20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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春うらら

2024年04月01日 | Weblog
          

           

今日から4月。
実は秩父の祖母の命日です。
お誕生日がクリスマスで、亡くなったのがエイプリルフール。
粋な記念日を残した生涯でした。

昨日の日曜日は、桜の開花状況を知りたくて、久しぶりに、公園を歩いてきました。

桜の開花は、まだ3割程度。

でも春の花でいっぱい。

          

          

          

          

これは、ソメイヨシノではなく、緋寒桜でしょうか?
花びらの色が濃いです。

       

          

山吹。
この花を見ると思い出すのが、忘れもしない、小学生の頃。
遠足です。
どこの吊り橋か、その記憶はありませんが、
「全員で、この吊り橋を渡って、向こうへ行きます。下を向いて歩くと怖いので、よく手すりにつかまって、前を向いて歩いてください」
先生の言葉に、友人たちは
「は〜い。ジュンコちゃん、行こう!」
どんどん吊り橋を渡り始めました。

私は下をゴウゴウと流れる、川の早さに慄き、足がすくんでしまいました。
渡り終えた友人たちは、
「早く〜!」
こっちに向かって手を振っています。
吊り橋は、誰かが渡るたびに、ゆらゆら揺れます。
吊り橋の麓には、満開の黄色い山吹の花が咲いています。

私は、山吹の花ばかり見ていました。
そして、意を決すると
「先生、私、ここで待っています」
そういうと、先生は
「帰りは、べつの道だから、どうしても渡らないとダメなんだよ」と。
「先生が、背中を捕まえてあげるから、渡ろう」
ガシッと先生が、私の背中を捕まえてくれました。

一歩、二歩。歩くたびに吊り橋が揺れます。
思わず、そこにしゃがみ込むと、
「先生、私、はって渡ります」

先生は驚いた顔をしましたが、手のかかる生徒が、自力で渡るのなら、見守ってあげようと、決めたような顔をしました。
「下を見ないで、真っ直ぐ前を見て進んでごらん。怖くないから」

はいはいをしながら、長いと思った吊り橋を、とうとう渡れました。

この山吹の花を見るたび、あの子どもの頃の光景がよぎります。

そして思うに、うんと昔から、運動神経が悪くて、怖がりで、ダメ人間だったということも。

骨折後のリハビリの時も
「あなたは、運動神経が鈍くて、それなのに、せっかち。だからこんな交通事故レベルの怪我をするんです」と、何度、都立病院のリハビリの先生に言われたか。

今でも人混みを歩いたりすると、突き飛ばされるのではないかと、その場に立ち止まってしまいます。
この鈍さは、一生、私に付きまとうのでしょう。
コメント
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