万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

白い背景の万華鏡

2007-05-31 22:39:14 | 万華鏡ブログ
オブジェクトセルの種類として、ドライやオイルといった分類のほかに、背景の色によって、映像が違ってくることを前にも触れました。この写真はチャールズ・カラディモスさんのクラシックコーンというシリーズのひとつですが、ここでは、一部が透き通っているすりガラスが背景に使われています。いわゆる白い背景の作品です。
一般的にはすりガラスを使うことが多いのですが、その理由は光を正面から通しながら、向こう側の景色が映り込まないためです。セルの中は外からは見えませんが、オブジェクトは光を通しやすい素材(ガラスや偏光素材など)を使い、その重なりによる色の変化の妙を楽しみます。ブリュースターが考案した万華鏡も、その後、ブッシュが考案した万華鏡もこのタイプがほとんどで、ドライセルの中で光を通してきれいに見えるオブジェクトを選んでいました。
カラディモスさんの追求しているのは、このような古典的なスタイルを極めて、より美しい映像を生み出すことなので、彼の作品の基本は白い背景の作品です。
そして探してみると、意外とこのタイプの作品が少ないことに気が付きました。万華鏡の進化とともに、さまざまなバリエーションが生まれ、工夫や創意の表し方もいろいろになっていますが、このオーソドックスなカラディモス万華鏡には、多くのファンがいる事も事実です。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

結婚のお祝いに万華鏡を

2007-05-29 17:46:15 | 万華鏡ブログ
キャロリン・ベネットさんの定番シリーズ、リキッドサスペンションに新デザインの登場です。薔薇のブーケの写真を筒に巻いたもので、結婚のお祝いを想定した「ウェディングローズ」というタイトルです。
リキッドサスペンションシリーズはアクリル製の筒の内側にさまざまなデザインの紙を入れているので、耐久性もあり、透明感がある万華鏡です。テーマに沿ったデザインが選べ、また大きなオブジェクトセルにも、筒のデザインに合ったオブジェクトが選ばれています。透明で中のオブジェクトが見えるところが、この万華鏡のデザインのポイントでもあります。
「ウェディングローズ」では、オブジェクトも白、淡いピンクやブルー、色のない透明なもの、パールなど、結婚式のイメージにあわせた清楚な雰囲気で、その中に、ふたつのウェディングリングがゴールドの輝きを添えています。
嬉しい記念日に万華鏡を自分のために買ったり、大切な方にプレゼントしたりする方も多いようです。
繰り返しのようで繰り返しでなく、いつも新しい映像を生み出す万華鏡。
これから毎日、昨日と違う「新しい今日」を共に迎えようとするカップルへのお祝いにいかがでしょうか。
 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万華鏡の「ちから」

2007-05-28 21:34:56 | 万華鏡ブログ
私はインターネットで万華鏡のあれこれを書いていますが、その願いは「こんなすてきな世界があります!」とお伝えすることです。実際に手にとって楽しみたい万華鏡ですが、実物を見る機会のない方にも、見たことがある方にも、そんな万華鏡との出会いや再会を、インターネットを通して、そのきっかけとなるお手伝いができればと思っています。
最近では、メディアを通して認知度も上がってきた現代万華鏡の存在ですが、まだまだ作家さんの存在やその作風などの情報が少ないような気がしておりました。最初は偶然に出会って手にとった万華鏡から、その作家さんへの興味がわいたり、さらに他にはどんな作品を創っているのだろう?と思ったときに、参考にしてもらえるようにと思って書いています。
このブログは、万華鏡ファンのひとりとしての、私の感動の記録だったり、癒された記録でもあるわけですが、それは万華鏡の持つ「ちから」をお伝えしたい気持ちにもつながります。
今までにいろいろな人から聞いた万華鏡に関する言葉の数々が示すように、万華鏡は、きっと言葉の壁を越えて、音楽やスポーツのように人を感動させ、幸せにする「ちから」を持っていると私も信じているからです。
万華鏡を覗いているとき、人はネガティブな気持ちにはならないでしょう。万華鏡の美しい映像に出会ったら、きっとささやかな幸せを見つけた気分になるのではないでしょうか。
日常生活の中のひとこまに、自然の営みに、心を癒されることもあるでしょう。万華鏡が生活の中で、ふともたらしてくれる楽しさも、ぜひその小さな幸せリストに加えて欲しいなあと思っています。私にとっての万華鏡はそんな存在。
どうか、万華鏡を覗いてみんながやさしくなれますように。そんなことを考えながら、このブログを書いています。
最後にお知らせ。万華鏡に関することばで分かりにくいこともあるかと思い、Kaleidoscopes Japanのウェブサイトに「万華鏡のことば」というページをつくりました。ご参考になれば幸いです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

RAKU の万華鏡 2

2007-05-23 17:35:13 | 万華鏡ブログ
昨日に続いて陶器の万華鏡です。同じ作者の作品ですが、陶器のアーティストと万華鏡作家のコラボレーションの作品かもしれません。
陶器の万華鏡本体、台座部分とも土の感触を残したままのシンプルな形で、脚の部分に刻まれた格子の模様だけが装飾となっています。ドラム型のオブジェクトは、ステンドガラスを格子状に組みあわせたもの。昨日の作品もそうでしたが、ガラスの色合い、土の色に合わせた装飾はんだ、そして万華鏡が自然な結びつきのように思われます。シンプルですが、円と四角形のパターンが組み合わされたデザインはアール・デコ調でちょっと懐かしいような雰囲気です。
万華鏡はもともと「違う素材、アート技法を組み合わせた」アートですが、組み合わせの「意外感と統一感」をじょうずに表現した作品としてご紹介しようと思いました。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

RAKU の万華鏡 1

2007-05-22 22:20:59 | 万華鏡ブログ
この万華鏡は数年前、あるアメリカのギャラリーで見かけたもので、過去に見たことのない作風でしたので、カメラに収めました。いずれ調べれば分かるだろうと思っていましたが、未だに同じような作品に出会ったことがないので、まだ分かりません。(どなたかご存知でしたら教えてください。)
アメリカでも日本風な焼きものをRAKUと呼んでいるようですが、これもそのひとつで、釉薬をかけて焼いたボディーには和のイメージがあります。ですが、全体が陶器製の作品で脚付きのパーラー型になっているのは珍しいし、大きくてシンプルな構成を見るとやはりアメリカンという感じもします。
ステンドガラスのホイールの大変細かい細工が目を惹きます。そして、ボディーにあった色合いの装飾はんだが、土の感触の残る陶器とステンドガラスという組み合わせをナチュラルに表現しています。
あまり詳しい説明ができませんが、とても印象的な作品でしたので、ご紹介しました。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メタルワークが独特 豊田万里さんの万華鏡

2007-05-21 17:57:53 | 万華鏡ブログ
金属を素材とする万華鏡作家さんの作品は、たとえば細野朝士さんのように、シンプルで飾り気がない円筒形ボディーや、角敏郎さんのように、機械や時計のようなカチッとしたボディーが良く知られています。若林寛さんの金属製の万華鏡は、真鍮や古風な雰囲気を醸し出す色合いのメタルでの作品が多いかなと思います。
今日取り上げる豊田万里さんの作品は、平板な銀色のステンレススティールを素材としながら、女性らしいあしらいが独特のデザインとなっています。筒の形はユニークなオーバル。曲線のデザインが美しいワイヤーワークの装飾。装飾はんだ。外から見ても美しいオブジェクトのガラス細工。そしてオブジェクトセルそのもののデザイン。
以前個展のときにも似たような作品をご紹介しましたが、似ているのは蝶のデザインだけです。オブジェクトはピンク系のガラスを中心にいろいろな素材が見えて楽しいです。ミラーシステムは2種類入っていて、ひとつは狭い角度の2等辺三角形に組まれている3ミラーシステムで、大きめの8ポイントの映像の周りに重なるように曼荼羅映像が映り込みます。もうひとつは、サークルミラーでグルグルと色が立ち上ってくるような映像です。ドライワンドを左右に少し動かしたり、前後に回して映像の変化を楽しみますが、好きな映像のところで止めてゆっくり眺めやすいスタイルです。ピンク系の映像は時に可愛らしく、時に優雅でうっとりとしてしまいます。光をたくさん通すタイプのセルなので、覗く場所や明るさでも雰囲気がすごく変わります。

このスタイルの作品は、筒の形や大きさは同じですが、ワイヤーワークのデザイン、ミラーシステムの種類、オブジェクトセルのデザインの違いで、いずれも同じものはないので、(ご本人曰く、同じようには作れないので)万華鏡展や専門店で見かけたら、ぜひお確かめください。これは何ですか?と聞くと予想外の答えが返ってくるオブジェクトが使われていたり、ちょっとした工夫があって、いつも感心させられています。創りながら楽しんでいらっしゃるのだろうなあと思うと、覗く人も楽しくなることでしょう。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黒い背景について

2007-05-18 23:19:55 | 万華鏡ブログ
いくつか万華鏡を見ていくと、「オイルタイプ」「ドライタイプ」そして「黒い背景」という言葉を聞くことが多くなると思います。英語の「バックグラウンド」を訳して「背景」としていますが、万華鏡の場合、オブジェクトセルの奥、つまり覗き口と反対側の一番遠い部分で、まさにオブジェクトの背景となるところです。
特に2ミラーシステムの作品の場合、三角柱に組んだミラーの第三面は黒い反射しない素材を使うので、周囲が黒く、中心のある円状の「曼荼羅」映像が生まれますが、オブジェクトの後ろ側も黒になっていると、オブジェクト以外のすべてが黒く見え、オブジェクトが美しく浮かび上がって見えます。オイルセルとの相性が良いのも特徴で、黒の中で流れるような動きや深みを感じさせながらきらめく映像は魅惑的で、多くの人の目を奪い、心を捉えて離しません。昔の万華鏡にはなかった現代万華鏡の要素でもあり、人気のあるところです。
黒い背景の場合、向こう側からの光を通さないので、横から光を入れるオブジェクトセルになっています。このような場合は、透明感よりも質感の面白いオブジェクトの方が映像効果があり、バーナーワークによるガラス細工、ダイクロイックガラス、ビーズなどを使って作家さんも個性を出しています。
この映像は、初期の頃から黒い背景で2ミラーのオイルセルの万華鏡を作ってきた先駆者のひとりである、ランディー&シェリー・ナップ夫妻の最新作シンビオプティックです。次々に浮かび上がる映像に目を奪われる素晴らしい作品ですが、黒い背景の効果を知り尽くしての映像表現だと思います。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界を見る万華鏡

2007-05-17 22:19:57 | 万華鏡ブログ
地球儀を台座にパーラー型の万華鏡を創ったのは、ジュディス・ポールとトム・ダーデン夫妻のイメージス工房です。2003年に製作された20個の限定版です。この地球儀は市販されているもので、それぞれの国で産出する天然石を象嵌して美しい地図を描いていると説明されています。海の部分は淡いクリーム色で万華鏡の筒も同じ色にまとめています。
「ワールドヴュー」というタイトルですが、その名が示すように、3種類のオブジェクトセルが用意され、それぞれ「大地」と「空」と「海」を表現しています。「空」のセルは昼と夜の2つの部分に分かれています。壮大なテーマですね。
ジュディスさんのデザインするオブジェクトセルは、色合いも美しく、テーマ性があるので、セルを交換しながら覗いていると、地球の物語が語られているような気がします。 さらに、3枚のフィルターが付いていて、それぞれ「雨」、「雲」、「氷」を表し、オブジェクトセルとミラーシステムの間に差し込んで見ると、映像の雰囲気が一転します。テーマに沿った交換可能なセルの組み合わせと、差し換えて楽しむフィルターは、彼らのパーラー型万華鏡の特徴です。セルもフィルターも簡単に差し換えられるつくりになっています。
この万華鏡は2つのミラーシステムを持っているので、組み合わせの数は、3×3×2通り、つまり18通りの見方が出来るということです。そしてこの美しい地球を見るための19番目のテレイドスコープも付いているという、大変見ごたえのある万華鏡なのです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トレイを回して楽しむ万華鏡

2007-05-16 14:36:28 | 万華鏡ブログ
コーキー・ウィークスは、生み出す万華鏡の種類の多さ、特に外部デザインの多彩さに目を見張るものがあります。いろいろな素材を使いこなして独自の作品に取り入れていくエネルギーにはいつも驚かされます。
この作品はここ2-3年製作するようになった「アンダー・ザ・グラス」シリーズのひとつで、パーラー型の作品。
このシリーズは金属を打ち出したメタルワークで、さまざまなテーマに沿った模様を作り出し、ガラスの筒の内側に配したものです。この写真の作品では、木の葉をデザインしたメタルワークになっています。
このように作られた筒を使って、オイル入りチェンバータイプのオブジェクトを見る手持ち型、パーラー型のほかに、この作品のように回転するトレイを見るドライタイプを創作しています。
トレイの上にはコーキーさんの選んだオブジェクトが載っていますが、固定されていないので、かき混ぜたり、入れ替えたりして楽しむことができます。大きなトレイなのでたくさんのものを載せていろいろな映像が見れると思います。自分のコレクションする小さくてきれいなものを並べて見るのも楽しいでしょう。ガラスと金属と美しい木部を組み合わせたデザインも秀逸で、お部屋の飾りとしてもすてきな作品です。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フラワーブーケの万華鏡

2007-05-15 14:25:04 | 万華鏡ブログ
ステンドガラスで万華鏡を作る作家さんが多い中で、デブラ・デービスさんの作品はかなりユニークです。具体的なテーマに沿ったステンドガラスの造形作品でありながら、高品質な万華鏡であり、デブラさんのビジョンを形にしたものなのです。大人になってもどこかにある子供の心を取り戻し、夢見るひとときを提供したいという思いで、夢のある作品を創り続けてきました。
この作品は「フラワーブーケコレクション」の一品。1994年から製作しているシリーズで、大きさが3種類あります。
花瓶に花を生けたようなデザインになっていますが、オブジェクトはこれらの花です。手の込んだ装飾はんだでまとめられた大きな花束を回転させてミラーシステムを通して映像を楽しみます。皿状ではありませんが、これもホイールタイプの万華鏡です。右少し奥に写っているのは、乗り物シリーズのうちの汽車です。
いずれも使っているガラスの表情がとても良く、ステンドガラスの丁寧な創り、そしてきちんとしたミラーシステムの生み出す映像に心惹かれる作品です。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする