太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

捻くれ者の聴講生

2023-09-03 08:07:12 | 日記

 昨日の市民講座「2050年までの地震予測」はプレートテクトニクスを中心とした地震発生メカニズムと各種観測データを照合しながらの説明が中心であった。アウターライズ地震など殆どが知っている内容だった。こちらの知恵が増してきたのか講師の方が素人向けを考慮して内容を決めたのか不明だが多分後者だろう。難しい話を易しく解説すると言う点では優れた専門家なのだろうが多少物足りなさもあった。最近どうもチンプンカンプンの講義を期待している自分がある。

結論の首都直下の可能性について「M7程度地震の今後30年以内の発生確率は70%」に関して「最悪シナリオで予測をしており個人的にはそれ程高くないと思っている。」とのこと。「まあ2050年くらいまでは起こらないのでは」と楽観的(専門家だからあてずっぽうではない筈)だった。生きている間は大丈夫そうだ。少し気になったのはQ&Aで「福島の原発事故は専門家が可能性を警告したにも関わらず安全対策を怠ったのでは、果たして電力会社はどの程度専門家の意見に耳を傾けるのでしょう?」答えは「プレートテクト二クスが発表されたのは1960年代後半、同じころ警告が発せられた。今ではプレートテクトニクスが信頼されているが当時はそこまで行っていなかったのでは。」と。これには失望。その後プレートテクトニクス理論がメカニズムを説明する最良の方法であることが認められ各種観測データとの照合も進んだ。2011年までには40年が経過している。その間プレートテクトニクス理論は堅持しながら何故対策の手を打たなかった(警告しなかった?)のか疑問が残る。60年代の話を聞きたい訳ではない。もしかして講義は素人の聴講生に安心を与えるためだった?専門家の価値はその専門性の高さにあるのではない。専門を社会にどう生かすかである。難しく言えば社会実装にこそ価値がある。講義自体は流れるように見事で中学生だったら大いに納得、感激しただろう。残念ながら平均年齢70余歳の聴講生は少々捻くれている。