすく展示され、一つ一つ覗いて楽しむことができます。(取り扱いが難しいものは、スタッフに声をかけて覗かせてもらえます。)海外の作家と日本の作家の作品がバランスよく紹介され、限定版や新作も揃っていて、現代万華鏡の世界を十分に堪能できる展示会です。さらに特筆すべきなのは、国際万華鏡協会収蔵コレクションから、マーク・ティクル&スーザン・ラングレン夫妻の一連の作品が展示されているコーナー(写真)です。独特のミラーシステムで類を見ない3D映像を生み出すマーク・ティクル夫妻の作品は、その独創性と造形美が高く評価され、数々の受賞暦があります。カーブのある造形、リバースペインティングの技法、金箔を使ったアート表現、高い技術で作り出されたバーナーワークによるオブジェクトの数々、大きな(時に複数の)覗き口から見える信じられないような映像などなど・・・とてもインパクトの強い素晴らしい作品ばかりが11点ほど展示されていますが、これほどまとめて彼らの作品を見る機会はおそらくあまりないと思われますので、結構すごい企画だと思いました。万華鏡に興味を持つ方には是非見ていただきたいと思います。この万華鏡展は8月30日から9月10日まで開催中です。 http://www.bunkamura.co.jp
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ガラスマーブルの万華鏡

2006-08-30 16:07:12 | 万華鏡ブログ
この作品は「ステンドグラス・オリジナルス」工房のデブラ・デービスによる小さなマーブルスコープです。全体の高さが8.5cmほどの小型万華鏡はその1/3をマーブルの大きさが占めています。マーブルというのは主に吹きガラスの作家が作る大型のビー玉のような球体で、そのものがアート作品として作家もたくさんいるし、コレクターもいる世界でもあるのです。この写真のマーブルもアメリカのガラス作家によるもので、その映像は表情豊かで多彩です。デブラさんはこの作家のマーブルを活かしたマーブルスコープをずっと作っています。
カレイドスコープルネッサンスの初期の頃から、マーブルを万華鏡のオブジェクトとして使った作家さんは結構いたようですが、マーブルをミラーシステムの先端に置くと光を取り込み難いこと、マーブルの模様により映像が単調になりがちであることから、オイルチェンバーのようにもてはやされることはありませんでした。しかし、万華鏡に向いたマーブルを使い、奥行きのある球体の面白さを活かすと、その映像は、全方位に回転する球面のあらゆる場所から、多様で美しいシンメトリー模様を生み出すのです。先端のマーブルを交換して楽しめるのも魅力のひとつ。機会があったら是非手に取って楽しんでみてください。
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青いペンダント万華鏡

2006-08-29 22:37:12 | 万華鏡ブログ
この万華鏡は依田さんの作品でペンダントタイプのものです。ボディーの大きさは3cm×5cmという小さなサイズで、長さ6.5cmの細いドライワンドをオブジェクトにしていますが、その中には細やかに、カットされたり加工された濃淡の青、グリーン、白などのガラス片とガラス細工が見た目も美しく、バランスよく詰められています。覗き口に拡大レンズを使っているので、映像は大きくくっきりとしています。小さな覗き口なのに、覗くとその中はとても美しい青い世界が展開します。
薄いひし形状に組んだツイン2ミラーシステムと呼ばれる鏡の組み方で、ふたつのマンダラ映像が並んで見えます。このドライワンドは、ぎっしりとオブジェクトが詰まっているので、水平になるように持ち、左右に動かしたり、ワンドを回転させて、映像の変化を楽しみます。特に面白いのはワンドを左右に動かすと、ふたつのマンダラ映像が交互に浮かび上がったり沈み込んだりするところで、吸い込まれていくような錯覚を起こします。その変幻自在な色世界に魅せられ、別れがたく購入したこのペンダントは依田さんの作品で初めて手に入れた記念すべきコレクションで、今でもよく覗いてガラス色の幸せにひたっています。
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ワイリー・ジョウブの万華鏡

2006-08-28 19:46:31 | 万華鏡ブログ
ワイリー・ジョウブというアメリカの万華鏡作家は、日本ではあまり知られていないかもしれません。1987年から万華鏡の製作をしていますが、当時アメリカで進行しつつあった「カレイドスコープルネッサンス」の流れにも気が付かず、独自のアプローチでそのスタイルを築きあげました。19世紀の科学的な器具として生まれた万華鏡というスタイルで創られた作品の多くは、ポリアンギュラー(2枚の鏡の角度を変えることができるもの)のミラーシステムを取り入れ、ヴィクトリア朝の雰囲気の漂う、クラシックなスタイルが特徴です。確かな製作技術に裏打ちされた彼の作品は大きなものはフロアモデルから小さな手持ち型まで、いずれも高品質で完成度の高い作品ばかりです。ここでご紹介するのはTriad という小さなモデルですが、木材の加工がとても美しい作品です。手に入れた350年前の古いチェリーウッドの木材から作れるだけという限定版です。ドライセルにはランプワークによるガラスのオブジェクトやアンプルが入っています。2ミラーシステム、3ポイントの映像ですが、一部をマスキングしてユニークなデザインの映像になっています。古い万華鏡を研究して復活させたりする中で培った製作技術で、アンティークを含めた万華鏡の修復作業を引き受けている作家さんでもあります。
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王妃グイネヴィアの万華鏡

2006-08-27 23:37:22 | 万華鏡ブログ
グイネヴィアズ・ハートと名付けられたこの作品は、シークレットガーデン工房のルーク&サリー・デュレット夫妻のプロダクションタイプの作品です。アーサー王伝説に名高い王妃グイネヴィアの美と情熱をしっとりと落ち着いた色合いの万華鏡に閉じ込めました。この万華鏡の魅力はその豊かで甘美な映像です。2ミラー、7ポイントの映像を生み出す、オイル入りのオブジェクトチェンバーは、黒い背景で、横から光が入るタイプです。この種のチェンバーの場合は、透明感のない素材のオブジェクトの面白さが生かされます。磁器、竹、真鍮、ガラスなど、一風変わった質感、落ち着いた色合いのオブジェクトがゆったりと動きながら織り成すのは、重厚なタペストリー模様、あるいは王妃が身にまとうドレスとジュエリーのイメージかもしれません。ボディーは軽くて、オブジェクトチェンバーの回転も滑らかなので、大変覗きやすい万華鏡です。ボディーに巻かれた紙は地味ですが古城を思わせる雰囲気があり、先端部に付いたハートの飾りがアクセントになっています。歴史とロマンを感じる万華鏡の世界ですね。
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面白い! 「かれいどぽっど」の映像

2006-08-26 13:26:43 | 万華鏡ブログ
「かれいどぽっど」と昨日入力したら、何となくその雰囲気がぴったりかなと思ってそのまま平仮名で表示してみました。これがその内部映像です。鏡も反射素材も使っていないので、万華鏡とはいえませんが、拡大レンズによる視覚効果とオイルの動きにより、ガラスの粒のぶつかり合いと色の流れが大変ユニークな映像となって目に飛び込んできます。「顕微鏡を覗いたら、色とりどりの生き物が動き回っていてびっくりした」感じでしょうか。透き通った球面が重なり合って違う色になったりして、ポップでキュートな映像です。周辺部は長く伸びて見え、彗星の流れのようにも思われます。万華鏡のような変化ではないけれど、よく動きます。この映像には人を惹き付ける何かがあるようです。1997年から創られていて、今でも人気のある秘密はそのあたりでしょうか?
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可愛らしい! かれいどぽっど

2006-08-25 17:46:26 | 万華鏡ブログ
Kaleido-Pod カレイドポッドという名前の作品です。本当は万華鏡ではないのですが、万華鏡の愛好家の方にも愛されている人気ものです。丸っこい形、すべすべの木肌、寄木細工のお洒落なデザインに心惹かれ、思わず手にとってみたくなるのです。 この作品はコリア・カレイドスコープス工房の定番商品でありベストセラーですが、ときどきデザインや使う木材のマイナーチェンジがあります。この写真のデザインも数ヶ月前のものとは違っています。仕組みも構造も同じだけれど、ちょっとずつ違うデザインで作品を作るのは、この工房ではよくあること。木工の専門家として、定番商品にも新しいデザインを取り入れつつ、長く作り続けるというスタイルで製作しています。片手でひょいと掴める大きさ、デスクの上に置いて、仕事に疲れたときちょっと覗いてみると、心が和みます。ペイパーウェイトとして使っても良いですね。気の利いたプレゼントにいかがでしょうか。そのもうひとつの魅力の内部映像はまた次回に。
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クール・バタフライという万華鏡

2006-08-23 22:13:56 | 万華鏡ブログ
ジュディス・ポールとトム・ダーデン夫妻のイメージス工房から生み出されるプロダクションタイプのシリーズ「ストーリー・スコープス」は、現在、35種類ほどのテーマがあります。見る人が自分の好みにあったものを選べるように多彩な選択肢がありますが、シンプルな外観と豊かな色合いの内部映像という組み合わせには一貫性と統一感があります。この作品のタイトルは「Cool Butterfly」で蝶がテーマの寒色系の映像です。まるでモルフォ蝶のような深い青と紫がきれいな映像ですね。筒の外部にも蝶の飾りがついていますが、オブジェクトの中にも蝶がいます。セルを回すと蝶の乱舞を見ているような印象です。そのほかに、この万華鏡ではオブジェクトの映像デザインを演出する脇役として、大変粒の細かいビーズが効果的に使われています。蝶の鱗粉のようです。 質感や大きさの違うものを上手に組み合わせて、美しい映像を生み出すのが得意な作家さんです。ちなみに「Warm Butterfly」というのもあるそうですが、こちらはどんな映像なのでしょう?
ジュディスさんは、絵画の修復技術を持つ方で、いろいろなアートにも精通しています。万華鏡のコレクターとしても有名で、自宅はそのコレクションを飾ることを優先的に考えて設計なさったそうです。うらやましいような話ですね。
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豊田まりさんの手持ち型万華鏡

2006-08-22 22:07:01 | 万華鏡ブログ
今日ご紹介するのは、豊田まりさんの手持ち型万華鏡「手持ちArabesque」です。豊田さんの製作の中心は身につける万華鏡で、今までにもネックレスタイプやブレスレットタイプをこのブログでご紹介いたしました。「おとなも楽しむ万華鏡」展では、この写真のようなタイプの作品も出品され、新しい境地を見せてくれました。全体を飾る渦モチーフは、豊田さんのトレードマークですが、ユニークな特徴のある素敵なデザインの作品に仕上がっています。この万華鏡は、先端のオブジェクトシリンダーにガラスビーズや天然石と合わせて緑色の羽が入っているのが、外部デザインとしても目を惹き、また映像にも組み合わせの面白さを演出しています。このシリンダーを回して映像の変化を楽しみます。ミラーシステムは2種類で、角度の狭い3ミラーシステムと、サークルミラーシステムです。豊田さんは渦モチーフとも相性の良い、サークルミラーが「純粋に好き」で、覗くと「子供の頃に砂場で見つけたガラス片を太陽に透かして、単純に感動した気持ちに似て」、彼女にとって、元気の出る映像なのだそうです。通常のアクセサリータイプと違ってオブジェクトセルが大きいので、困惑しながらもいろいろ試行錯誤し、それによって新しいアイディアを見つけたり、思わぬデザインや効果が出る楽しさも感じながら生まれた作品です。
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田村慎一さんのほのぼの万華鏡

2006-08-21 21:28:03 | 万華鏡ブログ

ユーモラスで、ほのぼのとした温かさを感じるこの万華鏡は、田村慎一さんの作品です。「おとなも楽しむ万華鏡」展に出品されたもので、牛の口から覗くと2ミラーの映像が見えます。田村さんはこの展示会で、陶器、ステンドガラス、アクリル、布など様々な素材を使った多種類の作品を見せてくれました。
楽しくユニークなアイディアを実現した万華鏡が高く評価される日本万華鏡大賞展で、過去、何度も受賞なさっていることがわかるように、万華鏡の楽しさ、面白さを追求なさっている作家さんです。経歴を拝見すると、山見浩司さんに万華鏡製作を師事なさったとのこと。展示会や個展など、積極的に万華鏡を出品していらっしゃいます。丁寧に作られたアイディアいっぱいの作品、見る人の笑顔を想像しながら作ったのだろうなあと思われる作品など、覗いていて楽しい気持ちになりました。これからも新しいテーマを見つけて、万華鏡にして楽しませてくださることを期待したいと思います。
第7回の日本万華鏡大賞展は公募展です。今年も12月に行われます。募集要項は日本万華鏡倶楽部のウェブサイトでご覧になれます。
http://mangekyou-club.sakura.ne.jp/mangekyou/grandprix/oubo.php

 

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