万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

マイケル・コリアさんの「桜」

2009-10-31 23:42:21 | 万華鏡ブログ

マイケル・コリアさんの「テーマ・スピリット」の2つ目は「チェリー・ブロッサム」。日本人にはあまりにも馴染みのある愛すべき「桜」をマイケルさんはこんな風に万華鏡の筒に表現しました。 写真ではわかりにくいかもしれませんが、プラスチック製の筒には、単純にデザイン化した桜の枝と、そのシルエットを重ねた図案が描かれていて、ピンクのアクセントに対して静かな風景となっています。


この万華鏡のお薦めは特にその映像です。さまざまな形のピンク、白、薄紫など桜のイメージのオブジェクトに合わせて、ホログラムの細い糸が薄いベールをかけたように光の線となって映像の中で踊るのです。オイルセルの流れの中でのきらめきがとても素敵! 以前のスピリットにはなかった効果のあるオブジェクトのような気がします。 ちょっと季節外れですが、お楽しみください。

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色の個性

2009-10-30 23:20:58 | 万華鏡ブログ

昨日ご紹介したマイケル・コリアさんの「カラー・スピリット」は筒のテーマカラーに合わせて映像を表現します。例えば昨日の映像は「オレンジ」の筒で、今日のトップは「オーキッド」。赤紫色のオブジェクトを中心に、美しい映像展開です。
「ライム」は黄緑の筒で、映像は緑の重なりが中心となったくっきりとした映像展開を見せます。

色によるバリエーションが嬉しい万華鏡です。カラーセラピーにも使えそうですね。
どの作品でも映像を引き締めるのが白いオブジェクトです。 白いオブジェクトの使い方がマイケルさんのカラー・スピリットの特徴だと思います。

Comments (2)
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カラースピリット

2009-10-29 21:12:22 | 万華鏡ブログ
コリア・カレイドスコープス工房を引き継いだマイケル・コリアさんについて少し情報が入りましたので、ご紹介します。1994年から1998年まで、工房で父親のデヴィッド・コリアさんと一緒に万華鏡のデザインや開発に携わり、「レインボーストーム」や「ムーンサーチャー」などの木製の万華鏡やセラミック製の万華鏡、「カレイドポッド」のオリジナルデザインなど、万華鏡作家としての基礎的な技術を磨きました。その後工業デザインの分野で、デザイナー、新規プロジェクトの開発やコンサルタントなどの仕事を経て、2009年デヴィッドさんの引退に伴って、この工房での仕事に戻り、新たな門出となりました。そのスタートに取り上げたのがこの「カラー・スピリット」です。気軽に本格的な映像を楽しめる万華鏡としてとても人気のあったこのシリーズに、マイケルさんらしさを加えて、新しく生まれ変わりました。軽くて持ち易く、先端の回転もなめらかです。映像はクリアで立体的。次々に生まれる模様はきれいで、面白みがあり、変化に富んでいるので、覗いていると楽しい気分になります。


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マイケル・コリアさんの「スノーフレーク」

2009-10-28 20:40:17 | 万華鏡ブログ

コリアカレイドスコープス工房が復活するとの嬉しいニュースが届きました。デヴィッド・コリアさんの息子さんのマイケル・コリアさんが、このファミリービジネスを継ぐことになり、まず、ベストセラーの定番の万華鏡シリーズ、「スピリット」を新しく発表しました。9色揃った「カラー・スピリット」です。そしてさらに万華鏡を通してみた自然からインスピレーションを得たという3種類の「テーマ・スピリット」が新作として発表されました。これはそのひとつ「スノーフレーク」です。筒には雪の結晶の模様が描かれ、「雪の結晶を作り出す万華鏡」との説明があります。

白い糸のようなオブジェクトやホログラムの糸のようなオブジェクトが特徴的で、次々に繊細な雪の模様が生まれてきます。 オイルセルのゆったりとしたオブジェクトの動きによって映像が変化していく様子もきれいです。 白を中心とした映像に青や緑の細いきらめきがアクセントを添える、雪の美しさをよく表した万華鏡です。

マイケルさんがコリア・カレイドスコープ工房の歴史に新しい風を吹き込みつつ、以前と同じように多くの人を喜ばせる万華鏡を生み出してくれることを願っています。

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インターチェンジャブル!

2009-10-27 13:16:12 | 万華鏡ブログ
デヴィッド・カリッシュさんのEye Pod(アイポッド)という万華鏡はオブジェクトチェンバー部分がマグネットで着脱可能になっているので、オブジェクトを入れ替えて楽しめるのですが、これがなかなか面白いのです。
帽子のつばのような部分は2枚が重なっていますが、一枚はミラーシステムの蓋、またオブジェクトチェンバーの蓋として、もう一枚と小さなマグネットでぴったりと合わさっています。少しずらすと簡単にはずれ、オブジェクトの入れ替えが簡単です。 例えば写真の例のようにカラフルなマカロニを入れるとこんな具合に見えます。 陰影もある面白い映像です。

作家さんからもらっていたバーナーワークのガラスオブジェクトを入れたら、こんな風に見えました。作家さんの映像みたいかしら?

 机の引き出しにあったクリップやボールチェーン、そしてリボンを入れたらこんな風に。ちょっとコーキー・ウィークスっぽいかな?なんて・・・

このような具合に、いろいろ入れ替えられるインターチェンジャブルの万華鏡がひとつあると、とても楽しいです。次は何を入れようか?ときょろきょろ探している私です。

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ウユニ

2009-10-25 15:59:40 | 万華鏡ブログ
先日「寒椿」という作品をご紹介した野田麻里さんの「Uyuni」という万華鏡です。Uyuniというのはボリビアにある有名なウユニ塩湖のことで、そのイメージから創られた万華鏡だそうです。ウユニ塩湖を取り上げた放送を見て、とても感動し、作品のインスピレーションを得たと伺いました。
乾季には湖が干上がって一面真っ白な塩の結晶に覆われ、雨季には塩水に覆われた湖は水深によって乳白色からネイビーまで色彩が変化し、また太陽の角度でも色が変化するそうで、大自然の生み出す驚異の風景のひとつに数えられるところだそうです。万華鏡の筒は空の色と水の色が移り変わっていく様を表現し、微妙に異なったブルー・パープル系のステンドガラスを6枚使っています。
オイルセルの中には、さまざまな形、種類のガラスや自然石が浮かび、水の表情やや空の動きのようなゆったりとした大きな変化を映像に映します。小ぶりな作品ですが、壮大な風景を万華鏡に込めた力強さと、自然への感動を感じます。

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"tanoshii"とは"enjoyable"という意味です!!

2009-10-17 23:04:22 | 万華鏡ブログ
ナップ夫妻の最新作「Tanoshii」です。日本語の「楽しい」という言葉をタイトルにした万華鏡です。ナップさんの説明によると、その意味は英語の「Enjoyable」だとありました。ランディー・ナップさんは昔からの友人に日本人がいたことから、日本のことに興味を持ち、日本語も少し勉強していると聞いたことがあります。彼らの万華鏡のタイトルのつけ方はいつもユニークで翻訳できないことも多いのですが、これは今までで一番簡単(!)です。 
外観は木目の面白い木材をきれいに加工した丸い筒、黒い背景のオイルセル、セルを回す回転部分とセルのトップには、ローズエンジンで刻まれた模様・・・といつものスタイルで持ち易く、また滑らかな回転の仕組みが心地よい万華鏡です。万華鏡としての品質の確かさも素晴らしいのですが、やはり映像の演出家としてのナップ夫妻の卓越した技術とセンスは、特筆ものです。


この万華鏡のオブジェクトの特徴は、ランディーさん、シェリーさん、それぞれのランプワークによるオブジェクトを入れているところです。ランプワークのやり方にも性格と同じように、それぞれ個性があるそうで、ランディーさんのオブジェクトはシェリーさんのより少し大きめで、とても手が込んでいるとのこと。使うガラスの色はシェリーさんが決めるようです。オブジェクトセルを作る際には、まずランディーさんのオブジェクトを選び、それからシェリーさんのオブジェクトを加えていきます。オブジェクトにもその組み合わせにも一定のレシピはないので、1点ずつ全く違うものになります。このように時間と手間をかけて創りだしたオブジェクトセルだからこそ、生み出される映像は本当に美しく、またいつまでも見飽きることがないのですね。

どの部分がシェリーさん?ランディーさん?などと想像するのも「楽しい」万華鏡です。

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寒椿

2009-10-16 22:19:59 | 万華鏡ブログ
初めてご紹介する野田麻里さんの「寒椿」という万華鏡です。独特の表情のあるガラスがまず目を惹きます。さまざまなステンドガラス製の万華鏡を見るうちに、私にも、ガラスの種類がたくさんあることがわかってきました。一枚のガラスにもいろいろな色合いが混ざり合い、同じ模様ではないことや、ガラスの表面のテクスチャーと呼ばれる独特の感触など、たくさんの表現の選択肢があるのですね。この「寒椿」もガラスの表情からインスピレーションを得て、作られたのではないでしょうか。白、紫、赤、クリーム色などが均一でない、揺らぎのある表情を持ち、それがこの作品の外観をとても魅力的なものにしています。

そして透明なオイルセルには椿の花が見えています。白や透明なオブジェクト、淡いブルーのオブジェクトなどの中に、椿の赤と緑だけが強い色で演出されているのがお洒落です。野田麻里さんは、デザイナーやカラーコーディネーターとして活躍、またステンドガラスの製作をなさっていましたが、万華鏡の世界に出会ってから、運命的なものを感じ、創作を始めたそうです。名古屋の万華鏡専門店aara(残念ながら閉店してしまいましたが)に勤務なさっていた時には、たくさんのアーティスト作品に囲まれ万華鏡の奥深さと癒しを実感する日々だったそうです。それらの積み重ねが熟成され、野田さんご自身の作風となって花開いたのだと思います。

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偏光万華鏡の魅力

2009-10-13 20:59:28 | 万華鏡ブログ
細野朝士さんの偏光万華鏡「ミラクルシリーズ」のうち、3ミラーシステムの「MM」という作品です。中心映像が何と18ポイントですから、鏡を組む角度が10度(360度の36分の1)という大変角度の狭い二等辺三角形に組まれています。このミラーシステムの映像は、大きな円形の映像がひとつと、その周りを細かい円形の映像が重なり合ってぐるりと囲みます。映像の重なりがあるため、完全な反復模様でないところが、複雑で面白い映像ですね。

偏光万華鏡ですから、オブジェクトの色は外からの光と偏光フィルターで決まります。そして普通のガラスやビーズのオブジェクトと違うのは、時として色が少なくなることです。映像の中に鮮やかな色が満ちるときと、黒い中に吸収されてしまうときがあり、その落差や、彩りの急激な変化に驚かされます。
そのような偏光の性質を熟知した上で、オブジェクトの形、ミラーシステムとのバランスを考慮した細野さんの万華鏡は、様々なミラーシステムを通して、魅力的な映像を見せています。

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出発点

2009-10-09 23:09:14 | 万華鏡ブログ
この木製の万華鏡は「ふらび」の三井郁弥さんのコレクションの1点です。見慣れない作品でしたが、よく見るとオブジェクトセルに、パレッティーの名がありました。
木工の名手トム・パレッティーの最も初期の万華鏡シリーズで、1980年ごろから製作していたそうです。21種類の様々な木材を加工し、製作したハンドへルド型の万華鏡のひとつです。十分に磨きこまれた木肌は、「ソリッドベルベット」と評される美しい仕上げで、手に馴染み心地よく感じます。丸いような三角のような筒の形はシンプルだけど個性的です。
正三角形の3ミラーシステム。オイルセルにガラスオブジェクト。覗いてみると鮮やかでクリアーな映像に目を奪われます。

パレッティー夫妻の万華鏡といえば、「フェザー&レザー」や「マグニート」などユニークなアイディアの作品が思い浮かび、素材も木とアクリルと金属をスマートにデザインした現代的な万華鏡がトレードマークですが、この作品が出発点だったのですね。
その後創作の幅を広げ、木材と金属の組み合わせによる限定版の作品を制作するようになり、さらに様々な素材と斬新なアイディアの定番作品を次々に生み出してきました。初期の作品を見ると、作家さんの歴史を垣間見る気がして興味深く、また今の作品をより深く味わえるような気がします。
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