「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。
「退職者の本音はなんだったんでしょうか」先日ある会社の社長さんとお話ししていた時、急にこういわれました。
「?」急に脈絡なくそう言われてもどう答えていいかわからず、私がちょっとためらっていると、こう続けたのです。
「先月、入社2年目の若手が一人、突然辞めたんですよ。いや、こんなことをお話してもどうしようもないことはわかっています。やっぱり、彼と直属の上司、それに私とのコミュニケーションが不足していたんでしょうね。コミュニケーション不足・・・うん、それだな。」
私 「いえ、不足と言うよりコミュニケーションという行為の解釈の問題です。」
社長「ちょっと何言っているのかわかりません(笑)」
私 「社長さんはその社員に”わかってもらおう”と思ってコミュニケーションをとっていましたよね。」
社長「もちろんです。一方的に話をぶつける”インフォーメーション”はダメ。双方向の”コミュニケーション”が大事だって、そう研修で教えていたじゃないですか」
私 「そうです。でも双方向といっても、相手がそう思っていなければ上手く行きません。キャッチボールをするとき、相手にやる気がなければ続きませんよね。」
社長「相手に話し合う気がないときに話しても無駄ということですか?」
私 「はい。そうです。」
社長「はっきりしてますね(笑)。じゃあ、お互いにずっとその気がなければ話し合いなど成立しないじゃありませんか。」
私 「それです。部下も同じように思っています。”何かあったら遠慮なく言ってくれ”と言っておきながら質問しようとすると”後にしてくれ”とか、声をかけづらい態度をとっているとか。それが積み重なるとコミュニケ―ションは成り立たなくなります。」
社長「でも忙しい最中に即座に対応しろと言われても無理です。」
私 「はい。切羽詰まった場合でもない限りは“ボールを受け取る気がないかもしれない”と考えておいた方が良いでしょう。そして、そのことを相手にも伝えておくことです。」
社長「“人間、話をしたくないときもある”ことをお互にわかっておきなさいということですか。それ、なんか居直ってません?。」
私 「そうですね(笑)。コミュニケーションという行為をそのように解釈しておけば間違いなくコミュニケーションは改善します。」
それでも改善しない場合は採用時に人選を誤ったということになります。あ、これは私の居直りだと思っていただいて結構です。