万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

偏光の新しい世界を開拓

2020-06-29 15:31:10 | 万華鏡ブログ

銀座のギャルリ―・ヴィヴァンさんで開催中の細野朝士さんの個展(7月3日まで)に伺いました。 まだまだコロナ警戒中ながら、細野さんが新しく創っている作品「幻」シリーズを見たくて、4か月ぶりの電車での外出となりました。 こんなに緊張して電車に乗ったことはありませんでしたが、銀座で下車してほっとし、ギャラリーまでの景色がとても新鮮に感じられました。

偏光の万華鏡作家として新境地を開拓する細野さん。お話を伺いながら、あれこれ拝見して改めて多彩な色模様に驚かされた次第です。 色の無い偏光素材をオイルセルの中で組み合わせ、色を演出しているとのこと。ほしい色を出すための試行錯誤を経て、ほぼ思ったような色が出せているそうです。 80パーセントぐらい偶然の賜物かと思っていたのは大きな間違えでした。細野さんによるとシンプルな「足し算」ということですが・・・

2ミラー4ポイントの映像は繰り返し映像が少ない分、単調になりがちという場合もよくありますが、細野さんの作品の4ポイントはとても面白くて、クールなデザイン画のようだと常々思っています。

色の変化の時間までも推し量って構成を考えているとのこと。 創り出された流れのある模様に圧倒されるばかりです。

次は角度の狭い3ミラーシステムから生み出される映像です。 角度が狭い分撮影は難しいのですが、雰囲気が伝わるでしょうか。くっきりと鮮やかな世界が視野いっぱいに広がります。

繊細な模様が素敵ですね。次は深い青の世界が展開されたところです。

妖しい色模様は、微妙に変化して、混ざり合います。拡大してみました。

本当はもっともっと多彩なうえ、色鮮やかで強いインパクトを感じる3ミラーですが、強い色調ばかりでなく、柔らかい水彩画のような色調もふと現れるところにも惹かれます。

いつまでも覗いていたくなる小さな2本の万華鏡。とてもシンプルなボディーの中に展開する思いがけない色の世界をお楽しみください。いただいたアーティストカードには Simple + Special と書かれていました。その通りです!

偏光の万華鏡のみを制作する作家さんはたぶんほかにはいらっしゃらないと思います。研究を重ねてその世界を広げてこられた細野さんの未来にはどんな万華鏡の色模様が生まれてくるのか、これからも楽しみにしたいです。

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コーキー・ウィークスさんの作品コレクション

2020-05-30 22:29:15 | 万華鏡ブログ

1年前の6月初旬に、アリゾナ州フェニックスで開催されたブリュースター・カレイドスコープソサエティのカレイドスコープ・エキスポに参加しました。今年も6月に予定されていましたが、残念ながらCovid 19の蔓延で開催を来年に延期することになりました。昨年の写真を見ていましたら, 念願だったNellie Blyを訪問したときのことが懐かしく思い起こされました。
アリゾナ州ジェロームにある万華鏡専門店Nellie Bly は、フェニックスから車で砂漠の中を2時間ほど走った山間にあり、以前は鉱山で栄えた歴史のある古びた町です。 その雰囲気を残したままリノベーションを施したレンガ作りの建物は、万華鏡店とその倉庫、コーキー・ウィークスさんの作品を集めたプライベート・ミュージアム、万華鏡の保存と振興のために活動するスタッフの部屋、ミーティングスペースなどから成る「万華鏡館」でした。

特に店主のメアリーさんが敬愛するコーキー・ウィークスさんの作品のコレクションが素晴らしいと聞いていましたので、ぜひ拝見したいとお願いして見せて頂きました。
コーキー・ウィークスさんは万華鏡ルネッサンスの初期のころから活動してきた作家さんで、創造力にあふれ、ユニークなアイディアをたくさんの作品に創り上げた作家さんです。

こんな風にたくさんの作品が並んでいます。多種、多作で有名な作家さんですから、コレクションのし甲斐もあるというものですね。

初期の頃は真鍮製のしっかりとした作品が主流でした。小さなペンダントタイプから大きなパーラータイプまで多彩なラインナップです。一つの筒に二つのミラーシステムを組み込むアイディアは彼女が最初に考案し、ブリュースターソサエティ―での「創造的作品賞」の最初の受賞者(1986)となりました。このことは万華鏡界にとって大きな一歩前進だったとコージー・ベーカーさんも書いています。

彼女の作品で目を惹く特徴のひとつが、両目でも覗ける大きな覗き口です。オブジェクトに向かって傾きをつけたミラーシステムからは、立体的な映像が大きく展開します。

外観の素材は様々ですが、次のような形の万華鏡は、私が最初に拝見したときに、なんとお洒落なデザインだろうと思ったことを思い出します。

広い覗き口、先端に向かって狭くなっている筒(内部のミラーシステムも)、筒の先端を斜めにカットしてオブジェクトを置く形、中のオブジェクトが美しく見えるオブジェクトセル、全体の姿の美しさ。
そしてこのようなミラーの組み方、カットの仕方から見えるのが、立体的な大きな映像です。

そして、そのままでも宝箱みたいなオブジェクトセルは、取り外しも簡単で交換も可能です。

ちなみに2006年に私がこのブログを始めて3日目にご紹介したのが、コーキー・ウィークスさんのこのデザインで異素材の作品でした。 https://blog.goo.ne.jp/kaleidoscopesjapan/d/20060210

もう一つ彼女らしさが出ているのが次の作品。ガラスと木の使い方が素敵な造形作品ですね。

やはり大きめな覗き口から覗きます。 オブジェクトは回転する木製のトレイに載った色とりどり、形も様々なビーズやガラスなどで、きれいなものが大好きな作家さんらしい色模様が展開します。こちらは少しユニークなミラーシステムです。

コーキー・ウィークスさんの作品が覗ききれないほどあるコレクションルーム。 オーナーのメアリー・ウィルスさんに感謝したい気持ちと、今でも色あせない魅力をもち続けるコーキー・ウィークスさんのカレイドスコープへの感動に包まれた一日でした。

 

 

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オブジェクトはリボンの束

2020-05-03 23:30:48 | 万華鏡ブログ

今日はとても独創的で、楽しくて、きれいな万華鏡をご紹介します。トーマス&キャロル・パレッティ―夫妻の「スローヨーヨー」です。以前にもご紹介したことがありますが、外出自粛の今、家でいろいろな万華鏡をゆっくりと覗きながら改めて感動し、再発見して嬉しくなった作品について、書いてみたいと思います。
「オブジェクト」とは、ミラーの筒の先に設置され、ミラーの筒を通してその反射が模様になる、「画像(映像)の素」になるものです。
ミラーの筒を通して見るのはいろいろなリボンやブレードをつなぎ合わせた”長い”オブジェクトです。この長いオブジェクトを伸ばしたり、巻き戻したりしながら見える万華鏡模様が、何とも言えずきれいで可愛らしいのです。

光沢があるリボン、透き通ったリボン、ブレードなどつなぎ合わせただけのカラフルな紐状のものが3本、絡み合い、重なり合っていろいろな組み合わせになります。

取っ手を回して伸ばしたり、巻き戻したりするので、ドライタイプでも映像変化が滑らかです。膨らみもあって、丸っこく、手毬のような雰囲気の映像が、様々な質感や色合いを見せて変化するのです。

ほかのパレッティ―作品と同じように、2ミラーシステムで、ミラーの筒の第3面には溝を彫りこんだ木材を配しています。これが模様の周りを飾ります。

オブジェクトは何でも良いのです。万華鏡を通して見たときに何がきれいで、何がわくわくするか、作家さんの技の見せどころですね。 パレッティ―夫妻はたくさんの楽しいアイディアを、高品質な作品に実現しているところが素晴らしいです。

 

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カラディモスさんのオブジェクトとシンメトリーの技

2020-04-22 10:30:33 | 万華鏡ブログ

前回ペギー・キテルソンさんのガラスオブジェクトを取り上げました。 今日はカレイドスコープルネッサンスの初期から30年以上制作を続けるチャールズ・カラディモスさんのガラスオブジェクトを取り上げたいと思います。
彼の作品の基本は、オーソドックスな2ミラーシステムであり、ドライセル (オイルが入っていないので、オブジェクトが重力に従って動き、ぶつかりながら混ざり合います)にこだわって創っています。初期の頃はいろいろなミラーシステムに挑戦し、オイルセルにも挑戦したことがありましたが、今ではこのスタイルに落ち着いています。

独特のオブジェクトがよく表れているのがこの写真です。

まず、黒いオブジェクトです。 一般的に、カラフルな万華鏡映像の中で黒が積極的に使われることはあまりありませんでした。カラディモスさんの以前の作品ではかなり多かったのですが、最近の作品では少ないながらも、アクセントやデザインとして効果的に使われています。

それから粒々が見えていますが、これらは透明な、細いガラスの筒(アンプルといいます)に小さなガラスの粒をいれたものです。なので、小さな粒はそのガラスアンプルの中だけで動きます。粒がばらばらになって見える模様とはまた別の面白さがありますね。

カラディモスさんの作品では、オブジェクトセルの背面(筒を持った時、一番奥の部分)から光を取り入れます。これも特徴の一つです。 背面のガラスは半透明で光を通すガラスを使っています。そのガラスの色模様や質感が独特なものは映りこんで、画像に変化を与えます。この写真の作品ではすりガラスを使っています。

ひとつの万華鏡の模様が、覗いた時に視野の中心にあって、全方向にシンメトリーが整っていると心地よいと感じます。そのためにカラディモスさんは「逆テイパードの2ミラーシステム」を取り入れています。「テイパード」とは先が細い状態を言うことばですが、逆になると、ミラーの幅が上と下で幅が違い、細い方(覗き口側)から太い方(オブジェクトセルに近い方)へ組まれていることを示します。一枚のミラーは縦長の台形になっています。長さや幅のバランスも、一番きれいに見えるように作家が決めます。同じ幅のミラーを組んだ時と比べて、覗いた時に中心がずれにくく、しかも大きな画像を見ることができます。

大きく見える分、ミラーを組んだ線や傷なども見えやすくなりますので、ミラー組みの技術が必要とされます。

カラディモスさんのこだわりは、正確なシンメトリー、回すたびにガラリと表情が変わる模様、複雑で組み合わせの面白さを生み出すオブジェクトの数々、黒い世界の中にくっきりと見える曼荼羅模様。 飽きることのない一期一会の連続です。
外観は、今までステンドガラスを窯でスランピングし、はんだ付けをして筒を作ってきましたが、最近、吹きガラスの筒で作品を制作したそうです。ウェブサイトで拝見しましたが、彼の新しい方向になるかもしれません。楽しみです。

 

 

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オブジェクトは小さな造形作品

2020-04-13 21:54:11 | 万華鏡ブログ

このオブジェクトセルを見ただけで、ミラーの筒を通してどんな映像が展開するのだろうとわくわくしませんか? 
ペギー・キテルソンさんのオブジェクトセルはいつも本当に美しく、オイルの中で流れるような色模様の変化にうっとりします。アメリカでカレイドスコープルネッサンスの立役者であり、万華鏡のファーストレディと呼ばれたコージー・ベーカーさんも注目して、2002年、万華鏡本に彼女の個性的なオブジェクトをテーマの一つとして取り上げました。手作りのガラスオブジェクトは、バーナーワークによって伸ばしたり、ねじったり、色を重ねたりして一つ一つ作られます。それが作家さんごとに違っていて、万華鏡の個性になります。このセルのガラスオブジェクトはたくさんの花の姿をしています。ひとつひとつがペギーさんによるガラスの造形作品になっています。

中心の7ポイントの模様を映し出す2ミラーシステムですが、ミラーの第3面にダイクロイックガラスを使っていて、ガラスオブジェクトの色を映しこみながら、中心模様の周囲を彩ります。(注:ダイクロイックガラスとは、ガラスの表面に金属を蒸着させて、独特の反射や輝きのあるガラスですが、見る方向によって色が違って見える特徴があります。後でご紹介するこの万華鏡の本体にも、使われています。)

一つ一つの花がミラーシステムの枠で切り取られ、分割されたまま、反射により別の模様になっていきます。変化は持続的で、覗いている目の前でどんどん変化していきます。オイルの濃度によって、動くスピードも違ってきますので、その動き方も作家さんの個性の一つです。

このオブジェクトセルの魅力は花の造形だけでなく、ガラスの種類にもあります。輝きのあるガラスのオブジェクトによって、映像に深みや趣きが添えられていると思います。

もちろん万華鏡では、ランダムなかけらが思いがけず美しい映像になることも、混沌が秩序に変わることも私たちは知っています。そのうえで、作家さんの想いをオブジェクトひとつひとつに込めるというチャレンジも素晴らしいなあと思うのです。

このセルがついているのが、下の写真の万華鏡です。 着物が広げて飾られているようなデザインで、木枠の中で傾けて上部の覗き口から覗きます。

2017年京都で開催された万華鏡世界大会でも披露された作品と同じテーマですが、着物の模様も、オブジェクトセルの中身も一点ずつ違っています。久保田一竹さんの辻が花着物の連作「光響」に魅せられたペギーさんが大切に作り続けているシリーズなのです。

 

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可憐な野の草をテーマに

2020-03-23 12:30:51 | 万華鏡ブログ

本来だったら心浮き立つ春の日々なのに、コロナウィルスの目に見えない恐怖に世界中が委縮してしまった感じがします。そんな中、春の空気に触れたくて、桜の花の咲き始めた公園や通りを歩きながら、春を感じている人も見受けられます。気がつけば足元にも野の花がけなげに咲いていて、元気をもらえますね。
今日ご紹介する万華鏡は、依田満さん・百合子さんの工房から届いた小さな作品シリーズです。パフェのグラスのような形で、立てて飾ります。覗き口はトップにあります。

左から、「シロツメクサパフェ」 白いスモークのかかったガラスにサンドブラストで四つ葉のクローバーが浮き上がっています。 依田さんの万華鏡の特徴の一つであるオープン2ミラーシステムは、鏡をV字に組み、第三面を閉じない組み方で、筒の模様をそこから映しこみます。中心の4ポイントの映像の周りに見えています。

四つ葉のクローバーを見つけたみたいでちょっと嬉しくなります。

 

真ん中は「アカツメクサパフェ」。 全体がピンク色のガラスなので、映り込んだ映像にも華やかさが増します。

可憐という言葉がぴったりな華模様ですね。

右側は「スミレパフェ」。 スミレの花が白い筒に浮き出ています。 中を覗くと、すみれ色の4ポイント。小さくて目立たない花だけどロマンチックな響きを持つすみれをとても小さなガラスオブジェクトで見せてくれます。

この写真よりもはるかに小さなガラスのオブジェクトが混ざり合い、重なり合って作る色模様。

ひそやかな自然の優しさを万華鏡に表現して、そっと届けてくれるような作品たちです。

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引き継ぐ心と拓く意思

2020-03-08 12:01:01 | 万華鏡ブログ

久しぶりの投稿となりました。今日ご紹介するのは、高林千稔(たかばやしちとし)さんの新作万華鏡「East meets West」です。木工によるボディデザイン、アクリルを美しく整え丸みを帯びたオブジェクトセル、白のオブジェクトが生み出すニュアンスへのこだわり、覗きやすさを考慮した機能面でのこだわりなどを独自の表現で形にしています。

数種類の木材を層にして組み、緩やかなカーブをつけて削ることで、それぞれの層が現れてくるというボディの模様は、木目の現れ方が部分ごとに違っていてユニークなデザインになります。木肌は手に持っても心地よく、また先端部のオブジェクトセルはベアリングを組み込むことで滑らかに回転するので、気持ちよく映像の変化を見ることができます。

今回ご紹介する2点のアクリルのオブジェクトセルの背景は、それぞれ青と白になっています。青の映像からご紹介します。

白の陰影の向こう側に広がる青が背景の色を映しこんでいる部分です。

高林さんの万華鏡制作のコンセプトのひとつである白いオブジェクトと、シェリー・ナップさんから学んだガラスオブジェクトが組み合わされているところから「East meets West」というタイトルがつきました。ナップ夫妻の工房で学んだ時のことがブリュースター・カレイドスコープソサエティのニュースレターで記事となり、その時のタイトルが 「East meets West」だったので、そのタイトルを使うことにしたそうです。

またこの限定版万華鏡シリーズは、昨年万華鏡制作から引退したナップ夫妻へのオマージュでもあります。ナップ夫妻の工房で、シェリーさんから学んで作ったガラスオブジェクトを取り入れ、自分らしいオブジェクトと組み合わせました。

白の陰影が美しいですね。


次はオブジェクトセルの背景が白の作品の映像をご紹介します。

こちらは背景が白いので、そこに重なる白いオブジェクトがさらに表情豊かな陰影となり、シェリーさんのガラスオブジェクトがアクセントになっています。

白のオブジェクトと一言でいっても、実際は形状、薄さ、異なる白さにまでこだわっているので、重なりあって生まれた一瞬が鏡の反射で曼荼羅模様となった時に、ニュアンスのある映像表現になるのだと思います。

2次元の映像ながら深みがあり、静かだけれどリズム感が感じられる映像になりました。

背景が黒のものも含めて3種類の限定版だそうですが、これからナップ夫妻にもこの限定版作品を贈る予定と伺いました。

木工はランディさん、ガラスオブジェクトはシェリーさん、そして万華鏡そのものをお二人から学んだDNAが今後高林さんの手と心を通して受け継がれつつ、独自のデザインを生み出していくことでしょう。

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蝶文様 ー 中里保子さんのシリーズ作品 -

2019-12-02 15:36:38 | 万華鏡ブログ

中里保子さんの「蝶文様」です。 橙色のガラスがユニークで和風の雰囲気ですが、お尋ねしましたら、ドイツのランバーツ社の手吹きアートガラスだそうです。 被せガラスをサンドブラストして、蝶文様を刻んでいます。温かみと深みのある色合いに,上品な輝きが美しい蝶が飛びます。
ガラスをオーバルなボディーになるように焼いて、前面にオリジナルデザインを施したシリーズ作品を数種類制作なさっていますが、これもその一つ。 ボディーのガラス、オブジェクトの色合いなど一つ一つ異なっています。

特徴の一つが、オリジナルのオイル入りのセルです。 セルを偏光フィルターで緩やかに二分し、一方にはバーナーワークによるガラスオブジェクト、もう一方には、無色透明な偏光素材のオブジェクトが入っています。

筒の中には狭い角度に組んだ二等辺三角形のミラーシステムが入っていますが、その先でこのセルを回転させると、二つの種類が重なりあい、影響しあうので、雰囲気の違う映像が次々に現れては消えていきます。

虹色の色模様。 無色透明な偏光素材のオブジェクトは、入ってくる光によって色付き、色を変化させます。

透明さを増すこともあります。

大きな10ポイントの中心映像は 鏡を18度という狭い角度に組むことで生まれます。 きれいな映像にはミラー組みの精度が要求されますね。

ガラスオブジェクトをメインに見ているときは、こんな風に花が咲いたような映像になります。 飾っても美しい蝶文様に加えて、中を覗けば、色合い豊かな世界を楽しめる作品です。光と鏡とオブジェクトが組み合わさってこその色模様は、偶然性に満ちながらも万華鏡の醍醐味であり、作家さんの個性の見せどころです。

中里保子さんのウェブサイトがリニューアルされ、素晴らしい数々の作品の写真を見ることができます。また、教室や、積極的に万華鏡の魅力を伝える活動にも参加なさっている様子なども紹介されています。ぜひご覧ください。
万華鏡作家 中里保子 GLASS-STATION
https://www.glass-station.com/

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世界のきらめき万華鏡展

2019-11-22 15:26:32 | 万華鏡ブログ

2019年11月13日から12月22日まで、流山市の万華鏡ギャラリー寺田園茶舗 見世蔵 で開催中の「世界のきらめき万華鏡展」に行ってきました。今年で第10回を数えるそうですが、日本人作家さんの数も増え、歴史を重ねてきたことを感じさせる充実した品ぞろえでした。
上の写真も万華鏡の映像です。 創意工夫にあふれる作品を次々に生み出す若林寛さんの「モルフォ」は、覗きながら小刻みに正逆転すると幻想的な蝶がはばたく展開を見せ、びっくりします。 独特の筒の表現もそうですがオリジナリティあふれる作品が、ほかにも展示されています。

次は端正な姿と独自のミラーシステムでの映像が美しい中村明功さん・あや子さんのパーラータイプの作品2点。

5.5ミラーシステムが生み出す映像は迷宮のようにどこまでも奥深く、そして人間の目で見ると、もっとずっと鮮やかです。

中里保子さんの「Fleur de Crystal」 は、今年のBKSコンベンション出品作。 毎回覗くたびに違う美しさに出会うので、またご紹介。

これからますます日が短くなる季節に、室内で楽しむ万華鏡はいかがでしょうか。 窓から入る直射日光、LEDライト、室内の照明などいろいろな光によっても万華鏡の映像の見え方は違ってきます。 
作家さんの技術も上がってきて、また素材も工夫することによって、パーラー型だけでなく、小ぶりのハンドヘルド型でもびっくりするほど個性的で、多様な種類が出てきました。ガラス、陶器、磁器、金属、アクリル、木材、紙、繊維を生かして、きれいで夢のある作品がたくさん並んでいます。

覗くたびに新しい模様を見せてくれる夢の筒。 何を見せるか、何が見えるか、作家さんの創意工夫をぜひ手に取って、覗いて受け止めていただきたいです。子供から大人までそれぞれに、きっと心に響く作品があると思います。そんな風に感じた展示会でした。

 

 

 

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万華鏡伝来200年記念巡回展

2019-10-30 22:26:58 | 万華鏡ブログ

このブログでは、作家の創る現代万華鏡のアートを多くの人に知ってもらいたい、万華鏡は大人の感性にも訴える魅力があることを、ずっと伝え続けてきましたが、この度そんな思いを分かち合う万華鏡作家を中心とした組織が立ち上げられ、表題の展示会を仙台、名古屋、東京で順番に開催しています。今日、東京の会場を訪れました。 一軒のお宅を訪ねる雰囲気で、居心地の良い展示空間でした。

この展覧会のためにデザインされた個性豊かな大作が並んでいます。

山見浩司さんが代表になっているこの組織は、Art Kaleidoscope Japan です。 これらは山見さんのBKSのコンベンション出品作の数々。中に隠された美しい映像は山見ワールド。

橋本伸子さん、野田麻里さん、香川千幸さんの作品。 それぞれプロフィールや作品の説明があり、作家さんの想いが伝わります。作品説明の右下にあるQRコードをスマートフォンで読み込むと、作家さんのプロフィールが示されます。(これは新しい!)

松田晃江さんの「花かんざし」。様々な素材に挑戦する作家さんで、今回はつまみ細工で真鍮の筒を飾りました。中も可愛らしい2ミラー映像が2種類。

生駒かずよさんは”きのこ愛”を万華鏡に表しました。どちらも覗くと繊細なガラスオブジェクトによる模様が見えます。

長谷川順子さんの「令和へ万葉集より」は平安の雅を表現し、新しい時代を祝う作品です。和の布を生かし、内部にはダイクロイックガラスでキラキラした大きな映像と、梅の花の映像の2種類が展開します。

中里保子さんの「fleur de cristal」は、大きなガラスの花を外と中に見せる美しい作品。 本体のガラスは裏から金彩と銀で着色し、積層ガラスとの組み合わせは中里さんならではのガラス表現です。 

沼尻のんさんのエレガントな「天使の羽」。 オリジナルなオブジェクトは天使の羽だそうで、白くて優雅な映像展開が素敵です。

小嶌淳さん・喜多里加さんの「Lovers   Strawberry Thief」。喜多さんの陶器デザインはいつも中の映像を期待させます。そして期待を裏切らない小嶌さんによる内部映像。 覗きやすさにも配慮した魅力的な作品です。

 

中村明功さん、あや子さんご夫妻の「The Holy Mountain」 端正なステンドガラスの造形の中には、いつもオリジナルな映像が展開し、鮮やかで奥深い世界へ誘われます。5.5ミラーシステムとはどんなものでしょう?

清野一郎さんの「花器万華鏡」 白地に黒、金彩の和モダンな磁器の花器。花と万華鏡を一緒に飾るのも素敵ですね。

冨澤哲夫さんの「ディープブルー」は海の中を表現。立体的なリングが見える不思議な3D映像を生み出す作家さんです。

北村幸信さんは、チャレンジと工夫、アイディアの面白さが持ち味の作家さんです。 置き型の作品の限界にチャレンジした「ミラーが回る」。
LEDやセンサー、マグネットを組み込んで、内部照明やオブジェクトの着脱にも工夫の仕掛けがあります。

かたおかきくよさんの「時空 -トキソラー」は、すっきりとスマートな筒の中に深く、繊細な赤の世界が美しく展開します。万華鏡が伝わった江戸時代の時の鐘をイメージした作品です。

心がほっこりする細井厚子さんの「kaleido fairy」 中には鏡の妖精がいるようです。ゆっくりとオブジェクトの流れる景色を楽しみます。

舘川瑞枝さんの「月光のゴブレット」 月の光に満たされた青の世界が目を惹きます。

実松弘明さん、浩代さんの「赤椿」です。 中にも大輪の椿の花が咲き誇る工夫が素晴らしいと思いました。

勾梅智晴さんの「Sun Flower」  黄色のひまわりが美しく描かれています。 透明感と揺らぎの中に万華鏡を組み込みました。

小野寺慶子さん・良明さんの「水の精/Ondine」は、ステンドガラスとハーバリウムを組み合わせた作品。イメージを膨らませながら制作なさったのでしょうね。作家さんの自然に対する想いが伝わってくる優雅な作品だと思いました。

松本よしこさん・たけおさんの「翔」は充電ドック付きで、内蔵LEDながら、電源コードをつながなくても良いスマートな作品。中の映像も幻想的な美しさです。

全体的に見て、日本の作家さんが技術を高め、工夫をしてより良い作品を目指していることが感じられて素晴らしいと思いました。そして作家さん同士で作り上げた暖かい雰囲気の万華鏡展なので、見に来ていらっしゃる万華鏡ファンの方もお話をしながら楽しんでいる様子が感じられ、こちらも暖かい気持ちになりました。

まだほかにもご紹介できていない作品もありますこと、ご容赦ください。また、畳のお部屋に並んだ販売用の作品も大変見ごたえがありました。

2019年10月29日~11月4日

代官山スペースR

東京都渋谷区恵比寿西1‐35‐3(最寄りの駅は、東横線代官山駅)

お問い合わせ https://www.art-kaleidoscope.jp/

 

 

 

 

 

 

 

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