中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,035話 大企業の不正報道を「他山の石」とする

2021年07月04日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

すでにご存じのことと思いますが、三菱電機が鉄道向け空調機器の検査で長年不正行為を行っていたことが発覚しました。しかも、検査結果を自動作成する「専用プログラム」まで作っていたというのですから驚きです。明らかに組織的な不正行為と言えます。

三菱電機は「安全性に影響はない」と説明していましたが、あきらかに論点のすり替えです。車が赤信号を無視して道路を突っ切っても、事故に至らなければ「安全性に影響はない」というの同じです。

三菱電機は過去にもいくつかの不祥事を起こし、そのたびに「再発防止」を約束してきました。経済同友会の桜田代表幹事は会見で「会社の文化の問題は従業員の問題ではなく、経営の責任だ」として経営の責任を指摘しました。

企業文化については当社も何度か調査したことがあります。大規模な調査を何度も行ったわけではないので、あくまでも私見ですが「大企業ほど不正に甘い」というのが実感です。それは大企業の経営者だけではなく、管理者や一般従業員にも言えることです。その背景には、このブログでも先日触れた「大船に乗った感」があります。

本来なら「大船に乗った」気持ちでいれば、日々の業務に安心して取り組むことができます。そのおかげで高品質の製品が大量に生み出され、ますます利益を増やしていくという好循環が生まれます。大きな船が悠々と海原を進んで行くイメージですね。それ自体は大変良いことなのですが、一度悪い方向にはたらきだすととても危ういことになります。

不正と言っても、始めはちょっとしたことだったのかもしれません。現場の片隅で上司に「なんとかしろ」と言われた部下が、コストや納期を気にして少しだけ手順を省いた。それが後工程に影響を与え、困った挙句に辻褄合わせをすることになった。やがて部署全体で暗黙のうちにそれを受け入れるようになり、組織として「不正の仕組み」を作り上げてしまった。・・・もちろん、単なる想像に過ぎませんが。

何万人もの社員が働く大企業では、こうしたことが何度か起こってもそう簡単には潰れません。潰れたしまったら株主や銀行、取引先はもちろん、国や自治体までにも大きな影響を与えるからです。大きな船は、船底に多少穴が開いてもすぐには沈みません。

実際、私がかつて勤めていた会社(かなりの大企業です)で「うちの会社は大きいから、何かまずいことがあっても国はうちを潰せないよ」とはっきりと口にしていた社員がいました。まったくあきれてしまいますが、それは少なからぬ社員の「本音」のようでした。

しかし、今や三菱電機や東芝ですらこの先どうなるかわかりません。

このブログを読まれている皆さんの会社は「大船」でしょうか。そうでなければ、小さな不正が発覚しただけでも沈みはじめることでしょう。

「他山の石」とは「他人の誤った言行やつまらない出来事でもそれを参考にしてよく用いれば,自分の修養の助けとなるという意味(文化庁のホームページより)」です。

今こそ大企業の不祥事を他山の石として、一度自社の内部を徹底的に調査してみてはいかがでしょうか。

皆さんの会社が沈んでしまう前に。

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