万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

ダイクロ・スピリット 

2013-03-19 23:13:21 | 万華鏡ブログ

黒いガラスに虹色の輝きを配したこの万華鏡は、チャールズ・カラディモスさんの最新作「Dichro Spirit」です。 ダイクロイックガラスを重ね、焼き付けたものを、スランピングの技法で形づくります。
スピリットシリーズの5作目であり、シリーズの最終版だそうです。 8個の限定製作です。
コーン型に少し絞りを加えた筒は、持ちやすく、このシリーズの特徴です。

逆テイパード2ミラーシステムは先に向けて広がるミラーの組み方で、覗き口の真正面に完璧なシンメトリーの映像を生み出します。

オブジェクトセルの背景部分は、ダイクロイックガラスを、加工したクリアガラスに焼きつけており、光を通して、ソフトで微妙な色合いを、細かい映像に加えています。

オブジェクトはランプワークによるガラス細工、ドライアンプル(下の写真では赤い粒の連なりと青い粒の連なりが見えています)、ガラスをカットし角を丸めたものなど、特にダイクロイックガラスを多用しています。

オブジェクトはガラスのみですが、いろいろな表情や形を組み合わせ、それらが自由自在に動き回るドライタイプの醍醐味を感じることができます。 ドライタイプのみしか創らない作家さんで、その映像表現には、ほかにはないインパクトがあります。

カラディモスさんは、今アメリカで「数学のアート」展という展覧会に出品しているそうです。
シンメトリーを生み出す幾何学的な要素が参加のポイントになったようですが、唯一の万華鏡の作家として、万華鏡の面白さを見に来た人に伝えてくれているに違いありません。
 
最後に雰囲気の違った映像です。 これらがみな同じ万華鏡から見えているのが不思議な気もします。 ここでは、彼の万華鏡の特徴の一つ、黒いオブジェクトが効果的に使われています。 

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京都のジオラマ万華鏡 Diorama Kaleidoscopes of Kyoto

2013-03-18 23:25:58 | 万華鏡ブログ

京都万華鏡ミュージアムで展示中のジオラマ万華鏡です。 
この景色は有名な渡月橋。 そして橋の欄干には二つの万華鏡が仕組まれています。 万華鏡作家さんの協力で、工夫を凝らしたオブジェクトホイールが組み込まれ、上から覗くと、それぞれに異なる映像が見え、変化していきます。 川の流れを見ているようです。

手前の屋形船も万華鏡です。上から覗くと、とてもユニークな映像が見えています。

和の趣が素敵ですね。 京都らしい映像を・・と作家さんが考案なさったものです。 オブジェクトにその秘密があるようです。

次のジオラマ万華鏡は、石庭です。 石に覗き口があり、それぞれが異なるミラーシステムの万華鏡が組み込まれています。 

オブジェクトになっているのは、西陣織りの布地です。 手前に見えていますが、引くと回転する仕組みで、その柄が万華鏡模様になって見えています。 回転させながら、映像の変化を楽しみます。きれいですね。

これから京都の景色をジオラマにした作品を増やしていきたいとのこと。 京都らしさを発信するミュージアムの活動に注目したいです。

2008年に「京都らしい万華鏡」として、そのスタートとなった京焼の大家、小川文齋さんとのコラボレーション作品も展示されています。 大きな壺の万華鏡「暁光」です。 山見浩司さんがその壺を万華鏡にしたもので、上から覗くと、大きな映像が見えてきます。 迫力のある映像は、まるで生命体のように色と輝きを変えます。

もう1点 小川文齋さんのごつごつした大きな花器を、中里保子さんが仕上げた万華鏡も展示されています。 「縄文の夢」というタイトルで、二つのユニークな映像を見せる素晴らしい作品です。
(この作品については2008年4月25日、26日、28日の当ブログでもご紹介しています。)

このミュージアムでは、年に3-4回、展示品の入れ替えもあり、他では見られない作品や大型作品も展示されています。
京都を訪問する機会がありましたら、ぜひお立ち寄りください。 ミュージアムショップも充実しています。

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桜開花宣言  Cherry blossoms will bloom soon.

2013-03-16 17:40:39 | 万華鏡ブログ

桜の花が咲きました。 今日ご紹介するのは、野田麻里さんの「SAKURA」という作品です。
覗くと淡くてきれいな桜の花が一輪。 一期一会の姿で楽しませてくれます。

ステンドガラスの筒は,白とピンクの混ざった、きれいな桜色。 オブジェクトセルのトップには白いガラスにひとひらの花びらが舞い落ちて来ました。
高さ12cmほどの小ぶりな万華鏡ですが、中の花模様はとても大きく見えます。

オブジェクトセルはオイルの中に、バーナーワークのガラスオブジェクトが浮かんでいます。 流れるように色模様を変える作品です。 

マスキングという手法で、桜の花の形は変えずに、中の色模様だけが変わっていきます。
白い背景を染めていくかのように見える花模様です。
次々に咲く花をどうぞ楽しんでください。

桜は日本人の愛する花だけに、桜をテーマにした万華鏡はいろいろあります。
野田さんの桜は淡くてやさしい印象が魅力的ですね。

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てまり Japanese style kaleidoscope by Emiko Kimura

2013-03-13 23:48:41 | 万華鏡ブログ

てまりをイメージした可愛らしい万華鏡は、木村えみ子さんの作品です。 京都万華鏡ミュージアムでは、「春」をテーマにした作品を中心に展示されていますが、そこで春らしい、きれいな色合いのこの作品に出会いました。
着物地を使った和の万華鏡で、色も雰囲気もほんわかとしていていいなあと、何度も覗いてしまいました。 布を巻いているので手に持った時にも、温かみを感じます。



オブジェクトはいくつかの布を組み合わせて創ったてまりのような球体です。その球を回すと、表面の生地の模様が組み合わされて、万華鏡模様になって見えています。

映し出された映像は、ガラスやビーズとは違った雰囲気と面白みがあります。

木村さんはステンドガラスの大作も創られる作家さんですが、このように着物地を使った作品も大好きです。 どんな素材でも生み出された万華鏡からは、いつも作家さんの温かい気持ちが伝わってきます。

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佐藤元洋さん うつわ・万華鏡の世界

2013-03-11 23:12:18 | 万華鏡ブログ

ガラス工房 元 作品展のご案内です。
ガラスと万華鏡が優美に融合する独自の世界を開拓してきました。
色彩あふれる万華鏡や器たちをぜひ手にとって感じてください・・・というメッセージ。
DMの写真を見れば、園田知暁さんの銀線細工があしらわれた「芽生」という素敵な作品が載っています。
 
佐藤元洋さんのガラスの万華鏡に新たな魅力を加えています。
過去に拝見した作品ですが、イメージの中に銀線細工が取り込まれています。

今度の個展では、どんな作品を見せてくれるのでしょうか。 

2013年3月19日(火)から24日(日)まで。 10時~19時 (最終日17時まで)

晩翠画廊

仙台市青葉区国分町2-3-13
電話 022-713-6230
http://www.bansui-gallery.co.jp/   

19,20,23,24 日は作家在廊だそうです。

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金箔や銀箔の舞う美しい世界 

2013-03-09 18:18:16 | 万華鏡ブログ

美しいグラデーションに、金箔や銀箔を散らした万華鏡は、小林綾花さんの「虹の星」シリーズの作品です。 現代的なアクリル製の筒に透明度の高い樹脂を使った独特の筒のデザインです。そこに伝統的な雰囲気のある金箔や銀箔を使っているところが、素敵ですね。

高さ11cmほどの筒ですが、色の層と描かれた模様で、それぞれが一つの世界を表現する存在感のある作品です。 

こちらの作品は「きのこの森」。小林さんはきのこが好きだそうで、その自然な造形の面白さを描いています。 確かに色や形など、きのこには不思議な魅力がありますね。 小林さんの虹の星シリーズに素敵にマッチしている図案です。

オブジェクトセルは、外の色に合わせた天然石やパール、スワロフスキーなどがオイルの中に浮かんでいます。 軽やかな動きで、次々に輝きに満ちた映像を見せます。

黒い背景に流れるように変化する映像から、目が離せなくなりそうです。

写真では流れや奥行き、深い輝きなどが表現できず、残念ですが、とても魅力的な映像になっています。

こちらは右側の「ラダックの月」という作品。 小林さんが好きな場所、ラダックはインド北部のチベット文化圏だそうです。 標高3500m以上の地で、空がとても近く、星や月の輝きが印象的だったと伺いました。 大好きな場所を心をこめて描いたのがこの作品です。 高い山、月、湖、僧院、仏塔などが丁寧に描かれています。

こちらも深い輝きに満ちた天然石の色合いが美しく、流れるように変化するさまを楽しめます。

上の写真のもう一点は「ペルベウ」で、チベット独特の図案と文字がデザインされています。
作家さんが好きなもの、大切なものを万華鏡の筒に描き、思いを込めて映像を生み出していると思えば、どの作品も大事に見ていきたいなあと思います。 

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