「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。
「以前は社員をセミナーに派遣したり、社内で研修を行ったりしましたが、全く効果がなかったんですよ。だから、社員の育成にお金をかけるのは、もう止めたんです。」
時々、このようにおっしゃる中小企業の経営者にお会いすることがあります。
そもそも、人材育成は1回行ったからといって、即、社員が見違えるように大きく変わるようなことはほとんどないのですが、この経営者はそれを期待されているわけです。
もちろん、パソコンスキルなどのテクニカルなスキルを習得するような研修であれば、すぐに効果が認められるでしょう。しかし、セミナーや研修で行うほとんど(すべて?)の知識やスキルを習得したり、社員の意識変革を目的としていたりする研修では、短期間で劇的な効果を求めることは残念ながら、ほぼ無理です。
しかし同時に、人材育成は短期間での効果を求めることは難しくても、ある程度の時間をかけて繰り返し行えば、間違いなくジワリジワリと効果が出てくる性質のものでもあります。
冒頭のように人材育成に即、効果を求める経営者に「その研修には社長も同席されたのですか?」や「社員をセミナーに派遣される際は、社長も一緒に受講されるのですか?」と質問することがありますが、その答えは一律にNoです。
そして、「社員の教育はすべて総務に任せていますから。そもそも私にはそんな時間はありませんよ。私は経営者ですから」と続くのです。
実は、せっかく社員を育成しようとしても効果が上がらない最大の理由は、ここにあるのです。
せっかく人材育成に投資をしたとしても、それを担当部署に任せっきりの状態では効果は望めません。なぜなら、セミナーや研修の終了後にそれを実務でどのように活かしてもらうのか、また、どのようにスキルアップをしてもらうのか、経営トップの考え方を社員に直接伝えることができないのですから。
一方、「今回の研修は、中身もさることながらAさんの仕事のときには見えなかった新たな一面を知ることができた。それだけでも、研修をやってよかったですよ」とおっしゃる社長にお会いすることもあります。
また、「個人的には私も一緒に研修を受講したいですが、社員の考え方を観察したいという希望があるため、受講はせずに様子を見ていた方が良いと思っています」とおっしゃる経営者もいます。
こうして見ると、経営者の人材育成への考え方も実に様々です。
しかし、たくさんの経営者にお会いしていて感じるのは、研修の場に同席される経営者は総じて「うちの社員は〇〇のところが良いと思うのです」、「真面目ですよ、うちの社員は。それに素直な人間が多いですね」などとおっしゃるのです。
つまり、社員の良い面をきちんと認識していたり、強く期待したりされていて、さらに、それを社員に直接伝えることをしされています。
もう一つ、研修の場に同席される経営者の会社には、ある特徴があります。それは、利益が少しずつではあっても「上向き」だということです。
これは、経営者の「社員をきちんと育成しよう」という姿勢と、期待を伝えることが社員のモチベーションにつながり、それが業績にも良い影響を与えているというあらわれなのではないでしょうか。
今後、社員をセミナーに派遣したり、社内で研修を実施される際は、ぜひ社長も一緒にセミナーを受講したり、研修に同席したりすることをお勧めします。
なぜなら、それが効果を上げる大切な要素だからです。