万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

桜のテレイドスコープ

2011-03-31 15:09:43 | 万華鏡ブログ

今日は春の気分で「桜」のテレイドスコープをご紹介いたします。
左側の2本。
有田焼のきれいな筒に描かれた桜は、どちらも和風の趣ですが、図柄の印象は異なっています。
「桜」のほうは長めでスマートな形。 筒の全面に桜の花が咲き、金色の縁模様があって、華やかな印象です。
「吉野桜」のほうは、少し長さが短く 前面と後面に桜の枝が淡い色合いで描かれ、白の美しさが際立つ作品です。レンズ側の筒の端がピンク色になっているのも優しい印象です。

ご存知のとおり、テレイドスコープの先には丸い球体のレンズが付いていますので、筒の向こう側の景色を広く取り込んで、それを万華鏡模様に映し出します。
一番左の「桜」は、8ポイントの映像。 左から2番目の「吉野桜」は、6ポイントの映像です。
鏡の第3面にグリーン系の反射素材を使っていますので、中心映像の周りに彩を添えます。
映りこんだ色を反射するので、その色合いもオーラとなって微妙に変化します。
花壇の花を見てみました。 こちらは8ポイントの映像です。

そしてこちらは6ポイントの映像です。

写真の右側にある2点は、美しいアルミ製のテレイドスコープです。 軽くて小さいので携帯に便利です。 黒や銀の地に、こちらも桜の花がきれいに描かれています。 キーホルダーや携帯ストラップ、またペンダントなどがあります。

2ミラーシステム6ポイントの映像で、中心映像のみ映し出されます。

テレイドスコープを持ってお出かけが楽しい季節になりました。花だけでなく、何でも万華鏡模様にすると楽しいです。 太陽だけは見ないでくださいね。 

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カラー・コーディネイト

2011-03-28 22:07:36 | 万華鏡ブログ

今日は、西荻窪のギャラリー彦で開催中の万華鏡II人展から、沼尻のんさんの作品をご紹介します。 鮮やかな色模様のガラスを使って、3本の四角い万華鏡の連作です。現代的なアート万華鏡という感じですね。タイトルは、「Y-M-C」です。

それぞれ高さや太さは違いますが、ミラーシステムは2ミラー4ポイントにこだわっています。
またオブジェクトセルの背景になる部分のガラスの色が、それぞれ違っています。

オブジェクトが少しだけ映り込んだときの空間が、結構雄弁に作家さんの想いを伝えているような気がするのですが、いかがですか?

色と形で遊ぶ万華鏡作品・・・沼尻さんの万華鏡の特徴のひとつであり、個性だと思います。



そしてこちらも外観のデザインの楽しさに目を惹かれたテレイドスコープです。 色の組み合わせと麻ひもの素材感が、お洒落で、やっぱり沼尻さんらしさを伝えています。 インテリアグッズとして飾るのにもちょうどよい大きさです。 そしてもちろん、手にとって覗けば、世界が万華鏡の模様になって見えます!

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絵付けステンドガラスの万華鏡

2011-03-27 21:54:54 | 万華鏡ブログ

3月25日から30日まで西荻窪のギャラリー彦で開催中の万華鏡II人展に伺いました。
沼尻のんさんと松宮真理子さんの作品展です。
お二人のそれぞれのスタイルで創られた万華鏡は、完成度も高く、豊かな表現力で万華鏡の魅力をたっぷり味わえる作品展になっていました。

最初にご紹介するのは、松宮真理子さんの「Springs」です。 もともと画家としての実績のあるかたで、さらにステンドグラス・アートスクールプロ養成所本科を卒業。 そして中里保子さんのもとで万華鏡製作を学び、新しいデザイン、技法にチャレンジしながら、幅を広げてきました。
絵付けのステンドガラスの技法で描かれた鳥のパネルを組み込んで、きれいにまとめられた外観です。 上に覗き口があります。 オイル入りオブジェクトセルは光りがもれている部分のあたりにあり、右側のノブを回して映像の変化を楽しみます。

下からのLEDライトにより、温かみのある映像です。 細いオブジェクトや細かいオブジェクトを多用して、繊細な映像を生み出しました。

もう一点「Mon Seul Desir」です。

中世のタペストリーの図案の一部を絵付けのステンドガラスで表現なさったそうです。アンティークな雰囲気のこの部分だけでも高い水準の技術と才能を必要としていると思いますが、それを万華鏡のボディーに大変美しく組み込み、他の素材とも上手に組み合わされていて、素晴らしいと思いました。
台は木部にガラスや金属を組み合わせています。またオイルセルを照らす光が金属のブレードから漏れていますが、暗いところでもガラスの模様が浮かび上がる効果もあります。 明るい窓辺に置くと光りを通して、ステンドガラスの美しさをも楽しめる作品です。

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チェリーブロッサム

2011-03-26 20:58:40 | 万華鏡ブログ

いつもなら桜前線の話題も多いこの頃ですのに、自然の猛威の前に無力さを噛みしめ、いろいろな不安や心配ごとの多い昨今です。 せめて早く春らしい暖かさに包まれ、そして桜の花を愛でる楽しみを皆で分かち合いたいと願う方も多いと思います。

今日、ご紹介するのは、スティーブ&ペギー・キテルソン夫妻のフラワーシリーズから「チェリーブロッサム」です。 この間のアメリカ万華鏡展でも、この作品を見てきれいだといって下さった方も多かったのですが、それは、ペギーさんの生み出す映像に、日本人が桜に持つ美意識と通じるものがあったからだと思います。

ペギーさんは日本の着物や帯などの色彩や質感にとても惹かれていらっしゃるので、日本人にも共感しやすい映像表現なのかなあと常々思っておりました。

陰影、輝き、繊細さ、色の重なりとグラデーション・・・オイルの中でゆったりと動く、多彩な変化にいつまでも見とれてしまう万華鏡です。
覗くそのときの明るさや聞こえてくるもの、覗く人の心のあり様でも見え方が違ってくるのが、不思議でもあり、万華鏡の奥の深さでもあると感じます。

フラワーシリーズは、それぞれの花のガラスのミニチュア造形がオブジェクトに混じっているのが特徴です。すべてガラスオブジェクトはペギーさんの手によるもので、その独特の美しいガラス細工が、それぞれの花をイメージして組み合わされます。
筒のガラスの花は、スティーブさんが、創ります。花びらや葉をひとつひとつガラスを重ねて焼きつけ、さらに半筒形にするためにまた焼きます。 
この作品は一度焼く過程で割れたため、新たに作り直したと聞きました。 それだけに作品を手に取ったときに、作家さんの努力と経験ときれいな万華鏡を創りたいという気持ちが込められていることを感じ、ますます愛着が湧くのです。

1本でも存在感のあるこのシリーズですが、何点か並べてみたところです。

今度はどんな花で登場してくるのでしょうか? 楽しみでたまりません。

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被災なさった作家さんへエールを!

2011-03-22 22:24:28 | 万華鏡ブログ

このブログでもたびたびご紹介している佐藤元洋さんは、吹きガラスの万華鏡作家として活躍中の方で、その美しいガラス造形の万華鏡と、目で楽しむ詩のような映像表現に、多くのファンがいます。
仙台市太白区秋保に在住で、今回の大地震で被災されました。 昨年夏にオープンした吹きガラス工房「元」が軌道に乗りつつあった矢先、ガラスの窯が止まってしまい(止まってはいけないものなんですね!)、使えなくなってしまいました。 

復興に向けて前向きな佐藤さんですが、みんなで応援したいと思っています。
また素敵な作品を生み出して欲しいですから。

またもう一人、福島県いわき市在住の赤津純子さんも、繊細な映像美、丁寧な手仕事の作品が素晴らしく、何度かご紹介してきました。 ご自宅と工房が大地震の被害を受けたと伺いました。

個展を直前に控えていた赤津さんですので、さぞやお心を痛めていらっしゃるのではないかと思います。

「日本の伝統芸術や自然の中にあるたくさんの宝物、心に触れる美しさを万華鏡という作品で、豊かな形に映すことができ、見た人が楽しんでくれたら幸せ」とおっしゃる赤津さんです。こんな厳しい状況の世の中だからこそ、ぜひそのような作品を創っていただきたいと心から願っています。

佐藤さんや赤津さんの作品に癒されていた私と万華鏡仲間たちは、少しでも復興のお役に立ちたく、お見舞いと激励のメッセージまたは、募金を募ることにいたしました。

ご協力いただける方は Kaleidoscopes Japan メールアドレス info@kaleidoscopes.jpまでご連絡ください。 どうぞよろしくお願いいたします。

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トラベル タイム

2011-03-15 21:34:33 | 万華鏡ブログ

今日はジュディス・ポールさん、トム・ダーデンさんご夫妻の万華鏡「トラベルタイム」をご紹介します。 使い込まれた古風な旅行かばんを重ねた上に万華鏡が載っている作品で、もうひとつの箱には替えの洋服・・・ではなく、オブジェクトセルが入っています。

この万華鏡で世界を旅しようというのが、今回のテーマです。
3つのオブジェクトセルが付いていて、それぞれアフリカ、アジア、ヨーロッパを表しています。 
最初に行くのはアフリカ。 いろいろな動物も見えるオイル入りのセルです。

そして見える映像は4ポイントの四角い映像で、切手に見えるように縁がギザギザになっています。 

次はアジアです。 まさにアジアをイメージした、なにやら雑多なオブジェクトの混ざり合いのようですが・・・

オブジェクトの重なり具合が奥行きのあるユニークな映像になります。

そして最後はヨーロッパです。 モナリザや大聖堂、パスポート、エッフェル塔、ゴンドラなどたくさんのオブジェクトは、探してみるのも楽しいです。

こんな風にいながらにして、世界旅行の雰囲気を味わえる万華鏡ですね。

映像がとてもきれいで、それぞれのピースがどんな風に映り込むのだろうという興味から、いつの間にかその魅力にとりつかれて、セルを回し続けてしまいます。

Bon Voyage !

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祈りが届きますように

2011-03-14 21:26:22 | 万華鏡ブログ

とても大変で悲くつらいことが起こりましたね。 情報が明らかになるたびに暗くなってしまうような報道の連続に心が痛みます。
特に被災地の方に対しては、なすすべも無く、心からお見舞い申し上げたいと思うばかりです。 

今日は万華鏡のご紹介はしませんが、皆さんにもお伝えしたいことがあり、ブログを書くことにしました。 
今回の未曾有の惨事に対して世界中から日本を応援するメッセージが発信されていますが、アメリカやドイツの万華鏡界からも、日本の人々の安否を気遣ったり、一緒に悲しんでくれたりと、作家さん、ギャラリーの人、コレクターのたちから、メールが届いています。
つらいときに寄り添ってくれようとする気持ちに、励まされる気がします。 万華鏡を愛する人たちが、日本の友人たちに伝えたいと心を込めてくれたお見舞いの気持ちを皆さんとも分かち合いたいと思った次第です。

「私たちはあなた方の行く末に平穏が戻るように祈り続けます。アメリカの万華鏡界の人たちが日本の友人たちのことを本当に心配しています。いろいろなことが伝えられて、日本の人々がこれから向かい合わなければならない困難な問題があることを理解し、案じています。」

(写真は細井厚子さんの静かで心に響く万華鏡映像です)

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エンドレス・ビジョン

2011-03-10 13:44:59 | 万華鏡ブログ

今日は万華鏡ルネッサンスの先駆者のひとりであり、数え切れないほどの万華鏡を製作してきたコーキー・ウィークスさんの作品「エンドレス・ビジョン」のご紹介です。

この万華鏡は外のデザインもユニークですが、マイラーと呼ばれるポリエステルフィルムを着色したものを透明なアクリルの下に巻いています。光沢があるので、金属のように見えます。
「エンドレス・ビジョン」の特徴は、ひとつの筒に2つのミラーシステムが入っていること。



二つのアイホール(覗き口)が見えますね。 それぞれから異なった映像が見える仕組みです。
実は、この仕組みは、コーキー・ウィークスさんが最初に取り入れた作家さんで、1986年のことでした。その作品は ザ・ブリュースター・ソサエティーの最初の「創造的作品賞」Award for Creative Ingenuity を受賞しました。 

ひとつの覗き口からは、2ポイントの映像が見えます。
大胆なオブジェクト使いが生み出す面白い映像展開です。

そしてもうひとつの覗き口からは6ポイントの映像です。 質感の異なるさまざまなオブジェクトがオイルの中で生み出す映像は、コーキーさんならではの面白さと、強いインパクトを感じる展開です。 かなり大きなオブジェクトもありますが、それらの使い方がうまいなあと思います。

コーキーさん自身、数々のユニークで新しいミラーシステムを求めて万華鏡を製作してきたけれど、見続けていくなら、やっぱり普通の2ミラーの映像に勝るものはないとのコメントが、コージー・ベーカーさんの本で紹介されていました。 
今でもそう思っていらっしゃるかなと思いつつ、2ミラーの映像をもうひとつ。



素材・デザインの多彩さもコーキーさんの作品の特徴です。 金属、アクリル、ガラス、布、木材など駆使して生み出されてきた作品を思い起こすと、そのエネルギーに驚かざるを得ません。本当にすごい作家さんです。 下の写真は2006年のコンベンションでのコーキー・ウィークスさんのテーブルです。 そしてコーキーさんも。

 

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ホットな水玉模様

2011-03-06 20:22:15 | 万華鏡ブログ

今日、ご紹介するのはトム&キャロル・パレッティーさんご夫妻の「Hot Dot」(ホットドット)という万華鏡です。
「ドット」というのは、水玉模様や点を表しています。
ごらんのとおり、黒地に赤い水玉模様が可愛らしいですね。 黒と赤の、きれいに着色されたアルミニウムを重ねて模様を切り出し筒に巻いています。
そしてこの万華鏡には縦に長めのオブジェクトセルが付いています。

長い棒状に見えるオブジェクトは、ガラスファイバーです。 光を集めて先端で発光する特徴を生かして、その光る様子を、万華鏡模様に映し出します。
ガラスファイバーの先には、いろいろなビーズが飾られていて、その先端が光るのがユニークな模様になります。

ガラスファイバーのてっぺんが見えているのがお分かりになるでしょうか。 そして黒くて細かいガラスビーズが隙間を埋めるように見えていますね。
光沢のあるパールなども使われ、映像に変化を与えます。

下から上に向かって伸びているオブジェクトを入れるために、長いセルが必要なんですね。
そして、写真ではわかりにくいですが、奥行きがあるために、オブジェクトの組み合わせにも立体感が感じられます。



光る点がアクセントになった楽しくて、面白くて、きれいな万華鏡です。 いろいろな素材を使い、アイディア豊かなパレッティーさんご夫妻に「ブラボー!」と言いたくなります。

 

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夕焼け小焼けの赤とんぼ

2011-03-01 22:27:18 | 万華鏡ブログ

赤い空間にガラスのトンボが宙を飛んでいる不思議な万華鏡です。左側の側面に覗き口がありますが、そこから覗いてもトンボは見えません。見えるのは、こんな映像です。

先日まで開かれていた万華鏡展では、お客様は皆、この不思議な万華鏡に驚かれていました。
マーク・ティクルさんの「Peek-a-Box」という作品なのですが、鏡のマジックで、外からはトンボの飛んでいる空間しか見えないのです。 そして覗き口から覗いてもトンボは見えないし・・・

万華鏡の鏡は表面反射鏡という特殊な鏡を使っています。 通常の鏡がガラスの背面を反射素材としているのとは対照的に、ガラスの表面に反射素材を蒸着させていますので、映りこんだものが屈折することなく、線対称で反射されます。 くっきりと美しい映像を可能にするわけです。

中の映像だけでなく、このトンボもその鏡を使ったマジックです。 半身が実像で、半身が虚像とは、理屈を知ってもそうは思えないくらい、リアルに飛んでいるように見えます。
この万華鏡はただ奇を衒った作品というだけではありません。それは万華鏡映像の美しさ、妖艶さが伝えていると思います。

オブジェクトセルの背景に使っている透明なイリデッセントガラスの効果で、映像の背景が赤系に染まり、光の当たり方で変化も豊かなので、オイルの中のガラスオブジェクトの動きと重なり合って、素敵な映像展開です。

どことなく和風の色模様は、映像の周りに映り込む緑色の和紙の影響でしょうか。それとも微妙に彩を重ねるオブジェクトの創り方によるものでしょうか。 赤い世界に「~♪夕焼け小焼けの赤とんぼ♪~」を思い起こしました。

 

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