今日から市民講座の後期が始まる。8月は夏休みだったが小学生と違い少々期待感がある。一つは自然災害とも呼べる猛暑の連続の中涼しい教室で半日が過ごせる。次は勿論講義そのものが楽しみである。内容如何に関わらず少なくとも無駄な時間では無かったと思える。余禄としてはのんべんだらりとした生活にメリハリが生まれる。今日は「2050年までの地震予測」と題して東大名誉教授が講師である。2050年までは生きてはいないが昨日が防災の日で1923年9月1日関東大震災が起こった日だった。1日遅れだが時宜を得たテーマと言える。亡くなった父親が小学1年生で麹町の家を焼け出されたとは聞いたことがある。それからは各地を転々として苦労したようだが偶に聞くのは麹町での優雅な暮らしくらいで後の苦労話はあまりしなかった。きっと悲惨だったのだろう。
1995年1月の阪神淡路大震災では既に関東に越しており難は免れた。友人は何人も被災し、遠い親戚の方も亡くなった。2011年3月の東日本大震災では結構揺れたものの被害はなかった。寸でのところで危うく大災害から逃れてきたが多分次の首都直下か南海トラフ大地震では逃げきれないと思っている。周りがどうなろうと自分だけは助かるのではないかという根拠なき自信は中年以降はまったく無くなった。危機は国民全体に平等に降り注ぎ例外はない。寧ろ運悪く真っ先に自分がと思うようになった。
東日本大震災で計画停電(地域を限定して給電を停止)も経験した。途上国で何度も計画停電(給電)は経験したが勿論日本では初めてだった。しかし我が地域はその計画停電すら対象から外れて停電することは無かった。周りの市町村に申し訳ないような気持ちになった。大災害からの復興で真っ先に取り掛かるべきは社会インフラの復活であることも実感した。個々の被災は事情が千差万別で復活には時間がかかる。社会インフラの強靭化は地震大国日本ではやり過ぎるということはない。税金はこういうところに使って欲しいものである。
8月には来年度概算要求(各省庁が財務省に要求額を示す)が纏められ約114兆円と過去最大となった。1円も無駄にしてはならない。海外に研修など行かなくても座学で学べる時代である。堤防や線路、道路の補強、公共施設の耐震化、電気ガス、水道の供給網の複層化、野戦病院体制の計画策定、金の使い方は幾らでもある。先日自転車散歩で道路の凹凸で車輪が滑って転びそうななった。運悪く真っ先に被災するところだった。道路の補修に金かけても文句は言わない。財務省でなくとも1000億円くらい税金の使い道考えてと言われれば3日くらいで決めて見せる。防災の最優先事項は社会インフラの強靭化、これは間違いない。