万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

映像を重ねる試み

2009-05-27 17:38:58 | 万華鏡ブログ

昨日のナップ夫妻の「エピスリースコープ」は、彼らの万華鏡に良く見られるように、ブライトイメージとパステルイメージがあります。これはブライトイメージです。黒い背景に浮き上がる赤や青、黄色、グリーンなどの色の饗宴に加えて、この万華鏡ではその前景に白っぽいライン状の模様が映りこみます。この模様もセルを回せば変化するので、二重の模様が組み合わさって見えるのです。奥行きのある色合いをさらに強調する役目も果たしていますね。
方法は全く違いますが、パレッティー夫妻の最新作も、二重の模様の重なりを楽しむ万華鏡でした(5月14日)。ナップ夫妻の場合は、オブジェクトセルのミラー側に模様をカットしたもので、セルの回転と同時にミラーに映りこむ部分が動いていくものです。パレッティー夫妻は二層のオブジェクトセルによる重なりで、ラインを描くのはオイルの中の気泡でした。どちらも万華鏡映像についての新しい試みです。
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快適な機能をもつ万華鏡

2009-05-26 21:59:01 | 万華鏡ブログ

今日の万華鏡はアメリカの木工の万華鏡の作家として実績のあるランディー&シェリー・ナップ夫妻の万華鏡、「Epislyscope(エピスリースコープ)」です。
表情の豊かな木材から筒を削り出し、きれいに磨き上げています。ランディーさんがよく使うのは、樹木のふしや瘤があって、そのため木目が不ぞろいでユニークな表情を見せる木材です。同じ木材から作っても、ひとつひとつ違う万華鏡の筒ができるのです。
そしてもう1つの特徴が、セルやセルを回転させるローテイターを装飾する模様です。黒地に彫りこまれた連続の曲線は、ローズエンジンという装飾用の旋盤で加工されています。美しいオブジェクトセルですね。そしてローテイターの刻みは回転させる指の軽いタッチを伝えます。
磨いた木目の面白さや手触りの気持ちよさを感じながら手に取り、セルの滑らかな回転を楽しみながら覗けば、心地よく映像の変化を楽しめます。万華鏡の機能的な快適さも追求する作家さんです。
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青い背景

2009-05-23 23:39:12 | 万華鏡ブログ

高林千稔さんのスコールはアクリルのオブジェクトセルの背景部分がきれいなブルーです。そして不思議なブルーです。ミラーシステムの向こう側では、光を正面から受けると強い色になり、オブジェクトをくっきりと浮き上がらせます。向きを変えていくと深いネイビーに変わっていき、オブジェクトが吸収されていくような錯覚を覚えます。この写真はかなり落ち着いた感じですが、不安定さも見せながらの映像変化です。
そして映像を生み出すオブジェクトが凝っています。いろいろな白とブルーとパープルを混ぜ合わせ、厚みや大きさやうねりなど映像効果を考えて作り上げた、表情の豊かなガラス細工です。オブジェクトセルのサイドの透明な部分から見える姿もそれぞれが美しく目を惹きます。色の数は背景の効果を生かす色だけに絞込んでいますが、それゆえに、生み出される映像は、そのたゆたう動きと陰影の表情、青の背景との連係プレーによる効果がみごとです。抜けるような青い空、湧き出る雲、流れる水、紫がかった雲、闇に浮かぶ花、あっという間の変化・・映像を追いながらイメージがどんどん膨らんでいきます。
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寄せ木の万華鏡

2009-05-22 21:06:57 | 万華鏡ブログ

先日ご紹介した新人作家、高林千稔さんの2作目の作品「Squall(スコール)」です。
番号入りで製作されたシリーズですが、何種類かの木材を寄せ木加工した筒は、切り出された部分の表情がそれぞれ違う、ユニークな一点ものといえましょう。そして、そこに切り込みを入れて、さらにデザインのオリジナリティーを主張しています。滑らかなラインを横切るカットは、木材の重なり合いを別の角度から浮かび上がらせ、全体の印象に強いインパクトを与えます。
木の美しさを引き出しながら、機能的にも優れた作品で、オブジェクトセルの滑らかな回転が心地よいです。
オブジェクトセルは丸みを帯びたなだらかなラインが美しいアクリル製で、背景は意表を付くブルー。しかしそれはこの作家さんにとっての必然なのだということが、中を覗いたら少しわかった気がします。
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薬の万華鏡

2009-05-21 11:54:00 | 万華鏡ブログ

デヴィッド・カリッシュさんの考案した、オブジェクトにピルやカプセルを使った万華鏡は、びっくりするほど鮮やかで、ダイナミックな映像展開を見せます。奥行のあるオイルセルとミラーに映りこむスペース、そしてオブジェクトの組み合わせのバランスが良いのでしょう。オーソドックスな正三角形のミラーシステムですが、とても楽しめる映像変化です。薬の名前なども映り込んだりして、ちゃんと模様になっています。

この「薬の万華鏡」にはもうひとつ、注意書きがあります。
・・・「ただし、万華鏡中毒の人には治す方法がありません」・・・
まあ、大変!
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処方箋はいりません

2009-05-19 20:21:10 | 万華鏡ブログ

デヴィッド・カリッシュさんの新しい万華鏡をもう1点ご紹介します。
なんと、タイトルは「Hypochondriac(心気症患者)」。身体のちょっとした不調を病気と思い込み、落ち込んでしまう人のことだそうです。この変わった名前の理由は、この万華鏡のオブジェクトにあります。カラフルなオブジェクトは、アメリカで市販されている錠剤やカプセルなのです。飾りについているマークは「カデューシス」といって医療のシンボルだそうです。
今まで薬の色について、あまり意識したことはなかったけれど、薬のデザインは、違いを明確にするためでしょうか、とてもカラフルな色合いになっているのですね。ミネラルオイルの中で思いがけずきれいな色が見えて、カリッシュさんもびっくりしたそうです。
効能は「誰をも、もっとハッピーにする」ことです。処方箋なしで買えるこの薬の万華鏡・・・効きそうですね。
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万華鏡で遊ぶファブリックアート

2009-05-18 21:46:21 | 万華鏡ブログ
デヴィッド・カリッシュさんの「ソフトセル」は手染めのシルクスカーフをオブジェクトにしています。
アクリルの台に空けた左右の穴をスカーフが通っていて、右に、左にと動かすことによって、映像の変化を楽しみます。アメリカのファブリックアーティストによる作品だそうですが、ランダムな色模様が美しく、オブジェクトにぴったりです。くしゃくしゃとしたところや重なり合ったところも映像に変化をつけます。そしてオブジェクト(スカーフ)を動かすときの触感もこの万華鏡の特徴のひとつです。布地がミラーシステムの向こうに見せる映像の質感も、触った感覚を呼び起こす視覚効果があります。
アクリルの台は光を遮らないので、十分な光を取り込み、布地の模様と質感で生み出される映像は、百花繚乱の様相が楽しめます。柔らかい布ならオブジェクトとして簡単に付け替えることができるので、お手持ちのスカーフなどでまた違った表情や楽しみを見つけることができるかもしれません。
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ソフトセル

2009-05-17 16:36:03 | 万華鏡ブログ

アメリカの作家さんの作品には、しばしばユニークなアイディアやユーモアのある、しかも映像も魅力的な作品が、いろいろあります。
今日ご紹介するのは、デヴィッド・カリッシュさんの「Soft Cell(ソフトセル)」です。ご覧のとおり、ユニークなのはカラフルな手染めのシルクスカーフです。このスカーフがオブジェクトなので、ウェットセル(オイル)でもドライセルでもなく、「ソフトセル」と名付けられました。
スカーフをオブジェクトとする大型のパーラータイプの作品は、過去に限定版制作で作ったカリッシュさんですが、2009年新作として発表されたのは,そのアイディアを小型化して、誰にでも手の届く手軽な作品としました。
金属、アクリル、木を組み合わせた現代的でスマートな作品が特徴のカリッシュさんのスタイルで、お洒落で楽しめる万華鏡になりました。
一見万華鏡とは知らずに惹き付けられ、覗いて見たら万華鏡だった!というちょっとした驚きとともに喜びを演出するのがカリッシュさんの望む作品のスタイルだそうですが、万華鏡好きの皆さんには、すぐにわかりましたでしょうか。
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ガラス色の薔薇

2009-05-16 17:02:12 | 万華鏡ブログ

依田満さん・百合子さんご夫妻の「バラ」の映像です。
桜や雪をテーマに作った作品は、はかなさや淡さのある映像がなんとも言えず素敵で、鏡の筒の中に展開する映像世界に共感と安らぎを覚える人も多かったことと思います。
この「バラ」では、筒の中にバラの花のイメージどおり、華やかさと存在感のある映像展開です。オブジェクトの色合いも少し濃いめで、特に緑の濃淡のガラスオブジェクトとの組み合わせが美しく、一厘の花が見えたり、咲き乱れる花々が見えたりするような気がします。
生き生きとした色使いは、白い筒の中でくっきりとした映像となって目を惹きます。
筒の先端に手のひらを当てて覗くと全体がほんわりと赤くなり、また違った表情を見せます。小さなオブジェクトセルから展開する「もうひとつの世界」にいつもながら驚き、魅了される万華鏡です。
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バラの季節に

2009-05-15 19:20:50 | 万華鏡ブログ

バラの花が美しく咲く季節ですね。今日は依田満さん・百合子さんご夫妻の「下町のガラス」シリーズから「バラ」をご紹介します。
サンドブラストでバラの花のシルエットが浮き上がらせたガラスの筒に、オープン2ミラーシステムを組み込んでいます。オープンになったところにバラの花があるようになっているので、中を覗くとそのバラが中心映像の周りに咲いています。
前にもご紹介しました、桜、竹、雪なども素敵でしたが、他にも季節感のあふれるテーマでいろいろ種類があります。そしてそのテーマにふさわしい、変化に富んだ美しい映像にすっかり惹き付けられ、繰り返し覗いてみたいと思う作品ばかりです。そしてひとつずつ、揃えてみたいなあと思う人も多いのではないでしょうか。
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