紫外線撮影用のストロボがあるらしいのですが入手ルートがわかりません。特注なのかな?キセノンフラッシュの発する光線には紫外線も含まれているということですので、とりあえず、入手可能な一般的なストロボを改造してみました。
樹脂製のフルネルレンズが紫外線の透過を妨げているのではと思い、それを透明のガラス板に交換してみました(下画像)。発光部を引き出した改造ストロボをベースにしたので変なスタイルになってしまっていますが、今回の改造は発光部のみです。フロントには紫外線透過・可視光吸収フィルターを抜き差しするためのフィルターホルダーを取り付けてあります。ガラス板についてですが、紫外線を有効に放出させるにという点では無い方が有利かもしれません。ガラス板は、感電防止のため、また、キセノン管の破裂といった事故から身を守るため取り付けました。一般的なノンコーティングガラスは、近紫外線のうち、UV-Aはそこそこ透すものの、人体に有害とされるUV-B、UV-Cをあまり通さないとのことです。その点でも、ガラスでカバーしておいた方が安心感があります。

ストロボ本体:GN28 紫外線透過・可視光吸収フィルター:HOYA U-340
この機材で撮影したのが下の画像です。花びらの中央部が黒くなり、外側が白くなる、紫外線写真の典型的なパターンを撮影することができました。
下画像: 左、可視光撮影、 右、ストロボによる紫外線撮影(U-340未使用)、グレースケール処理

発光部に紫外線透過・可視光吸収フィルター(U-340)を付けた場合と付けない場合を比較したのが次の画像です。フィルターを付けると可視光は吸収されるため、ストロボは発光しても光っているようには見えません。しかし、撮影できるだけの紫外線が放出されていることが確認できました。紫外線撮影用のストロボというのは、おそらく、こんな構造をしているのでしょう。いずれにせよ、ストロボを使った紫外線撮影では、UVをカットする眼鏡やゴーグルを装着して目を保護する必要があります。
左:フィルター無し 右:フィルター有り

紫外線撮影データ
カメラ:ソニーNEX-5N(全光線透過改造) レンズ:NIPPON KOGAKU EL-NIKKOR 63mm F3.5
フィルター:IDAS UV372-80
ISO:400 絞り:開放(F3.5) 紫外線撮影改造ストロボ使用 SS:1/250秒(仕様外シンクロ) 手持ち
ホワイトバランス:AWB(グレースケール処理) トリミング & リサイズ 画像補正