万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

偏光万華鏡を究める人

2018-06-18 23:31:57 | 万華鏡ブログ

東京、銀座で開催中の細野朝士さんの個展に伺いました。 ご存知のとおりシンプルでスマートなステンレス製の筒の中に驚くほどの多彩な色世界を生み出す作家さんです。

作家歴20年目となる今回の個展だそうですが、偏光万華鏡とテレイドスコープだけを作り続けてきて、覗く人に感動を与え続けていることのすごさを感じます。 いつまでも覗いていたくなる色模様の美しさ、モダンな映像デザイン、光と遊ぶような楽しさ、そんな魅力がいっぱいの作品が並びました。

筒のデザインは同じでも、ミラーの組み方と偏光フィルターの使い方、オブジェクトの形、背景の素材によって、種類は多岐にわたります。 そして同じ種類でさえ、自由なオブジェクトがオイルの中を自由に動き(ーもちろんその自由さも細野さんの手による仕掛けですがー)一点ずつ異なった映像が見えるのですから、たくさん覗いてお気に入りを探すのも楽しいです。

偏光万華鏡のオブジェクトは、無色透明なプラスチック素材です。それが偏光フィルターと光の作用で鮮やかな色が生み出され、ミラーの反射で美しい模様となります。今回、初の試みとして黒いオブジェクトも入れてみたとのこと、上の写真で黒いラインになって見えているところです。

3ミラーシステムの広がりのある世界も、3種類のミラーシステムから全く違った映像が生まれます。下の映像は、そのうちのひとつ、二等辺三角形に組んだ3ミラーシステムから生まれるものです。

細野さんの作品が素晴らしいのは、その色合いです。どうやったら美しい色が生み出されるのか伺ったところ、素材のプラスチックに手を加えて自分の気に入った色を”探す”、そして”創り出す”とのこと。
偏光万華鏡の色の想像を超える映像は、ヴィヴィッドなものからソフトなものまで展開し、細野さんの世界を見せてくれます。

この上下の映像が同じ作品から生み出されるなんて、びっくりしませんか?

Fシリーズの万華鏡です。 細野さんの光と色の世界を味わいたい方は、ぜひ個展に足を運んでくださいね。20日までですが。

つかう たのしむ + ノーション
中央区銀座6-4-13 銀座ヤマザキビル2F
03-3575-4030

 

 

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両目で見るテレイドスコープ

2018-06-15 16:45:59 | 万華鏡ブログ

双眼鏡みたいな形ですが、先端に透明な球体がついています。 覗き口のほうを見ると、こんな風になっています。

それぞれにミラーシステムの組み込まれたテレイドスコープです。普通のテレイドスコープは1本の筒ですが、2本の筒からなるテレイド。これはユニークですね。
両目で見てちゃんと見えるように作られています。正三角形のミラーシステムの映像ですね。
ユニクロの新聞広告を見てみました。

片目をつぶらなくても楽しめるテレイドスコープを作ったのは、コロラドカレイドスコープのリーフ・コールソンさん。
コンベンションではオーディオ・ヴィジュアル機器の操作を担当する若手の作家さんです。

記憶を探ってみたところ、日本の佐藤英昭さんの同様なコンセプトの作品が、実は2016年のコンベンションで披露されていました。
トンボのイメージで和風に作られています。

でも映像の見え方が違うのです。会場を見回して撮影した写真なので、少し暗いですが、二つの中心を持つ映像です。

同じアイディアでもミラーの組み方、2本の合わせ方など違っているのでしょうね。
面白い試みとしてご紹介しました。

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スピリットシリーズ 新作 Northern Lights

2018-06-04 17:25:20 | 万華鏡ブログ

Kaleido Company からスピリット・シリーズの新作です。 マイケル・コリアさんから引き継いだ定番のスピリット・シリーズを制作、販売する傍ら、新しいテーマにも挑戦しています。この万華鏡シリーズは、手ごろな価格で本格的な万華鏡なので、以前からとても人気があります。

今回のテーマは"Northern Lights", オーロラです。

キラキラしたオブジェクトや透明感のあるオブジェクトがたくさん入っています。

オイルセルの大きさがあるので、その分たくさんのオブジェクトが入り、映像も多彩に変化します。
先端のセルを回転させることができるのも、評価が高いところです。

ボディは黒を基調にビニールに印刷したオーロラのイメージ写真を巻いています。 基本のスタイルを保ちながら、いくらでもテーマとその内容に広がりを持たせられるところが、万華鏡の面白さでもあるとつくづく思わされるスピリットシリーズです。

制作するカール・シリングさんのワクワク感が伝わってきますね。

 

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紫陽花の万華鏡 Hydrangea

2018-06-01 16:53:43 | 万華鏡ブログ

梅雨入りも近づき、紫陽花の花の美しい季節になりました。 今日は井野文絵さんの白い磁器の万華鏡をご紹介します。
紫陽花の花が咲く白い筒は、清楚な雰囲気で小さいながら目を惹きます。
この作品の特徴は、中に展開する映像です。ブルー系やグリーン系のガラスオブジェクトが外観のイメージにもぴったり重なりますね。

次の映像を見ていただくと、黒いラインが動かないことに気づかれるでしょう。

ミラーシステムの先端にマスキングという技法で、黒いラインを作っています。 背後の変化する色合いのアクセントになっています。
面を黒く覆うマスキングは、映像を形に合わせて切り取る効果があり、多くの作家さんが試みていますが、井野さんはこのようにラインを映像に重ねるように使っています。ユニークですね。

いかがですか?
本当に小さな万華鏡ですが、紫陽花の花の移ろいを感じていただけたでしょうか。

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