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去年、文庫本で読んだ『荒野へ』が映画化されて、口コミで静かに広まっているらしいと聞いて、見に行ってきました。
原作は読んだはずなのに、原作が吹っ飛ぶほどの重厚感でした。
一人の青年が自分を取巻くすべてのものを拒否して、大学卒業後に
放浪の旅に出かけて、最終的にはアラスカを目指す…と
簡単に言えばこんな内容。
アラスカをはじめ、自然の偉大さ、厳しさ、
そして生きることの厳粛さ…。
画面からあふれ出るメッセージに圧倒されました。
彼のアラスカへまでの道中にはいろんな人との関わりがあるのですが、
その一人、妻と子どもを同時に亡くした老人とつかの間一緒に暮らす場面がありました。
彼は皮細工の仕事をしていて、主人公の青年も一緒になって皮のベルトを作ることに。
青年がベルトに刻み込んだ模様は、ここまでの彼の歩んだ道でした。
最後に記すNと言う文字。
彼がようやくアラスカに到着し、そこで使っていたそのベルト、
だんだん身体が痩せ細り、ベルトの穴が移動していき…。
青年はアラスカでの記録を克明につけていました。
最後に記した言葉がなんとも胸に迫ります。
映画のタイトルは「イントゥ ザ ワイルド」。
両親が嫌いだったのか、両親が悪い、主人公は友達や恋人がいれば家出しなかったのかな、私なら途中で優しい人に出会うと目的地を諦めるなぁ、主人公はずっと帰らないつもりだったのかな、など色々考えました。
私なら・・家出する勇気はない、ストレスを小出しにする、働いてお金をためて家を出る、かなぁ・・
なんだか嬉しいなぁ。
私は平日の昼間に一人で行ったのですが、
私を含めて観客は五人くらいでした。
いろいろ考えさせられる映画でしたね。