万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

優雅なガラスの花

2019-06-27 16:31:09 | 万華鏡ブログ

今回のBKSカレイドスコープ・エキスポで出会った素敵な作品をご紹介します。
まずは中里保子さんの「Crystal Flower」です。透明なガラスの花を飾った優雅な雰囲気の万華鏡です。
ボディーのガラスは乳白色にペイントを施し、透明な花を美しく見せています。
台座は積層ガラスとハーフミラーを使っていて、いろいろなガラスの魅力をそれぞれに引き出してみせるところが、中里さんのアートであり、技ですね。

台座に内蔵されたLEDを点灯すると、このような雰囲気になります。

会場があまり明るくないので、万華鏡を見るにはライトを当てるか、内蔵のライトを組み込むか、コンベンションの場合、これらも作品を展示するにあたって考えなければならないポイントです。 ガラスを通して発する光も美しさを添えています。

左側の大きなボディーを上から覗くと、メインの映像が展開されます。内部にも透明な大きな花が映し出されているのがわかるでしょうか?実際には立体感をもっと強く感じます。

 

ボディーの下の方に入っているオブジェクトセルから生み出される様々な色模様が独特のミラーシステムと相まって、不思議な映像を生み出します。静かな外観とは対照的なダイナミックでしかも繊細な映像世界が展開します。覗き口が大きめで、中の世界が広いので、どこにカメラを向けるかでも見え方が違っています。

右側の細い方の筒のボディーからは細かい3ミラーシステムの映像が見えます。雰囲気の違う色模様ですね。

作家さんは、このような大きな作品を手荷物になるように箱や袋を調達し、破損しないよう気を付けて海外へもっていきます。中里さんも毎年、違ったテーマで新作に挑戦し、ぎりぎりまで制作に時間を費やしているのを知っているので、私も出来上がった作品をアメリカで拝見するのを本当に楽しみにしています。
(何枚かの写真はご本人に提供していただきました)

 

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ブリュースター・カレイドスコープ・エキスポ

2019-06-17 23:47:55 | 万華鏡ブログ

「カレイドスコープ・エキスポ」と名前を少し変えて ブリュースター・カレイドスコープ・ソサエティの今年のコンベンションは6月6日から9日まで、アリゾナ州スコッツデールで開催されました。

「コンベンション」から「エキスポ」と呼び名を変えたのは、少しでも多くの人に興味を持ってもらえるようにとの意図があったようです。一般公開についてもいろいろなメディアを通じて案内をし、いつもよりは確かに一般の方も見に来てくださっているように思いました。ここからスタートだねというのが、関係者の声。広く万華鏡の魅力を伝えたい思いが随所に見られた今回のエキスポでした。

いろいろな話題がありますが、今日は今回ピープルズチョイス・アワードを受けた4名のご紹介をします。

まず、初受賞の石田千香子さんとデヴィッド・カリッシュさんのコラボレーション作品 「4Ⅹ4(フォーバイフォー)」です。スタイリッシュな作品がお得意の二人らしいデザインです。角の所が2か所、別方向からの覗き口になっており、それぞれ異なったミラーシステムが組み込まれています。アクリル製の台座から四角いボディを持ち上げ、上下を入れ替えることができます。受け止める台座もスタイリッシュなデザインで、その両端に2枚ずつのホイールが付いており、それらのホイールを回しながら4種類の映像の変化を楽しみます。

このデザインやアイディアは1年前のコンベンションの時に浮かんできたと聞きました。そして今年のエキスポ直前まで二人で意見を交換しながら、この作品を創り上げたそうです。4つの筒を組み合わせたところがとってもユニークですね。

この4枚のホイールは、チェスニック工房のジョン・グリーンさんの協力によるものです。作家さん同士、コラボしたり、技術を提供したりしながらも、独自の表現を形にするところが、BKSらしいなと思った次第です。

ピープルズチョイスアワードの二人目はデヴィッド・スーギッチさんでした。京都に次いで2度目の受賞でした。 この大きな作品をご覧ください。 手前にあるのは受賞のトロフィーのガラス作品です。 一人ではやっと持って覗けるほどの重さですが、二人がかりでライトを当てて動かすと素晴らしい色模様が展開します。

左側の細長い覗き口から見ると中には広い世界が広がり、気球が浮かんでいるような映像が中心に見えます。

 

そしてもう一人、山見浩司さんの作品が選ばれました。

アリゾナにぴったりのサボテンとレッドロックの山を細かいガラス片を組み合わせて表現しました。ライトアップするとすごい迫力です。

いつもながら、繊細で美しい映像を2種類見せる作品です。

そしてオークションスコープのピープルズチョイスアワードは、北村さんの「サボテン」の万華鏡が受賞しました。
オークションスコープというのは、エキスポ(コンベンション)の開催地からテーマを選び、オリジナルで創る万華鏡で、最終的にオークションにかけられ、熱心なコレクターのもとに引き取られます。

(実際アリゾナでは、たくさんのサボテンが地面からにょきにょき生えているのを目にして、その大きさにびっくりした私たちでした)

北村さんの作品は、既製品の置物を、万華鏡に改造したもの。オブジェクトセルは、ベアリングで回転します。台座に置くと本体が充電され、持ち上げたときにはセルの中をLEDが照らします。

美しいサボテンの花ですね。
覗きやすく、いろいろなアイディアを詰め込んだこのサボテン万華鏡。 アワードは投票によるものですが、実際のオークションでも高人気の万華鏡でした。

 

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