改造ジジイOLD

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CSマウントコンデジ

2010-04-28 15:43:25 | 改造カメラ

 マイクロフォーサーズ+アダプタで、フランジバック17.5mmのCマウントレンズも、スチルカメラに普通に使える時代が来たわけですが、Cマウントより、さらに5mmフランジバックの短いCSマウントレンズは、依然として、本来の用途以外での使用は一般的ではないようです。この防犯カメラなどに使われているCSマウントレンズでスチル写真を撮ってみようと、コンデジをCSマウント改造してみました。

 この手の改造には、トイデジ風な固定焦点CMOS機を使うのがセオリーだと思いますが、今回は、ベース機にCCD3倍ズームという、ごく一般的なコンデジを使っています。鏡筒不良などのジャンク品がかなりの数、格安で流通しており、研究用、実験用など、材料にはこと欠かないのですが、この普通のコンデジは、元のレンズを取り去ると起動エラーをおこしたり、スミアを防止するためのメカシャッターが内臓されていたりと、マウント化改造のベースマシーンとしては不向きとされています。

 複数台の研究用ジャンクカメラをいじり倒してわかったのですが、ズームコンデジの場合、鏡筒の根元付近やオートフォーカスメカなどの一部がセンサスイッチ(たぶん光センサ)になってまして、これらのメカが作動することで、スイッチがON/OFF(遮光/解除)し、カメラの起動を制御しています。レンズを除去しても、センサが残っていて、かつ、センサ周りのメカが稼動すれば起動エラーを回避できるという点に注目しました。具体的には、改造ベースマシーン(カシオEX-Z850)をズームさせた状態にしておいて、鏡筒の根元と、CCD直前に位置するオートフォーカスメカを残して、ざっくりとノコギリカットし、元のレンズを切除しました。(レンズ内に組み込まれていたメカシャッターは起動には関係ないパーツなので、レンズといっしょに切除)実は、ここでミスってしまいまして、ズームに連動して、センサを遮光したり解除したりするメカもいっしょに破壊してしまいました。センサを遮光状態に固定することで、カメラを起動することができたのは不幸中の幸いと言えます。(ズームレバーを操作するとエラーになるだけです)

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内部はこんな感じ。CCDはフロントカバーの裏側から取り付け   

 次にマウントですが、起動上欠かせないオートフォーカスメカがCCDの前にあり、この配置のまま、12.5mmのフランジバック内にマウントを収めるのは不可能でした。そこで、レンズユニットの裏側にあったCCDを取り外し、カメラの正面に持ってきました。EX-Z850は、CCDユニットの配線接続部(コネクタ接続部)がカメラの前側にあるタイプなので、この移動が可能でした。マウントにはCマウント中間リングを利用したのですが、マウントをカメラに固定するマウントベース(鏡筒)は、しんちゅう板を半田付けして作りました。CCDはボディからやや突き出た位置にあり、さらに、突き出た先にマウントがあるという配置になっています。

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CCDをフロントに移動 ここまでくれば、あとはマウントを付けるだけ

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CSマウントコンデジ完成

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TVレンズ装着

 スミアを防止するメカシャッターは別なジャンクカメラ(フジ4700z)からパーツ取りした開口径の大きいものを使用しました。ただ、電磁石に厚み(高さ)があったので、これを小型の電磁石(既にパーツ状態で手元にあったもので、何の部品だったか不明です)に交換改造し、マウントベース内に組み込みました。元あったシャッターユニットには絞りやNDフィルターがあり、数本の配線が来ていたのですが、交換品への配線はシャッター用電磁石への2線のみです。(NDフィルターを必要とする場合は装着するレンズ側で対処)

 カシオEX-Z850はマニュアル露出が可能です。スピード感があって操作性もよく、いいカメラだと思います。レンズ交換式に改造しても、普通に使えています。

 とりあえず買っておいたcomputar 3.6mm f1.6 というCSマウントレンズを付けて撮影してみました。対応フォーマットは1/2インチ。それに対して、EX-Z850のCCDサイズは1/1.8インチなので四隅が少しケラレます。3.6mmというのは35ミリフィルム換算で20mmくらいじゃないかと思います。樽型の歪曲収差があるので、セミ魚眼といった感じです。絞りは三枚、ボケの形も三角で荒れた感じがします。寄れるレンズなので、広角マクロ的な使い方が面白いと思っています。

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作例: ヒスイカズラ computar 3.6mm  F1.6  caso EX-Z850   

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作例: アサギマダラではなくオオゴマダラでした  computar 3.6mm  F1.6  caso EX-Z850