8月9日上野村で行われたシンポジウムに参加しました。
上野村を生活圏の一部とし、自らの哲学を鍛える場としている内山節・立教大学大学院教授の呼びかけによるものです。
呼びかけ文では、
私たちの社会はゆきづまっている。いま私たちの前に展開しているのは、「勝ち組」、「負け組」などという言葉が乱舞する冷たい社会だ。食料も、原油も、すべてのものが投資対象になり、投機的なお金だけが世界をかけめぐる。農山村は疲弊し、地方都市も凡解への道を歩んでいるようにみえる。どうしたらよいのだろうか。私たちは根本的な問題から考え直さなければならないときに、きているのではないだろうか。
そのような問題意識をもちながら、私たちは「新たな多数派の形成をめざす上野村シンポジウム」を開催します。これからの社会のかたちは、自然と人間が結びあい、人と人が支えあう、そして過去と未来が結ばれている上野村のような地域と都市とを、生命が本来もっている暖かさで結ぶことにこそヒントがあるのだという思いをもつ全国の人々とともに、新しい社会をつくる哲学を探し出していきたいと思います。
となっています。
私の問題意識とピッタリ重なるシンポジウムです。
パネリスト(順不同)
淺野 大介(経済産業省商品流通グループ課長補佐)
池田 章(中小企業基盤整備機構プロジェクトマネージャー)
一瀬 美教(「株」大直代表取締役社長)
内田 研一(研ぎ師、ビジネスプロデューサー地域資源活用プログラム関東統括PM)
榎田 竜路(音楽家、プロデューサー)
大村 春夫(丸藤葡萄酒(株)代表取締役社長)
岡本 良知((株)岡本亀太郎本店専務)
岸本 吉夫(経済産業省中小企業庁経営支援部経営支援課長)
鬼頭 秀一(東京大学教授・環境倫理学、科学技術社会論)
木村 修(農事組合法人もくもく手づくりファーム社長)
木村 乃(ビズデザイン株式会社 代表取締役/内閣府 地域活性化伝道師)
栗田 和則(農林家)
神津 多可思(日本銀行金融機構局審議役)
篠上 雄彦(新日本製鐵株式會社環境部環境リレーションズグループマネージャー)
白岩 聖子(アールアンドディーアイスクエア株式会社所属)
秦 明生(経済産業省関東経済産業局地域経済部地域振興課係長)
秦 陽一(ものづくり生命文明機構理事)
高井 俊一郎(安産・子育ての宮 山名八幡宮 神職)
瀧澤 尚子(NPO「昭和の記憶」代表理事)
手塚 伸(山梨県商工総務課)
飛山 龍一(林野庁森林保全推進室長)
中井 徳太郎(人事院給与二課長)
中川 正次(富山県日本海政策課日本海学班長)
長野 麻子(農水省大臣官房情報課企画官)
中村 正樹(甲州市役所 NPO法人KOSHUかつぬま文化研究所常務理事)
御園 慎一郎(総務省官房審議官)
平山 繁之(ワイン醸造家、NPO法人KOSHUかつぬま文化研究所)
三枝 孝裕(財団法人・群馬県産業支援機構・産学連携グループ)
三宅 曜子((株)クリエイティブ・ワイズ代表取締役)
本木 陽一(アールアンドディーアイスクエア株式会社代表取締役)
吉澤 保幸(場所文化フォーラム代表幹事)
吉田 修(農事組合法人もくもく手づくりファーム専務取締役)
渡辺 浩二(愛媛県久万高原町商工会指導課課長)
パネリストは県内・県外からの参加者とも新たな出会いと意見交換でき、大変有意義なものとなりました。
「多様性」「モノサシ」「日本人である前に市川三郷人」「かせぐ」「和」「あい」「多様性と助けあい」「多様性、創造」「コミュニティー:となり近所の再生」「昭和の記憶」「日本語から日本語の翻訳」「美」「多様性・農」「つなぐ」「場所文化、ヘンな人」「みがけば光る」「クロスロード」「豊」「自立」などなど、それぞれがキーワードを発表し、それぞれが意見を述べていただきました。
地域の自立や中山間地域の再生が議論の中心となりましたが、「自立とは、閉じることではない。いかにして外に開かれているか。自立とは孤立ではない。」吉井町の自立派と正反対の自立論が展開されました。
真の地域の自立や再生とは、その町の「名」を残すことではなく、地域の「固有の価値や文化と街づくり」を「多様性」と「開放性」をしっかり持ちつつ、街の発展のための「戦略」を持てるかどうかなのです。
上野村は「自立」によって地域の発展を実現する。吉井町は「高崎市との合併」によって地域の発展を実現するという「戦略」の違いなのです。
ひたすら「閉じ」、「孤立」をすすめ、「県や国への依存」を強める吉井町の自立派とはまったく違うものです。
絶品のまぜごはん
竹のお猪口とプラム 地酒
上野村のおまんじゅう 紫蘇ジュース
夜は上野村のみなさんの「もてなし」を受けました。ほんとうに美味しいものばかり。
そして上野村住民のみなさんの「あたたかさ」をいっぱいいただきました。ありがとうございました。