中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,033話 テレワークで社内の一体感が崩壊する

2021年06月27日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

あなたの会社ではテレワークの実施率はどのくらいでしょうか。私の知る限り、ほとんどテレワークで出社は週イチというところもあれば、ほぼ毎日出社しているというところもあります。

具体的に言えば、IT系や非対面のサービス業などはほぼテレワークが主流のようです。一方、製造業や建設業など現場でモノを扱う業種や対面が必須の業種では、実施率が低くなっています。

業態によって変わってくるのは当然ですが、それ以外の会社では、テレワークの実施で職場の雰囲気が変化しているように感じています

テレワークにはコストや効率の面から見て、大きなメリットがある一方、コミュニケーションの量と質が低下することにより、仕事がうまく進まなくなることもあります。そのため、社員の中には不満を感じる人も少なからず出てきます。新聞やネットの記事で「テレワークで生産性が低下した」という調査結果をご覧になった方も多いと思います。

今まで同じオフィスで同じ空気を共有してきた社員同士がいきなり画面上の存在になってしまうのですから、不便が高じて不満となり、ギスギスした雰囲気になってしまうこともあるでしょう。

「こちらの言ったことがきちんと伝わっているのだろうか」「本当に家でちゃんと仕事しているのだろうか」「出社して働いている社員は残業して頑張っているのに、テレワークの連中は6時になるとさっさと通信を切ってしまう」

やがて社内にあった一体感、チームワークのようなものが崩れ始めます。当然、管理職や経営者はこの兆候を敏感に察知し、手を打とうとします。

「きっちりとしたルールを改めて作り、社内の意識改革を行いましょう!」研修講師やコンサルタントはこう言います。

・・・申し訳ありませんが、意識改革など不可能です。

そもそも会社の「意識」なるものがどのようなものか、具体的に説明できるものではありません。前にこのブログで書いた「企業文化」のようなものです。

さらに、上司が部下に向かって「意識を変えろ」などと命じても、言われた方は「はぁ?」と思うだけです。「はい、わかりました」と、逆らわないように口だけで受け流すのがせいぜいでしょう。

人が働く動機は第一に経済的なものです。「意識」とはその動機の上に乗っています。たとえ愛社精神に溢れた社員でも「会社の業績が芳しくないので、来月から給料を半分にする」と言われたら、大半の人は転職活動を始めるでしょう。(マズローの説を持ち出すまでもありません)

会社として意識改革をしたいなら、テレワーク組か出社組、どちらか一方を選ばなければなりません。給料と同じ額を「テレワーク手当」にするか「出社手当」にするか決めることです。

それくらい思い切った施策を打ち出してはじめて、社内の一体感やチームワークが生まれます。おそらくコロナ以前の状態をはるかに上回る良好な結果が得られます。

しかしそこまで思い切った手を打てる会社はそう多くないでしょう。テレワーク組と出社組を抱えて職場の不満が高まっているならば、管理職が率先して両者のパイプとなるように努めることです。

全ての社員の意思を尊重し、徹底的に話を聞き、できることはすぐに行う、それを繰り返し行うしかありません。

テレワーク時代の管理職手当はそれに対して支払われる・・・というくらいの気持ちが必要です。

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