万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

蜻蛉の万華鏡 ~IKA展から~

2006-07-31 18:26:06 | 万華鏡ブログ
IKA展の公募部門に出品された蜻蛉(Dragonfly)という長谷川順子さんの作品です。蜻蛉の舞う姿がステンドガラスできれいに作られています。羽に使ってあるガラス素材を見た時に、蜻蛉を作ろうと思いたったそうです。蜻蛉の細い胴体に異なった2種類のミラーシステムが入っています。オブジェクトは、二つの「グルグル大きな目玉」で、リキッド入りの球体にバーナーワークのガラス片などが入っており、手で回せるようになっています。 尻尾の方からそれぞれのミラーシステムを通して見える映像は、青い方は、「夏の青い空」、そして赤い方は、「夕焼け茜雲」をイメージしたそうです。「とんぼのめがねはみずいろめがね。あおいおそらをとんだから・・・」という歌がうかんでくるような夢のある作品です。蜻蛉を追いかけた子供の頃を思い出してしまいました。
後ろの壁に飾られているのは、版画家による万華鏡をテーマとした作品です。このブログでも以前に、アメリカの、万華鏡映像をキルトにした作品をご紹介しましたが、日本でも万華鏡をキーワードにした新しい世界が展開することをめざして、IKA(国際万華鏡協会)会長であり、このギャラリーのオーナーである緒方和子さんが企画し、多くの作家さんが作品を出品なさいました。
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向日葵のデザインが素敵な万華鏡 ~IKA展から~

2006-07-30 19:21:16 | 万華鏡ブログ
これは、ステンドガラス工房Glass Rocketsの大石光興さんの万華鏡「夢~向日葵の贈り物」です。オブジェクトの先端と筒の飾りになっている2つの向日葵が花盛りで、梅雨明けが宣言された今の季節にぴったりな万華鏡です。 ステンドガラスの筒のデザインも、スタンドを含めた全体の姿も美しいですね。葉の色もとてもきれいなガラスです。大きくて、夏の空に映える向日葵が素敵な造形作品になっている上に、中を覗くと、そこにもまたゴールドに輝く花弁が美しい向日葵の花が咲いていて嬉しくなります。花弁の形に見えるように2ミラーシステムに工夫がしてあります。オブジェクトはオイルチェンバーで、バーナーワークによる手作りのオブジェクトが入っています。大石さんは何世紀もの時代の流れの中で、必ず残っていく“本物”を目指し、そして心をこめて“優しく夢のある作品”を創る作家さんです。
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たまゆら  ~IKA展から~

2006-07-29 23:56:23 | 万華鏡ブログ
IKA 展でテーマ賞を受賞なさった松田晃江さんの作品「玉響」(たまゆら)です。IKA展には、テーマ部門、自由部門があり、テーマ部門の今年のテーマは「球」でしたが、松田さんの作品がテーマの表現として一番その趣旨に沿った、優れた作品とみなされました。作家さんのコメントをご紹介させていただきます。
「『たまゆら』とは宝石の放つ一瞬のきらめきを表すそうです。また別説では土壌に蓄えられた有益な宇宙エネルギーのことだと言う方もいます。辞書には『勾玉が触れ合った時に出る微かな音』とありました。『たまゆら』のもつ意味を少しでも表現できれば良いなと思って作りました。本体の中には異なった4種類のミラーシステムを入れてあり、スペア(のオブジェクトセル)を2個つけて、ひとつの万華鏡で12倍楽しめるようにしています。また万華鏡本体を勾玉の集合体にしてランプとしても使えるようにしています。」
ちょっぴり古代の雰囲気を漂わせて勾玉を球体にデザインしているところが素敵です。明かりを付けたランプの姿も見たいですね。
作家さんの万華鏡製作に込めた気持ちを知ると、作品への理解が深まり、その魅力を受け止める土壌が見る側にできるように思います。逆に言うと、説明がないとその奥深さまで理解しにくいのが、万華鏡のアートとしての難しさであり、同時に興味深さなのかもしれません。
IKA展はプロ、アマチュア、国籍は問わず、 次世代を担う創造的な万華鏡作家の発掘を目的としているそうですが、出品作品はなかなか力作ぞろいで、毎年レベルも上がってきているそうです。この公募展で力をつけ、作家として活動し、作品が高く評価されるようになった方もいらっしゃいます。今後がさらに楽しみです。
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夢-ひきだし ~IKA展から~

2006-07-28 17:53:23 | 万華鏡ブログ
IKA 展で特別賞を受賞なさった名取清さんの作品、「夢ーひきだし」です。一見して和ダンスのミニチュアで素敵な飾り棚かなと思いますが、これが万華鏡だと分かる人はまずいないでしょうね。この引き出しはそれぞれミラーシステムであったり、オブジェクトであったりして、引き出して組み合わせて万華鏡やテレイドスコープとして楽しめるようになっています。そのことが分かると、なんと素敵なネーミング!と思います。
ミラーシステムの筒5本と6種類のオブジェクトは、それぞれマグネットでカチッとくっつくようになっていています。きっと万華鏡が大好きな方が、いろいろな面白さを詰め込んで工夫なさった作品なのだなあと思いました。ご自身のウェブサイトでより詳しい写真を載せていらっしゃいます。http://www.webone.ne.jp/~toriki/ks/exposition/tansu01.html
たくさんのアイディアが万華鏡になっているTORIKI工房さんの作品にこれからも期待したいと思います。
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長い間愛されてきた万華鏡シリーズ

2006-07-27 13:54:49 | 万華鏡ブログ
この映像はウッドランドガラス工房のキテルソン夫妻による「Mystic Rapture」の内部映像です。「神秘的で不思議な歓喜の世界」へと誘うという意味を込めたタイトルだと思います。彼らの定番カレイドスコープであり、なんと1993年から創り続けられている作品ですが、様々な表情のあるアートガラスを使い、その外観に合った内部映像を生み出すために、ひとつひとつバーナーワークで創り上げるオブジェクトの組み合わせにも同じものはなく、何時までも新鮮さを失わない、とても息の長い、素晴らしい作品シリーズです。写真の映像は、ピンクを基調に紫、白、黒など、いろいろな形のオブジェクトが時折きらめきながら、美しい映像世界を展開する作品です。この作品のユニークなところは実はその本体のガラスです。豊かな色合いの内部映像を包み込む本体は、グレイの濃淡の陰影があるガラス、つまり無彩色のモノトーンのガラスを使っています。一見地味ですが、なかなかお洒落で素敵です。
このブログでは作家さんの手作りのアート万華鏡を中心に、万華鏡~カレイドスコープ~の魅力をお伝えしたくて、いろいろご紹介しています。このたびオンラインショップを開設し、少しずつですが私自身が直接作家さんから買い付けました万華鏡を販売することに致しました。作品の詳しい説明、作家さんの紹介も載せておりますので、ブログともどもぜひご覧になさってください。Kaleidoscopes Japan の ウェブサイト(日本語ページ) www.kaleidoscopes.jp からリンクしております。
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指輪物語という万華鏡 ~IKA展から~

2006-07-26 19:53:22 | 万華鏡ブログ
IKA展で矢萩さんと並んで優秀賞を獲得した「指輪物語」という作品です。この素晴らしい映像効果について、作家の富澤哲夫さんの説明をそのままご紹介します。「トールキンの指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)を万華鏡に表現してみました。映像は滅びの山の噴火を指輪が大きくとりまいています。立体映像を5つのアイホールから角度をかえてお楽しみください。」(山の部分が映りきれていませんでした・・・)
ミラーシステムの工夫の大変さを想像しながら、それぞれの穴から覗いて楽しませていただきました。作家さんによると、ミラーに穴をあける(!)ところと、組み立てるときの穴の位置あわせにかなり苦労なさったそうですが、とても大きくて、きれいな指輪でした。オイル入りのワンドがオブジェクトになっており、本体を突き抜けるように組み立てられています。どうしたらこんな風に見えるのかなあと思う不思議な面白さに満ちた万華鏡です。IKA展の公募部門は今日まででしたが、明日から(8月5日まで)は招待部門だそうで、名だたる国内外の作家さんの万華鏡が見られるとのこと。とても楽しみです。
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ひと時の幸せを願う万華鏡

2006-07-25 18:42:09 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介した矢萩弘子さんの「Happy Flower」の内部映像です。昨日の写真では見えませんでしたが、互い違いに組み合わされた3枚のホイールと本体のミラーシステムとの間にもうひとつ、透明なガラスのドライセルがついていて、中にビーズなどのオブジェクトが入っています。この映像の中心部にあたるところ、つまり「大輪の花」の芯に当たるところが、細かいオブジェクトの動きで変化するようになっています。内部映像は、「ボディーのカラーに合わせて、グリーンを基調とした映像でありながら、単調にならないように工夫しました」と作家さん自身の説明がありましたが、ホイールの重なり具合で色と模様が大きく変化して、その工夫がちゃんと感じられます。素晴らしいのはやはり独特の映像の色合いです。別々に動く3枚のホイールを回すと、派手すぎず、しかも華やかで、豊かな映像、繊細でありながら大胆な構図の模様がどんどん生まれてきて、秀逸だと感じました。(写真ではその魅力を撮りきれませんでした。すみません・・・)
ホイールのはんだ部分がきれいな花弁のラインとなって映りこんでいますが、これもまた映像の一部として大きな効果を見せています。また覗き口がしずく型になっていて、可愛らしく、覗きやすくなっています。「ハッピーフラワー」というタイトルに矢萩さんは、見た人に一時の幸せを感じていただきたいという想いを託しました。
Comments (2)
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大輪の花 ~IKA展から~

2006-07-24 21:29:06 | 万華鏡ブログ

銀座のギャルリーヴィヴァンで開かれている第6回IKA(国際万華鏡協会)展に行ってまいりました。このIKA展は万華鏡を新しいアートのジャンルとして定着させる目的で2001年にスタートし、今年で6回を重ね、万華鏡作家さんの登竜門になっている作品展です。公募展には作家さんの力作が並び、その表現も多種多様で、大変面白い催しになっています。 詳しくは http://www.g-vivant.com/kaleido/ibento.html をご覧下さい。
今日の写真は、優秀賞を獲得なさった矢萩弘子さんの「Happy Flower」です。ステンドガラスの技術が素晴らしく、装飾はんだも美しく、とても丁寧に作られた作品です。ボディーの花のデザインと3枚の花のような大きなホイールが目を引きます。作家さんご自身のコメントによると、外部のデザインも内部の映像も「大輪の花」をイメージして創られたそうです。作家さんの想いが伝わってきますね。高めの台の上に置かれているので、パーラータイプのように置いたまま、ホイールを回転させて映像の変化を楽しみます。重くなりがちな大型のステンドガラスの作品を、上手に見せることに成功していると思います。内部の映像はまた次回にご紹介したいと思います。

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壁掛け万華鏡

2006-07-22 22:46:28 | 万華鏡ブログ
ピーター&スキーター・ディマティア夫妻の万華鏡で、珍しい壁掛け万華鏡をご紹介します。ディマティア夫妻は、想像力と創造力にあふれた万華鏡作家で、1991年から材質、形、テーマなど多岐にわたる作品を作ってきました。「もう万華鏡を置く場所がなくなった人のために考えたの」とスキーターさんは冗談ぽく言っていましたが、この万華鏡は壁にかけて、飾りとしても楽しめます。彼らの万華鏡のスタイルのひとつに薄い箱型のものがいくつかありますが、これらの作品もそうです。表面を飾るのは、樹脂粘土(ポリマークレイ)で作られた「フラワータイル」で専門のアーティストによる作品だそうです。
ミラーシステムは角度の狭い3ミラーで、薄い箱状の本体の幅いっぱいにミラーシステムが入っているので、生み出される映像は大きく広がりがあります。オブジェクトは細長いガラスのシリンダーの中に、タイルの色に合わせて、ランプワークによるガラスケイン(ガラス棒)が長いまま、数本入っています。明るい色合いでひねりを加えたガラスケインは、光をとらえて、クリアーなイメージを生み出します。ボディーに使われているステンドガラスはワッサーガラスというとても薄いガラスなので、重量も軽く、壁にかけても問題ありません。 家やオフィスの飾りとして、そして時々中を覗いて映像を楽しめる、こんな万華鏡も楽しいですね。花ばかりだけでなく、風景画や動物などをデザインしたものもあります。
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最後のひとつの万華鏡

2006-07-21 20:51:25 | 万華鏡ブログ
スティーブ&ペギー・キテルソン夫妻の限定版万華鏡「Whispy」です。本体のガラスは特別注文のガラスで、過去の限定版にも使われていたことがあります。白地にグレイや赤茶色の細い線や流れるような模様がランダムに走っています。表面が透明で、とても繊細な雰囲気の美しいガラスです。かすかな細いラインが名前の由来です。スタンド部分は木目の美しいウォルナット材がシャープなラインで形作られ、傾けられた丸い筒と美しいバランスを保っています。オイルセルを支える先端部の金色の輪とゴールドのパティーナを施したはんだ部分がよくマッチし、アクセントとなっています。
オブジェクトはもちろん、名手ペギーさんのバーナーワークによるガラス細工で、白や茶色の濃淡を中心に、赤、金、黒などの色を配し、外部のデザインにあった、落ち着いた華やかさのマンダラ映像を演出します。また通常の作品とは違って、マーブルやムリーニといった少し大きめのガラス細工も入っているのが、セルの横から見えて楽しいです。もしかしたら、ほんの少し姿を見せているこれらの存在感のあるオブジェクトも、外観のデザインの中に計算されているのかもしれません。
あちこちに限定版らしいこだわりの部分が見られる作品は、20個の限定製作の20番目です。
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