靴が鳴る

このところ雨が多くて、外出するときに傘をさしているにも関わらずぬれねずみ状態になる。
私は決してこの状態が嫌いではなく、好きな部類に入るかも。
で、あるときから、積極的になり（！）
長靴ではなく、クロックスのサンダルを履くことにした。
水たまりのところもずんずん歩く。
大きいのが遠くから見えると、なんだかワクワクするくらいだ。
で、先日図書館へ行くときも、このサンダルを履いて、借りた本は濡れないようにしっかりとショルダーバックに入れて、ズンズン歩いた。
ちょっと滑りやすいので、それだけ気をつければ、これほど頼もしいサンダルはない。

…と、図書館へ入った途端に気付いたのだ。
このサンダル、くちゅくちゅ鳴ってる。
サンダルに入り込んだ雨水が、歩くたびにくちゅくちゅなるのだ。
雨の中をズンズン歩いているときはちっとも気付かなかったのだが、
静かな図書館の中ではことさらその存在を知らしめる。

気をつけて歩いてても、くちゅ…と鳴る。
窓際で勉強していた男子学生がちらりと私のほうを見たような…。
で、棚をあれこれ見たかったのだが、この日はそうそうと図書館を後にした。

先日、読んだばかりの出久根さんの『夢は書物にあり』に、こんな個所があった。

図書館に、一定時間、身を置くことで、図書の「気」を取り込む。
　これを「図書館浴」と称している知人がおります。
　本を読むわけでない。書棚の本を、漫然とながめている。ただ、それだけ。
　いらいらした気分が、いつのまにか、雲と散り、霧と消えていくそうです。
　心がうっくつしてい時は、本を読む気になれません。
　しかし、本をながめることはできる。背文字を読んでいるだけで、ふしぎに、心　がなごむそうです。
　本というものが、実に妙な力をもっていおります。内容だけが、本の取り柄では　ありません。姿や形もまた、何らかの意味を持ち、私たちに訴えているのです。
　図書館浴、お試しあれ。

まさに、その通り！
図書館浴、実にいいものです。


ＰＨＯＴＯ　これが愛用のクロックスのサンダル！