万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

ガラスに描く

2010-11-25 15:55:06 | 万華鏡ブログ

矢萩弘子さんの万華鏡展から、ハートの模様が可愛らしい作品をご紹介します。このハートの模様はガラスの筒に描かれているのです。 ガラスをつなぐステンドガラスとはまた一味違う軽やかさと明るさを感じますね。

内部の映像も軽やかできれいな7ポイントの映像です。筒に使うガラスとコーディネートした色合いで展開します。

 

6月に開かれた作家展での出品作では、このガラスの絵をホイールと筒に使いました。今回、またこの大作を拝見できてよかったです。覗き口は底のほうですが、3つあります。そして3種類のミラーシステムが組み込まれています。

しかもホイールは3枚、それぞれに模様が描かれています。ずらしながら見ることで色合いの変化も見ごたえがあります。 

独特の質感のある絵は、図案を囲むラインも含め、ミラーシステムを通して見たオブジェクトとしても効果的で、素敵な映像になります。ガラスや陶磁器に絵を描いた作品はありますが、矢萩さんの表現方法は、自分らしさを十分に発揮し、万華鏡のテーマを表現するのにもふさわしく、新しい挑戦だと思いました。



 

 



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萌し

2010-11-24 21:54:59 | 万華鏡ブログ

昨日から、国立駅南口近くの「ギャラリーゆりの木」で開催中の矢萩弘子さんの作品展にお邪魔しました。 ステンドガラスの技法と、ガラスに絵を描くという、自分らしさを加えたデザインと、丁寧な作りで、万華鏡の世界を表現なさっています。

最初にご紹介する作品は「萌~きざし~」というシリーズです。2枚ずつ表情の異なるガラス4枚を組み合わせ、四角柱の筒に組み立てています。 そして装飾ハンダの技術を駆使して、アラベスク模様を描きます。この模様は連続性があり、横にあるガラスに繋がっていきます。



筒の色に合わせて、内部のオブジェクトの色や構成も考えられています。細かく、透明感があり、重なって陰影や複雑さを増す映像が魅力的です。

細かいビーズをつないだオブジェクトや細いライン状のオブジェクトはとても面白い効果を見せていますね。

 

万華鏡を創り始めて約10年になるという矢萩さん。ガラスの美しさを引き出す映像表現にとても魅力を感じました。 同時に大胆、且つ、繊細な装飾ハンダが描く「萌し(きざし)」のモチーフがとてもお洒落な外観デザインになっています。
 

 

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クリスマスツリーの季節

2010-11-20 22:25:24 | 万華鏡ブログ

ちょっと気が早いけれど、私の住む街にもクリスマスの飾りつけがあちこちに見られるようになりました。毎年のことなのに、いつになってもクリスマスはなんとなく心浮き立つ季節。 センスの良いクリスマスイルミネーションには心惹かれますよね。 そしてそこにクリスマスツリーは欠かせない存在です。 ワクワク・きらきら・・・・そんな楽しみを込めた万華鏡をご紹介します。
この万華鏡はケン&ドリー・ウィルホイットさんの陶器製のクリスマススコープです。白い地にクリスマスツリーと赤、緑の模様が散るクリスマスカラーで描かれ、素朴で心温まる雰囲気です。

中の映像はもちろん「クリスマス!」
雪の結晶、パール、きらきらビーズ、ガラス、ワイヤー細工・・・クリスマスカラーで展開する素敵な色模様です。 雪に飾られたような映像が見えました!

 
万華鏡はくるくる回して見るものと思っている方も多いですが、オイルタイプなので回すのをちょっと止めて、オブジェクトの流れに任せて見るとまた何倍も楽しいです。ゆっくり動くものと早く流れるものがあったり、前後がフワーッと入れ替わったりするのがよく見えます。

真珠色の光沢に満ちた映像、きらきらと荘厳な輝きに満ちた映像、クリスマスツリーの飾りのような映像・・・移り変わる美しさがもったいなくて、楽しみな万華鏡です。

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光と色のハーモニー /矢萩弘子さん作品展

2010-11-15 18:59:54 | 万華鏡ブログ
素敵な白いクリスマスツリーは矢萩弘子さんの最新作。夢のあるきれいなデザインですね。中を覗くと、きらきらと輝く映像が見えることでしょう。
初めての作品展をひかえて、ほんの少しだけご紹介させていただきます。


矢萩さんの作品は、いつもきちっと創られている印象です。大きな作品でも小さな作品でもガラスの組み合わせ方や装飾はんだの表情のつけ方など、細かくて丁寧。
そして色使いがとてもきれいに作られています。映像表現も、テーマに合わせて、美しく、変化に富んだ展開が見られます。
最近は作品の幅も広がり、創造性にあふれた作品を拝見するのが楽しみになっていましたが、初めて作品展を行うことになった事を伺って、とても嬉しく思っています。
新作をもうひとつご紹介しますね。「切り嵌め~Kiribame~」という作品です。

内部にはシンプルな2ミラー6ポイントのくっきりとした映像です。外の色に使われているガラスの色とコーディネートした、ガラスオブジェクトは、バランスを十分に考え、形も質感も工夫されています。




この2枚の写真からだけでも、シンメトリーの美しい、多彩な変化が予感できますね。

この作品展は、万華鏡と手織りを展示しています。手織り作品を創られるお母様との二人展です。素材は違っても、「光と色のハーモニー」をそれぞれが生み出されて、きっと素敵な作品展になるでしょう。 この作品展のために創りこんできた矢萩弘子さんの万華鏡の世界をぜひ楽しんでいただきたいです。

11月23日(火)~28日(日)  11:00-19:00(最終日17:00まで)

ギャラリー ゆりの木    東京都国立市東1-15-20
                 042-573-6663(国立駅南口より徒歩3分)

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みずあめやさんの世界

2010-11-12 18:27:02 | 万華鏡ブログ

みずあめやさんの小さな万華鏡「ポピー」です。透明感のある落ち着いたグリーンに赤いポピーの花が揺れているように描かれています。ガラスの粉でこんな風に描くのって難しそう・・・といつも思います。この小さな作品OW-6シリーズは、筒の幅いっぱいにミラーシステムを組んでいるので、映像はとても大きいのです。なのでいつも映像全体を撮影できませんが、実際には丸くて大きくみえます。小さなビーズたちがいろいろな色模様を見せてくれます。


次の作品はプレスガラスの作品「渡り鳥」です。こちらは少し大きいサイズで、ガラスを型で押して焼いたところに金彩を施しています。ガラスの表面の質感が、上の作品とは全然ちがいます。しっとりとした美しいブルーです。

この大きさになると、きれいな円の映像をカメラに収めることができます。ブルーやグリーンの美しい映像です。

 
すべてご姉妹ふたりでの製作。 ガラスの技法、色合い、そして魅力的な図案も、次々に新しいものに挑戦なさり、時間をかけて万華鏡に仕上げます。万華鏡を入れる巾着袋も、すべて手作りの暖かさが嬉しいです。


そんなみずあめやさんの個展「やわらかい光、静かな時間」が11月13日から20日まで銀座で開かれます。今度はどんな作品に出会えるか、とても楽しみです。 

場所: Ecru+HM 中央区銀座1-9-8 奥野ビル4F
     03-3561-8121(12:30-19:00、最終日は17:00まで)

 

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Cozy's Happy Colors

2010-11-05 15:21:16 | 万華鏡ブログ

この万華鏡は10月19日になくなられたコージー・ベーカーさんへのオマージュとして、永年の友人であり万華鏡作家である、ケン&ドリー・ウィルホイットさんが製作した「Cozy's Happy Colors」という作品です。
コージー・ベーカーさんはメッセージの最後に、いつも「Happy Colors !」という言葉を添えていました。 万華鏡はハッピー・カラーズを実現するもの。きれいな色合いが私たちを幸せにしてくれるように、願いを込めてこの言葉を添えていたのだと思います。
ウィルホイット夫妻は今年6月にベーカーさんを見舞い、そのときに彼女のための万華鏡を創ろうと考えました。そしてできたのがこの作品でした。 ベーカーさんも亡くなる前にご自身の名前の付いた万華鏡を受け取リ、喜んでくださったそうです。


この万華鏡は陶器製です。そしてセルと筒をつなぐ部分は金属製で、滑らかに回転します。オイルセルの中にはドリーさんの選んだオブジェクトがたくさん入っています。ガラスだけでなく、いろいろな素材や形のものを取り込むのが彼らの作品の特徴です。

オイルセルならではのきらめき感があり、とてもきれいな映像展開です。(写真では難しいです・・・)

ウィルホイット夫妻は金属(アルミニウムや真鍮など)の万華鏡を数多く創り、その後陶器(セラミック)の万華鏡を作るようになりました。 第1作目の「Monet's Garden モネの庭」という作品は とても人気があり、それ以降、形や色合いを変えながら、何種類かの作品を生み出しました。 



陶器の作品というと日本的な感じもしますが、アメリカの作家さんらしい切り口で創られたこの万華鏡も、魅力的だと思います。

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井野文絵さんの万華鏡

2010-11-03 23:05:02 | 万華鏡ブログ
東京での会期は終わってしまいましたが、「和の万華鏡展」から井野文絵さんの作品「蓮」をご紹介します。 漆と蒔絵で蓮の花を描いた優雅な万華鏡です。 
井野さんの万華鏡は、外観が美しいだけでなく、内部の映像も大変魅力的です。独特の色合いが生み出す色模様に心惹かれる人も多く、展示会の会場でも賞賛の声が聞こえました。この「蓮」も、小さなオブジェクトセルですが、多彩な変化を見せています。

色の重なり合いがとてもきれいですね。 色味の少ないこんな表情も見せています。


これらの色味、透明感は、日本人らしい感性であり、「和の万華鏡展」にふさわしい作品でした。 
井野さんは、このような漆や蒔絵の万華鏡の他に、磁器の万華鏡も製作なさっています。手描きの作品で同じ「蓮」を描いたもの、また猫を描いたものです。


筒の素材が変わっても、井野さんの映像表現は変わらず、独自のものがあります。セルの後ろ側から見ると、ごく普通のオブジェクトの組みあわせのように見えますが、オーソドックスなミラーシステムを通して、不思議な魅力に満ちた映像が生み出されることにいつも驚きを覚えます。

この「和の万華鏡展」は、12月1日から仙台万華鏡美術館で開催されます。

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黒い迷宮

2010-11-01 23:02:49 | 万華鏡ブログ

「和の万華鏡展」に出品されていた代永正樹さんの万華鏡「透匣・格子樹氷絞り」です。透明なガラスの箱を積み重ねたように見える不思議な造りです。背中合わせに組み込まれた2つのミラーシステムのひとつからは、代永さんが「回文字咲き」と呼ぶ映像が生み出されます。


もうひとつは「一文字咲き」と名づけられた映像です。


幻想的な感じですね。

もう1点「ラビリンス」という作品もご紹介します。 淡い色合いで細かく四角いガラスをつないだ筒のなんとお洒落なことでしょう。 たくさんのピースをつなぐハンダ部分が多いのですが、すっきりとした格子模様となっています。


生み出される映像は黒い背景に浮かびあがり、変化する模様の面白さを見せています。 黒い背景を意識しての映像表現です。 写真が少しぶれてしまって申し訳ないのですが、内部の美しさもご紹介したいと思います。


四角形がパターンのモチーフになっているこの万華鏡は、4ポイントの映像を見せています。

代永さんの万華鏡は、和の万華鏡でありながら、どこかヨーロッパの雰囲気をたたえています。ステンドガラスの美しさに魅せられ 万華鏡との出会いがあったのがヨーロッパだったからでしょうか。 
覗いていると黒の深さに吸い込まれ、迷宮(ラビリンス)にさまよい込んでしまったようです。 

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