万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

バブリーなバブリシャス

2011-01-30 22:46:39 | 万華鏡ブログ

アイディアがとてもユニークで、しかも万華鏡としてとても楽しめる高品質な作品をいくつも創り出してきたトム&キャロル・パレッティー夫妻の「バブリシャス」という万華鏡です。
革を巻いた筒、きれいに仕上げられた木部と金色に輝く真鍮を組み合わせた造りはお馴染みですが、オブジェクトがとてもユニークです。
よく見るとオブジェクトセルはオイル入りです。パレッティー夫妻にしては珍しいですね。しかもとても大きい!
そして2段になっています。
カラフルなオブジェクトの入った部分は下の段です。背景が透明なので、光を通して美しいダイクロイックガラスを中心に色鮮やかな組み合わせです。

上の段に入っているのはシリコンオイルだけです。 透明なセルの中にめぐらせた「ネットワーク」(透明な仕切りによってたくさんの袋小路のようになっています)によって、オイルが動くと泡が生まれるのです。 そしてその泡の作り出す無色のライン模様とダイクロイックガラスの生み出す色模様が重なって、なめらかな動きのある美しい色の競演が目の前に展開します。



セルの大きさがかなりあり、オブジェクトも多種類含まれるため、ミラーの向こうに映りこむ部分によってまったく違う色模様になるのです。 その上に重なるオイルの模様も、粒のような泡だったり、大きな泡だったりで、映りこみ方が違うのも面白いです。 すごいアイディアです。
泡の効果を高める見方は、オブジェクトセルを180度回したところで、止めて流れにまかせて見ると良いそうです。


映像の周りがスカラップ状になり、ミラーシステムの第3面の溝を彫った木目が広がるように見えるのは彼らの作品の特徴です。
滑らかなオブジェクトセルの回転、クリアな映像、きれいな造りなど変わらない部分と、アイディアの新しさと、映像のきれいさ、ユニークさを兼ね備えた万華鏡として、多くの方に見てもらいたいなあと思います。

以前に「バブレッセンス」という作品をご紹介しましたが、この「バブリシャス」は、それと対を成す作品です。違うのはオブジェクトセルの背景が黒であるか、透明であるかというところで、それによって中に入れられたオブジェクトも異なっています。
どちらも「バブル」をオブジェクトにしたバブリーな作品です。

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喜多さんの世界に浸って万華鏡を楽しむ

2011-01-27 22:53:34 | 万華鏡ブログ

1月25日から2月13日まで、東京の国立駅近くのギャラリー「アートの庭」で開催中の喜多里加さんの陶芸作品展に伺いました。 今回も小嶋淳さんとのコラボレーションになる万華鏡が展示されていますので、ご紹介したいと思います。

喜多さんの陶はその色合い、質感、模様のいずれをとっても、独特の表情があり、万華鏡の筒としても大変魅力的な雰囲気を醸し出しています。 
そしてまた独特の雰囲気のある小嶋さんの生み出す映像! 



輝きに個性があるんですね。 ミラーの第三面にはその輝きをやわらかく反射する素材を使い、くっきりした映像と周りをぼかすような効果があります。 さらにオブジェクトの使い方が個性的なのでしょうね。
思いがけない面白さを見せてくれます。

今回も電動でオブジェクト部分が回転し、内部に照明を取り入れた作品がありました。
上のふたをはずすと覗き口があり、2つの覗き口から2つのミラーシステムを通して、2ミラーと3ミラーの両方の映像が見られます。

喜多さんの作品展では万華鏡はほんの一部。 器や花瓶、お雛様、パネル作品、時計、アクセサリーなど、たくさん展示されています。  そんな中に、万華鏡もあるというのも楽しくていいなあと感じ、またいろいろなアートとの融合が可能な万華鏡の良さ、広がりを改めて感じました。

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コージー・ベーカーさんを語る その2

2011-01-24 00:18:05 | 万華鏡ブログ

今日も亡きコージー・ベーカーさんの万華鏡にあふれたお住まいの写真とともに彼女を偲ぶ言葉をご紹介します。

コージーさんに会った多くの人はその優雅さと威厳のある姿に圧倒され、言葉を交わした途端に、そのやさしさや心から受け入れてくれたことを感じたものでした。 彼女らしいお洒落ないでたちで、てきぱきと動き、素敵な言葉でメッセージを伝え、万華鏡界のリーダーとして本当にふさわしい方でした。 いったい彼女が何歳なのか?といつも話題に上っていましたが、誰も知りませんでした。 (亡くなられたときは86歳でした)



そんな彼女の人柄についてみんなが語った言葉です。

コージーさんは、寛大な人とはこんな人のことだということを身をもって教えてくれました。見返りなど求めず他の人に助けの手を差し伸べることができる人です。それは彼女がそう決めたからではなく、本能的なものだったと思います。そうせずにはいられない人でした。いつも誰にでも何か与えるものがある人でした。(マッシモ・ストリーノ)

神様は私たちに何か他の人のために使う才能を何かしら与えてくれたと思います。そしてコージーさんには励まし、支えるという才能を与えたと思います。(メアリー・マーガレット・ギブソン)

彼女の助言は率直だったけど、言い方がとても良かった。(マルシア・クラーク)

コージーさんは万華鏡を創ろうとはしなかったけれど、私たちの作品が良くなるような助言をいつも与えてくれました。(ケイ・ウィンクラー)

コージーさんは私の作品に、シャンデリアと曼荼羅を組み合わせて、シャンダラという名前をつけてくれました。彼女は後にいろいろな形で実を結ぶようなたくさんの種をまいてくれました。  (シェリー・モザー)

彼女はそれぞれの人の大切さをちゃんとわかっていました。(コーキー・ウィークス)

コージーさんは、いろいろ異なる立場の人と関わらなければならなかったけれど、誰にも敬意を払い、正直でした。(ジャニス・チェスニック)

最初の頃、コージーさんに万華鏡の仕組みを説明しようとしたら、「もういいわ。魔法が解けちゃうから」と断られました。 後に彼女は万華鏡の仕組みを学びましたが、それは作家により良い助言をするためでした。(グレン・ストローブ)

前に作品を見せたとき、コージーさんはそのひどさをわかっていました。彼女ははっきりとそういいましたが、私のことを拒絶はしませんでした。そして先輩作家から助言をもらえるように取り計らってくれたのです。私が、コレクターが望むようなちゃんとした作品を創れるように、正しい道に導いてくれたこと、いつでも意見を述べてくれたことに感謝しています。(マーク・ティクル)

コージーさんは万華鏡のコレクターでありましたが、買って集めるだけでなく、良いものは人に勧め、店で売れるように紹介し、作家を支えました。 また集めた万華鏡を多くの人に見せて、その魅力を伝えました。
その熱意あふれる行動の根底には、彼女自身の生き方、哲学があり、またそれを他の人とシェアしようとする気持ちがありました。 だからこそ多くの人を惹き付けたのだと思います。

残念ながらこのハウスミュージアムは閉じられており、ベーカーさんのコレクションも熱心なコレクターのもとに引き取られるなどして、分散しています。 でもベーカーさんの残したものは、万華鏡を愛する人たちの心とともにあると私は思っています。

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コージー・ベーカーさんを語る その1

2011-01-18 15:00:25 | 万華鏡ブログ

コージー・ベーカーさんが万華鏡界にとって多大なる功績を残したことは皆さんご存知だと思います。万華鏡アートを世の中に認知させ、たくさんの幸せを多くの人に広めました。

具体的には、1981年息子さんを事故で失い、失意の中で出会った万華鏡に何か強い力を感じ、救われた経験から、万華鏡の本を書こうと決心しました。 そして万華鏡と作家を求めて、アメリカ中を探して歩き、人と人とのつながりを生み出しました。まだインターネットなど一般的ではなかった時代です。 その努力が世界で初めての万華鏡の本となり、初めての万華鏡展として結実しました。
そこから、万華鏡ルネッサンスと呼ばれる、大きなうねりが生まれ、万華鏡が新たな形のアート作品として、注目を浴びるようになったのです。そのうねりは、日本にも届き、新しいタイプの万華鏡は、日本人の心も捕らえました。

そこで繋がった人々を会員とするザ・ブリュースターソサエティーも組織され、長い間そのリーダーとして、万華鏡の普及のために先頭を切って活動なさいました。
昨年10月に亡くなりましたが、そのベーカーさんを偲んで、2011年最初のザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのニュースレターで、彼女の功績を作家やコレクターやギャラリーのオーナーの言葉で語り、追悼の思いを共有しようという記事が掲載されました。 ベーカーさんがいなかったら今の私たちは無いと思うほど、誰にとっても大切なかただったし、尊敬され、愛された方でした。

その中から少しご紹介したいと思います。

私は彼女のカレイドスコープのひとつのピースのように感じます。そしてそのカレイドスコープには私たち全員が入っています。(リンダ・ジョイ)

彼女はいつも人と人を結びつける人。そしてそのことに喜びを感じていました。(ポーラ・ナーデルスターン)

コージーのおかげで私は世界中に友人ができました。(シェリー・モザー)

コージーさんとの最初の出会いについていろいろな作家さんのエピソードから、どれほど彼女が熱心に万華鏡作家を見つけ、育て、紹介しようとしていたかがわかります。

1982年スミスニアンマガジンで紹介された万華鏡アーティストをコージーはひとりひとり訪ねました。
私にもこんな具合に。「Hello Dear、私はコージー・ベーカーです。私はカレイドスコープに凄く興味があってあなたの記事を見つけたからお訪ねしたいのです。」そして間借りしていた古くてみすぼらしい工房に、大きなカッコいいリンカーンでやって来ました。(キャロリン・ベネット)

あるアーティストがコージーの電話番号を教えてくれて、ぜひ電話をするように勧めてくれました。彼女は作品を見たいといい、早速送ると喜んで電話をくれ、本に載せなくちゃと言ったのです。それがすべての始まりでした。(ペギー・キテルソン)

私の人生を変えたのは、彼女からの電話でした。名前は本で知っていたけれど、まさか自分のところにかかってくるとは思ってもみなかったのです。私のテレイドスコープを見て、連絡先をずっと探していたこと、そしてあなたの作品をみんなに教えたので注文がたくさん来るから準備してと彼女は言いました。 一晩で私は万華鏡アーティストになりました。 (マーティ・フロインド)

「私はあなたにどうするべきかを話すつもりはないの。すべて私の本に書いてあるから」とコージーは言いました。ランディーが読んでから電話で質問しました。「表面反射鏡って何ですか? ランプワークをしたガラスはどこで手に入るのですか?」 そこで、コージーは3人の作家を紹介してくれました。そのひとりがシェリー・モザーです。 (シェリー・ナップ)

どんな作家さんにもコージーさんとの出会いの中に、スタート時点があったのですね。 

               ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

ベーカーさんの自宅にはどの部屋にもコレクションがありました。 そしてそれらを訪れる人にすべて見せてくれたのです。

                     フロアタイプの万華鏡も似合う居間
                                    



アンティーク万華鏡の場所

                         ナンバープレートに注目!

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チェスニック工房の2代目作家さん

2011-01-11 21:10:04 | 万華鏡ブログ

2枚のホイールを組み合わせてオブジェクトにし、単調になりがちなホイールスコープをダイナミックに楽しめる万華鏡を作り続けてきたのが、チェスニック工房です。 木との組み合わせにより、スマートな全体のデザイン、、組み合わせによっていろいろな表情を生み出す手作りのホイール・・・それらはジャニス・チェスニックさんから、息子のジョン・グリーンさんに引き継がれました。
2代目として工房を引き継ぐのは、マイケル・コリアさんと、このジョン・グリーンさんぐらいでしょうか。

ジョン・グリーンさんはジャニスさんの指導の下、1990年から万華鏡の製作を始めました。 2007年に正式に工房を引き継ぎ、ジャニスさんはひと月に4-5日ジョンさんのために製作を手伝う一方で、他にも万華鏡をテーマとしたキルトの製作や指導にも忙しいそうです。

ホイールをデザインするのはジグソーパズルを創るようなもの。 形や色のバランスを見極める目と、着実な手仕事と辛抱強さが必要だと彼は言います。 ガラスシートをランダムにカットした小さなガラスピース。色ごとに分けたトレイの中から、ひとつずつ選んで、ホイールにはめ込んでいきます。 彼は一度に5枚分のホイールを作り、それぞれが異なった形、色、模様、質感のピースをパズルのようにはめ込むのだそうです。

ジョン・グリーンさんのそんな製作の姿を垣間見ることのできる場所が昨年できました。

彼は、マサチューセッツ州のケープ・コッドにCape Kaleidoscopesという万華鏡店を開き、チェスニック万華鏡のほか、多くの万華鏡作家の作品や、おもちゃの万華鏡、ジャニスさんの万華鏡キルトなどを置いています。


とてもユニークなのは、店先の目立つ場所で、彼がガラスピースを選びながら、ホイールを創っていることです。 集中力の必要な作業ですが、時には それを見るお客様の反応と会話を楽しみながら、チェスニック工房の歴史を持つ万華鏡を紹介しています。
店番のほうは大丈夫でしょうか? ご心配なく。 お店でお客様に説明をするのは、奥さんのスザンヌさん。 万華鏡のことなら何でも知っているパートナーです。
想像するだけでも楽しそうなお店です。 ケープコッドを訪れることがあったら、ぜひこの店にいってみてくださいね。 (私もいつか行ってみたいと思っています。)
そしてジョン・グリーンさんという作家さんも覚えてくださいね。

 

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デュレット工房の新作

2011-01-07 20:55:24 | 万華鏡ブログ

今日ご紹介するのは、デュレット工房の新作です。
ルーク&サリー・デュレット夫妻は以前は、ドライフラワーをオブジェクトにした万華鏡が、そのトレードマークでもあったのですが、「シークレットガーデン工房」という名前で万華鏡を製作していました。 昨年から名前をDurette Studios (デュレット工房)と変えて、万華鏡のデザインも一新して、作品作りに新風を吹き込むべく、がんばっています。

これらの万華鏡は平たい筒で持ちやすく、先端の丸いオブジェクトセルは、手で回転させることができます。
最大の特徴は、筒の正面にはめ込まれた、木材のインレイ(象嵌)によるパネルです。 これらのパネルはひとつひとつ、ハンドメイドでカットされたり、埋め込まれたりした模様が美しく、それぞれを引き立たせるような数種類の木材と組み合わせて、万華鏡のボディーになりました。 異なった木材の特徴ある木目や色調が織り成す美しい木工の作品です。

この万華鏡シリーズにはミラーシステムが2種類あります。
ひとつは、基本的な2ミラー9ポイントの大きな曼荼羅映像。
オイルセルの中のビーズ、ガラスオブジェクト、美しい色彩処理をほどこしたワイヤー細工などが鮮やかで生き生きとした輝きのある映像を生み出します。

もうひとつのタイプは3ミラーシステムで、角度の狭い二等辺三角形に鏡を組んだもの。 目の前に大きな花火があがったような迫力のある映像が展開します。

デュレット夫妻の万華鏡はミラーの組み方もきれいで安定していて、誰が覗いても大きくてクリアーな映像が見えるので、どなたにもお勧めできます。 オブジェクトセルの横から光が入るタイプですが、光を受けて発光するように輝くビーズの効果もあり、映像の迫力という点で他に類を見ないほどです。
木材の万華鏡は手になじみ易く、温かみがあります。 お洒落な外観デザインで、部屋を飾るアイテムとしても目をひくことでしょう。

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抹茶流星群

2011-01-04 14:50:02 | 万華鏡ブログ

新年あけましておめでとうございます。
今年もたくさんの素敵な作品をご紹介していくつもりですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

最初の作品は依田満さん・百合子さんご夫妻の下町のガラスシリーズから、「抹茶流星群」という万華鏡です。白い細いラインが流れるようなガラスに、緑や黄緑、オレンジなどの色の点が流れる模様。 写真ではわかりにくかもしれませんが、まさに「流星群」のイメージです。



映像のさわやかなグリーンが目にも心地よく、筒を回すと、オブジェクトの動く音とともに、色合いが重なり合い、さまざまな模様となって生まれ変わり、次はどんな模様かなとワクワクさせてくれます。


アクセントになっているオレンジや黄色に温かみがあり、無色透明なガラスオブジェクトはその質感で映像に深みを与えています。

外の色模様が、周囲にかすかに映りこみます。
優しい色の重なり合いに心がほっとする万華鏡です。

 

 

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