中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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理念の浸透

2014年02月26日 | コンサルティング

「お客様から『こんな商品ある?』って聞かれて、『ありません』なんて答えたらだめだ。『ある?』っていうのは、あるかないかを尋ねているんじゃない。その商品を欲しいっていうことだ。商品を取り寄せるなり、同種の商品を探すなり、そこからが仕事だ。」

これは、原発事故の影響で避難を余儀なくされた福島県浪江町でショッピングセンターを中心に店舗を展開していた「マツバヤ」の総務部長の言葉です。

先代の社長が朝礼のたびに口にした、お客様を大切にする言葉が土台になっているそうですが、これは社長の理念が社員に受け継がれている良い例だと思います。

企業にはそれぞれ「理念」があります。理念とは企業活動において最優先すべき(したいと思う)考え方や心のことです。弊社は様々な企業とお付き合いさせていただく中で、沢山の理念に出会ってきました。

その中には、心に響くものやその企業ならではのオリジナルもありましたが、反対にA社とB社をそっくりそのまま入れ替えたとしても、何の違和感もなく受け入れられてしまうような一般的なものもありました。

また、企業によっては理念を明確に定めないまま歴史を重ねてきたというところもあります。

もちろん、そうであっても堅実に経営をされてきている企業はたくさんありますが、より発展していくために理念を掲げることの重要性をお伝えすると、「それならば、この機会に理念を作ろう」とおっしゃる社長さんも少なくありません。

 しかし、理念を作る、設定するということは、当然、口で言うほど簡単な事ではありません。

一所懸命に考えて考えて、生みの苦しみを味わった後に生まれた理念には何物にも代えがたい重みがあると感じますし、時には言霊が宿っているのではとさえ感じられる時もあります。

このように、一つの理念が生み出される場に居合わせることができた時には、私たちもともに喜びを感じるのです。

こうした経緯を経てようやく生まれる理念ですが、組織に根付くのもまた簡単なことではないと思います。せっかく掲げた理念も社員の心にはなかなか響かない、届かないことがあります。

理念について質問しても忘れてしまっている人もいますし、そもそも理念があることすら認識していない人もいたりします。

「親の心 子知らず」ならず、「社長の心 社員に届かず」といったところでしょうか。

では、どうすればマツバヤさんのように理念が社員の心に届き、受け継がれるようにできるのでしょうか?

毎日皆で唱和すれば良いのでしょうか?一字一句、理念を正しく言えるようになれば良いのでしょうか?

勿論、それもあるとは思います。実際、毎日唱和することによって功を奏した企業の事例もあります。その企業の社員の一人は、毎日朝礼で唱和することによって自分の部署だけでなく、会社全体の成果を考えられるようになったとおっしゃっていました。部分最適から全体最適の視点になったということですね。

しかし、実際にはそれだけではなかなか上手くいかないことの方が多いようです。

ならば、どうするのか?

そのためには、社員が理念につながる具体的な行動ができるようにならなければなりません。個々の社員が立案する目標とその評価の項目を理念に直結させる、つまりは評価項目を理念と一致させることが大切で、それを繰り返していくことが最短の道だと思います。

そして、理念が浸透するまでは、トップは根気強く時間をかけなければなりません。理念が浸透していく過程においてPDCAサイクルを回し、どこまで浸透したかを定期的にチェックし、着実に根付かせていくことが大切だと思います。なぜなら、時間をかけて根付かせたものは簡単には壊れることはないと思うからです。

さて、ところで弊社の理念は「人粒を実らす」です。

私たちは、この理念達成のために2014年のスタートに行動目標を立てました。あれから早や2か月が経とうとしていますので、そろそろ目標達成に向けて計画通り進んでいるかを振り返るタイミングです。

自分たちができているかきちんと振り返り、次に向けて自らを叱咤激励しているところです。

(人材育成社)


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2 コメント

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理念の浸透と個人の行動 (kanako mukai)
2014-02-27 07:37:18
ブログを拝読しながら、まさにその通りかと・・・

出発前のブリーフィングで安全顕彰(仕事の基礎となるもの)を唱和させられていました。そう、させられていたので、理念と行動の直結という意識はなかったです。リーダーであった自分の反省として、この時、「じゃあ、あなたはこの理念にそって今日どんなことを行いますか?」とそれぞれが考えるきかっかけを作ればよかったなぁ・・・と。

理念の浸透には時間がかかるけど、個人が会社の理念を自分のものとして何ができるか考え行動していったら、時間はかかってもその会社は土台のしっかりとした会社になるのでしょうね。
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理念の浸透2 (芳垣玲子)
2014-02-27 18:26:02
かなさん 素敵なコメントをありがとうございます。

理念を浸透させるという目標が共有化できると、行動の目標も具体的になるのでしょうね。それができないと絵に描いた餅になってしまうのだと思います。理念のみならず、身近な目標も同じことなのでしょうが。


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