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第918話 ステイホーム週間は本を読もう(番外編2)

2020年05月08日 | 仕事

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。さて、ステイホーム週間が明けましたが、今回は「番外編」と題してこのブログの筆者、芳垣と平野の著作を紹介しています。番外編2はこの本です。

「働き方の統計学: データ分析で考える仕事と職場の問題」平野茂実 (著)

統計学の入門書は、一般向け理工学書の中では断トツに数多く出版されているのではないでしょうか。実際、2013年に大ヒットとなった「統計学が最強の学問である」(西内啓・著)以来、文系出身のビジネスパーソンにもよく売れるようになりました。

私が「働き方の統計学」を書いた理由は、統計学が文系にとっていかに役立つのかを、いままで統計学を敬遠していた人たちに知ってもらいたかったからです。もちろん類似の本はたくさんありますが、この本の特徴は「とにかくわかりやすく書いてある」ということです。そのため、確率に関する記述は思い切って端折ってあります。理系の方々からは「統計学でありながら確率をきちんと説明しないとは何事か!」とお叱りを受けそうです。それを承知で書き進めた理由は、文系にとって確率が最大の難所だからです。

さらにこの本で目指したものは「仕事の現場で使ってみたくなる」ことです。本書がターゲットとする読者層は「文系のビジネスパーソン」です。そうした読者の仕事はなにかと考えたときに、答えは必然的に「営業」になります。偏差値40~60くらいの大学の文系学部を卒業し、民間企業に就職する人たちの7割は営業部門に配属されます。これは自信をもって断言できます。それなら、文系で偏差値50前後の大学を出た営業部員を主人公にしたストーリーにしてしまおう、ということになったわけです。

この本のタイトルの通り、主人公は営業部門の「働き方改革」の渦中に放り込まれます。まず、残業を減らすため「残業偏差値」なるものを作ります。次に営業部員の仕事の仕方に着目して、客先への「限界訪問件数」なるものを発見(?)します。その結果「営業は足で稼ぐ!」という職場の雰囲気が徐々に変わっていきます。さらに、顧客(スーパーマーケット)の店舗に出かけて行ってトマトやメロンの糖度(甘さ)を測ったり、新しい店舗の開店に口を出したり、新発売のお弁当のメニューは何がヒットしそうかを調べたりと、大活躍します。

とはいえ、主人公はAKB48ならぬSBH48(私大文系で偏差値48くらいの大学)出身ですから、数学が得意と言うわけではありません(というより、中学生レベルです)。 

それでも上司やExcelの助けを借りて色々な「気付き」を経験します。著者である私が言うのもなんですが「若手社員の成長物語」としては、とても面白いお話になっていると思っています。テレビ東京あたりで「お仕事ドラマ」の原作に使ってほしいくらいです(^_^;)。 

肝心かなめの統計学の部分ですが、標準偏差や回帰分析あたりまでは、考え方の説明にかなりのページを割いています。半面、後半あたりから、それがやや難しくなってきています。本当は、多変量解析あたりはページ数を十分費やしてじっくりと書きたかったのですが、「分厚い」入門書になっても好ましくないので止めました。

統計学は何を隠そう(?)数学の一分野です。じっくり時間をかけて学べば、普段の仕事に本当に役に立ちます。しかも、皆さんが普段お使いになっているパソコンと、それに搭載されているExcelという超便利なソフトもあります。今や、道具はすでに揃っていると言っても差し支えありません。

「働き方の統計学」は、すべての文系ビジネスパーソン、中でも日々数字に追われている営業部員や販売担当者の方々にとって、「実感を持って」読むことができる本です。是非、ご一読ください。

最後に、この本のイラストを描いてくださった黒渕かしこ先生のチャーミングな絵に、かなり救われていることを告白しておきます。

さて、この「ステイホーム週間は本を読もう」という企画は、今回で最後となります。この後は通常のブログに戻ります。ありがとうございました。

 

働き方の統計学: データ分析で考える仕事と職場の問題

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