「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

静岡県サッカーミュージアムを見てきました。

2012年06月29日 22時45分38秒 | スポーツ

突然ですが「静岡県サッカーミュージアム」というのが、どこにあるかご存じですか?


私も、ありそうだとは思っていましたが、場所までは意識したことがありませんでした。ところが、2年ほど前に、思いがけないことで場所を知りました。


静岡県のもっとも東寄り、神奈川県境から熱海市、三島市、沼津市と続くわけですが、それらの街と街の間に、なじみのない町があります。函南町とか長泉町といったところで、清水町というのもあります。合併前の清水市とは違う町です。三島市は高原直泰選手、沼津市は小野伸二選手の育った町として知られていますが、その間にJR御殿場線が南北に通っています。富士山と箱根の間を通過しているわけです。その御殿場線は南から沼津市、長泉町、裾野市、御殿場市を北上しています。その長泉町というところに「静岡県サッカーミュージアム」があります。


説明が長くなりましたが、なぜこんなところにあるのだろう、という素朴な疑問も湧きます。


なぜならも長泉町の中心部にあるわけでなく、富士山の方向に向かって少しづつ高くなっていく丘陵地帯にあるからです。


それがわかったのは、そのあたりが「クレマチスの丘」という散策地域として開発され、複数の美術館、レストランなどが点在する花とアートの丘になっているという情報を得てからです。


静岡県サッカーミュージアムが、それら「クレマチスの丘」のピースの一つという位置づけなら、もっと知名度もあがったのだろうが、そのへんがおくゆかしいというか「それとこれとは別」という考えが垣間見えます。


この地域を知る、もう一つのキーワードが「スルガ銀行」です。このブログでも、東京・六本木で、スルガ銀行が主宰する「d-labo」というセミナーハウスの催しを紹介したことがあるし、「スルガバンクカップ」という、日本のナビスコカップ覇者と南米・コパ・スメダリカーナ覇者との冠大会を主催しているので、ご存じの方も多いと思います。


調べているうち、少しづつわかってきたのですが、この「クレマチスの丘」になじむように、スルガ銀行の本社機能を置いている「キャンパス・ヘブン」という名称の建物がありますし、「静岡県サッカーミュージアム」の事業主体は、財団法人・静岡県サッカー協会とスルガ銀行です。


したがって「静岡県サッカーミュージアム」がこの地域にあるのは、スルガ銀行さんが少なからず支援しているに他ならず、県中央部の静岡・清水地区でもなく、県西部の浜松・磐田地区でもないことの意味もなんとなく解けてくるというものです。


さて、静岡県サッカーミュージアムの場所をおわかりいただいたところで、ミュージアムの中にご案内しましょう。


今回、沼津に用があったので、寄ってみました。JR三島駅北口から「クレマチスの丘」行きというシャトルバスが一日何便か運行されています。私が乗ったバスは女性の運転士さんでした。私以外に同じ便に乗った人は、スルガ銀行さんに用のある人だけでしたから、私は運転士さんに行き先をたずねられました。


ちょっととまどいながら「いわゆるクレマチスの丘に行きたいのですが」と答えると、それではという感じで車内放送のスイッチを入れてくれました。全員がスルガ銀行さんなら、クレマチスの丘のPR放送は必要ないかも、と思ったのかも知れません。


三島駅から運転士さんのマイクでは25分ほどということでしたが、実際は20分弱で到着しました。クレマチスの丘の停留所を下りて、少し戻るように歩いて5分ぐらいでしょうか着きました。


一言で「広い」です。東京・文京区にある「日本サッカーミュージアム」に比べたら、何分の一の広さかと思っていたことを思えば「広い」です。これだと「日本サッカーミュージアム」にひけをとらない。それが第一印象です。


演出もよかったです。展示室に入る廊下で、突然、ゴン中山選手のメッセージに迎えられましたから。

もっとも、入場無料のせいか、受付はそっけないものでした。事務室には地元のお年寄りの方か、あるいはサッカー協会の重鎮の方か、お二人の年配の方と、一人の女性がいらっしゃいました。別に無視した感じではありませんし、女性の方は愛想もよい方ですが、チケットやパンフレットのやり取りがないので、どうぞご自由にという感じになりました。


受付にはリーフレットが置いてありましたが、これが魅力的です。中身はミュージアムのエッセンスを紹介している同じものですが表紙が6種類もあります。写真をつけておきます。



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中が広いです。いろいろパネルなどに仕切られているので、あまり感じませんが、実は相当広いです。


日本サッカーを牽引してきた代表的な選手たちのユニフォームや記念品なども立派な陳列ケースに収められており見ごたえがありました。


そして静岡のサッカーが各世代を通じて長年日本サッカーをリードしてきたことが、さまざまな優勝カップなどでよくわかりますし、うなるばかりです。


なにより感心したのは、静岡出身の選手だけではなく、静岡のチームでプレーしたことのある選手も含めてプレーヤーに対するリスペクト精神に溢れています。主要な選手はネームプレートになって語り継がれていく、この顕彰精神が、これからも多くのサッカー少年少女を育てていくことでしょう。


このミュージアムを見ながら、こうしたサッカー専用のミュージアム施設は、アントラーズのホームスタジアムにカシマサッカーミュージアムがあるというのは知っていますが、ほかにあまり知りません。地域的に埼玉、横浜、千葉などがサッカーどころですから、静岡サッカーミュージアムのようなものが欲しいと感じたところです。


もう一つ感じたのは、ぜひ「指定管理者」方式を採用していただき、イベント等をからめた幅広い魅力的な運営ができるということです。例えば50人ほどが座って映像を楽しめる階段状のミニホールがあります。


100インチスクリーンには、小野伸二選手、高原直泰選手、岩下敬輔選手が大写しでインタビューに答えている映像が映っていました。おそらく、このような感じの映像を、ほとんど入場者のいないホールで開館時間中流れているのでしょう。


こういった点について事業性を考えれば、これだけのコンテンツを無人の部屋に流しておくのは、ただただもったいない限りです。おそらく、いまはスルガ銀行さんが収益度外視で運営費をみてくれているのでしょう。それにしても、これだけのハードとソフトを生かさない手はありません。


これにフォトギャラリーなどが加われば、私がイメージしている「サッカー文化フォーラム」の施設イメージです。


ということは、ぜひ「指定管理者」を導入していただきたいと思いますし、当フォーラムに任せて欲しいと思います。


そのようなことを感じた「静岡サッカーミュージアム」でした。





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