かどくら邦良@高崎市議会議員 ブログ

思いをブログに綴ります。

2017.8.30 北朝鮮との向きあい方

2017-08-30 17:09:46 | 日記
29日、朝6時頃にけたたましくなるタブレットと携帯の音。北朝鮮の弾道ミサイルが北海道上空を通過して太平洋に着弾した。

日本の領土、領空上に弾道ミサイルを発射した行為は絶対に許されない。北朝鮮としては建前は米韓合同演習に抗議するための報復としているが、瀬戸際戦略として米朝対話を優位に進めるための手段であろう。

今回の北朝鮮の弾道ミサイル発射で、いくつか見えてきたことを確保しつつ、北朝鮮に日本はどのように向きあうのか考えてみたい。

◎ 日本の安全は?

・北朝鮮の弾道ミサイル発射で日本の安全は日米安保、自衛隊の力で守ることができるのかという疑念である。
日本政府による地下に逃げろ、頑丈な建物に逃げろなどというのは全くの戯言でしかなく、Jアラートに意味がないこと。
あっても、原発も含め、日本の国土を1発のミサイルから完全に守ることは無理であること。

・日本有事の際に米軍がどこまで日本の安全に協力するのかが状況により不透明であること。

・日本や韓国にとってアメリカの核の傘は、日朝両国の安全のためではなくアメリカの完全担保が第一であるという疑念。

・北朝鮮へのアメリカの先制攻撃は、日本へのミサイル攻撃を誘発する可能性があり、かえって日本の安全を危うくする。

・したがって北朝鮮は日米韓を分析しつつ、米朝対話に少しでもアドバンテージを得るために、まさに戦略的に弾道ミサイルを発射したのだろう。


◎ 北朝鮮との向きあい方

北朝鮮は一筋縄ではいかない。落とし所も着地点も見えない相手である。しかし、今回北朝鮮のミサイルが5回目の日本上空を通過させたわけであるが、軍事力は無力ではないが、日本の安全確保のために絶対でないことが再確認された。やはり「外交の力」こそが専守防衛である日本にとって最大の力である。北朝鮮との戦争で最も危険な当事者になるのは日本と韓国である。両国ともに米軍基地があり、ミサイル攻撃など戦場になるのはやはり日本と韓国である。

そう考えると日本が安全を確保する外交的努力の力の源泉は日韓協力になる。戦場当事者になる可能性のある両国がアメリカ、中国、ロシアを説得しつつ、北朝鮮をまずは話しあいのテーブルに付けさせる必要がある。したがって日本と韓国は歴史認識や慰安婦像問題できしんでいるが、政治的優先課題を北朝鮮問題に集中させるべきである。

国連による経済封鎖が強化されている今、北朝鮮経済は苦しくなり、さらに国民生活はどん底になっていくであろう。最大の後ろ盾であった中国の北朝鮮への影響力が薄れている中で、誰が調停国となれるのか非常に難しい局面であるが、日本の外交力強化は韓国との連携強化以外にないと私は考える。安倍首相と文在寅大統領はただちにトップ会談を行い、北朝鮮問題に対処すべきである。

北朝鮮の生き残り戦略は巧妙で狡猾である。北朝鮮国民をどん底に突き落としても金王朝を守ろうとする一部の権力者は絶対に許されない存在であり、打倒の存在である。しかしあの国が国として存在している以上、その現実と向きあっていくのが政治のリアリズムである。くだらないアラームであったが日本の安全をリアルに考える機会になったとすれば意味があったかもしれない。

ただ、このミサイル事件で、在日朝鮮人のみなさんに対する差別やイジメなどがあってはならないことは言うまでもない。