万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

「シェル」という名のテレイドスコープ

2008-01-29 17:28:19 | 万華鏡ブログ
昨年12月に初個展を開かれた赤津純子さんの作品展ではオーソドックスなタイプのステンドガラスの万華鏡から、ユニークで独創的な作品まで、いろいろ見せていただき、このブログでも紹介いたしましたが、今日ご紹介するのは、とても凝った造りのテレイドスコープです。
模様の入った板ガラスをスランピングの技法で変形させ、縦長の合わせ貝の形に創り上げ、渦を巻くワイヤーで水晶球を留めてあります。その外観の通り、タイトルは「シェル」。透明な水晶球は貝のはいた泡のようにも見えます。いろいろな貝殻が並んできれいですね。
ガラス曲面の美しい表情に加えて、さらに側面には本物の貝殻とガラスを装飾はんだで繋げた凝ったデザインです。
ややテイパード(先細)に組んだ3ミラーシステムを通して、レンズの向こうの凝縮された景色が万華鏡模様になって映りこみます。
テレイドスコープは一般的にはあまりテーマを持たせることもなく、シンプルなデザインが多いので、「貝殻」というテーマを持ち、造形的な面白さを狙ったテレイドスコープというのも新鮮な印象を受けました。
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万華鏡は人生応援メッセージ

2008-01-28 22:45:51 | 万華鏡ブログ
今日はとても華やかな映像を選びました。佐藤元洋さんのドライセル万華鏡の2ミラーの映像です。
本体のガラスはローズ/琥珀/白の流れるような模様が美しい作品です。
筒を回転させて映像の変化を楽しみますが、ドライセルなので小気味良く新しい模様が生み出されていきます。2枚の鏡の組み合わさった「Ⅴ」の間に捉えられるオブジェクトの量によって、すごくにぎやかな時と、さびしい時があり、この華やかな映像の次の瞬間には、空間の多い、やけにすっきりした映像になったり、全く色合いの違う模様になったりするのが、何といっても面白いし、目が離せません。
この小気味よい変化が好きなドライ派とゆったりと流れ、宇宙遊泳のような変化が好きなオイル派、あなたはどちらでしょうか。一時はオイルタイプのほうが人気がありましたが、最近はドライタイプもまた復活して見直されています。
「1つ美が壊れるところから新しい美が生まれる」万華鏡は、失敗や不幸にもめげず、より良い明日へと前向きに生きる人への応援メッセージを伝えているような気もします。いつ覗いても美しい万華鏡を身近に置いて、そんなメッセージを受け取って欲しいと思います。
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透明万華鏡の中は?

2008-01-26 23:09:16 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介した不思議な万華鏡の筒は、断面が縦長の半円形です。覗くとこんな幻想的な映像が目に飛び込んできます。透明で、光を受けて色が見える偏光素材をオブジェクトに使っているのだと思います。 豊田さんに伺ったところ、この万華鏡は鏡を使っていない!とのこと。どうしてこんな風に見えるのかはよくわかりませんが、とてもきれいですね。オブジェクトの重なりがまた面白い色模様となるところが魅力的です。虹色の輝きに遭遇すると、空に虹を見つけたみたいにハッピーな気分です。ピントがあっていなくて、ボーッと見えるところは、実は柱のような映像が映りこんでいます。 「透明」がキーワードのこの万華鏡には不思議な魅力があると思います。
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透明万華鏡

2008-01-25 18:35:23 | 万華鏡ブログ
今日はいつもとちょっと違った写真のようですが、これは透明な万華鏡です。透明であることをお見せするために持ってくださっているのは、「国立・アートの庭」のオーナー、近江さんです。豊田万里さんの「トランスパレント」という作品ですが、不思議だと思いませんか? 透明なのに万華鏡なんですから! 内部にはきれいな万華鏡映像が見えるのですから!
近江さんとどうしてなんだろう?と言いながら覗いたときのひとこまです。
これはきっとマジックミラーに違いない!との結論に達したのでした。一方からは向こうが見え、向こうからは鏡になっているアレです。少し無理があるかなと思いましたが、後で豊田さんに伺ってみたところ、やはり「はずれ」でした。
万華鏡は不思議な要素がいっぱいあるものですが、この作品は最近見た中で一番不思議な、そしてきれいな万華鏡です。
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ガラスオブジェクト+ドライセルの魅力

2008-01-24 17:13:33 | 万華鏡ブログ
前回ご紹介の佐藤元洋さんの作品の内部映像です。3ミラーと2ミラーがありますが、今回は3ミラーのもの。この写真ではトリミングしているために少しずれていますが、万華鏡を覗くと真正面に7ポイントの大きな映像があり、その周りにたくさんの繰り返しの映像が見えています。 
「これがその映像展開の雰囲気です」とはとても言い切れないほど、多様な形模様、色合いを見せるので、写真を選ぶのに非常に困りました。とても1本の万華鏡とは考えられないくらいです。
スリガラスを通して外から見るオブジェクトは結構カラフルで赤、ピンク、黄色、オレンジ、ブルー、グリーン、パープルなどで、透明感のあるものばかりです。それらが重なって違う色にもなって映りこむのですね。
ガラスオブジェクトの形状も面白くて、いつまで覗いていても飽きないどころか、もっと綺麗なものが見えそうで、目が離せない万華鏡です。
オイルセルとの決定的な違いは、ドライのオブジェクトは筒を回してもいつも下のほうにまとまっていることです。ミラーシステムの開口部は筒の回転でいろいろな向きになりますが、どのあたりにオブジェクトが来るかで、映像に空間ができるときと、全面が色で埋まるときがあり、それもまた、多様な変化につながります。そんな面白さを十分に考慮して、オブジェクトの大きさや形状を決めているのです。
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佐藤元洋さん 新タイプの万華鏡

2008-01-22 23:49:48 | 万華鏡ブログ
吹きガラスの万華鏡作家、佐藤元洋さんの新しいタイプの万華鏡をご紹介します。厳密に言えば、昨年の個展で発表されたものですが、今までの作品とちょっと違った雰囲気で、グリーンと淡いココア色の混ざったガラスの色調が新鮮です。
オブジェクトセルは、白い半透明なガラスのドライタイプで、薄めです。透明なガラスの球にカラフルなガラスオブジェクトがオイルの中で動くさまが見えるタイプと比べると少し地味に思われる方もいるかもしれませんが、すっきりとした姿もまたきれいだと思います。色はこのほかにも、ブルー系やローズ系などもあるようです。
新しいのは外観だけではなく、その映像です。昨年の個展では、ドライタイプに力を入れていたようで、その映像表現にも新展開を見せてくれました。ガラスの美しさを見事に表現し、「ガラス色の幸せ」を感じさせてくれる嬉しい万華鏡です。
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花蕊がポイント

2008-01-21 10:25:24 | 万華鏡ブログ
豊田万里さんの野の花シリーズ、ピンク色の花の万華鏡の内部にはこんな花が咲いています。本当の花のように、立体的にめしべやおしべがこちらに向いて目に飛び込んで来るよう。奥は白い世界、そして花びらはオブジェクトの動きに伴って、変幻自在に変化する素敵な花模様です。一足先に春が来たみたいな万華鏡ですね。
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野の花を映す万華鏡映像

2008-01-20 22:32:41 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介の豊田万里さんの「野の花」は、白いガラスに野の花がフュージングされているシリーズの一点ですが、外見の白が清清しくてとても印象的です。覗くと、二等辺三角形に組まれた3ミラーシステムを通して、淡く優しげな花模様が視野全体に広がります。このオブジェクトセルはドライセルで、構造は二重になっています。外側には白っぽいガラス片のみが入っており、ミラーに近い内側に、外の花模様にあわせたガラスオブジェクトが入っています。ふたつのセルが重なって生み出す映像は、全体的に淡い色合いですが、野の花のようにはかなげでありながら心惹かれる景色です。
この写真はブルーの花の内部映像で、ブルーや紫、グリーンのガラスが白い背景に繊細で魅力的な映像を描きます。このほか、赤い花やピンクの花を描いた作品では、赤やピンクの花が白い背景の前に浮かぶ花模様がなんとも可愛らしく、テーマを良く表現した作品です。
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野の花

2008-01-19 21:51:54 | 万華鏡ブログ
豊田万里さんとガラス作家芳賀紀子さんのコラボレーションによるフュージングの技法を使った作品「野の花」シリーズのひとつです。semicylinder(半円筒)の形状が万華鏡としては珍しいですね。作家さんも愛情を込めて「かまぼこ」シリーズと呼んでいらっしゃいますが、確かにそのようにも見えますね。
芳賀さんは以前に万華鏡製作に挑戦なさったことがあり、万華鏡のことを良くご存知だったそうです。豊田さんがガラスの筒の製作を依頼した際も快く引き受け、また豊田さんの意図を良く理解してくれて、コラボレーションの作品が生み出されました。
形と構造を豊田さんが伝え、花や動物のデザインは芳賀さんにお任せしたとのこと。その筒を組み立て、ミラーを組み、オブジェクトを製作、選択するのは豊田さんの仕事となっています。
豊田さんはガラスの作品でもいくつかの新しい試みに挑戦していらっしゃいます。例えば、半円筒という形もそうですが、ほかにもはんだを使わないことでモチーフのデザインが際立つようにしたり、この「野の花」シリーズでは、オブジェクトセルが二重になっていたりします。またレインボーシリーズでは映像の周りに美しいラインが映りこみ、「レインボー効果」を見せています。またご紹介したいと思います。
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「豊田万里の世界」展から

2008-01-18 10:25:29 | 万華鏡ブログ
今年も嬉しいことに新春から、東京、国立の「アートの庭」では万華鏡展を企画してくれました。1月15日から27日まで(月曜定休)豊田万里さんの個展を開催中です。万華鏡アクセサリーのほか、メタルワークのパーラー型作品、手持ち型作品、ガラス作家さんとのコラボレーション作品など多数展示されています。豊田さんの万華鏡世界がさらに広がった、素敵な作品展です。
今日ご紹介するのはメタルワークのパーラータイプの作品です。無機質になりがちなステンレススティールの筒を柔らかな曲線と装飾で演出した万華鏡は、ご覧の通り優美で暖かさを感じる印象です。オブジェクトのバーナーワークによるガラス細工は筒の中に繊細で美しいガラス色の世界を展開します。アクセサリータイプの小さな万華鏡もたくさん作っていらっしゃいますが、小さいためオブジェクトの選び方、セルの大きさや細工などに制約があるそうです。そこで、パーラー型やハンドヘルド型では、新たな試みで背景を黒くしたり、横から光を取り込むタイプなど、また異なった映像表現に挑戦し、作家さん自身思いがけない映像を楽しんだそうです。本当に覗くたびに「きれい!」と思う作品でした。
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