「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「知識は幅広く豊富だけれども、一方的な知識の提供になってしまっていて、説得力に欠けている」
これは、弊社が研修を担当した際にグループ討議での発言を聞いたり、また採用試験の集団討議のアセスメントを担当したりした際に、受験者の発言を聞いたときに感じることが多い感想です。
こうしたときに改めて思うのは、「他者に伝えること」の難しさです。どんなに知識が豊富であったとしても、自分の考えや思いが他者にきちんと伝わらなければと全く意味をなさないです。また、場合によっては思わぬ誤解を招いてしまうことにもなりかねません。
言うまでもありませんが、仕事はもちろんのこと、人は他者とのかかわりの中で生きています。こうした中では、会話であっても文章であっても「伝えること」がすべての土台になっています。
ときどき、「文章を書くことは苦手だけれど、会話ならばいくらでも伝えられる」、反対に「面と向かって話すのは得意ではないけれど、文章ならば大丈夫」という人もいます。
しかし、その土台にある「伝える」ということは同じです。会話であっても文章であっても、誰に何を目的に話すのか、何を理解してもらいたいのか、何を共有したいのかなどについて聞き手に伝えようとするきちんとした視点をもつことが大切です。
そして、聞き手がどういう人なのか、どういう情報を欲しているのかなどもきちんと把握できていないと、一方通行の一人よがりの知識の提供になってしまいます。そして、こちらが伝えようとすることが全く相手に届かないものになってしまうことになります。
このような「伝える力」を身に着けることは、一長一短でできることではないでしょう。だからこそ、私たちは絶えず「どうすれば伝えられるのか」を追求し続ける必要があります。それには自分自身がどういうことを考えているのか、何を人に伝えたいのか、どういう人に伝えるのか、どういう言葉で伝えるのか、などを考える続けることが必要なのでしょう。
「伝える力」に終わりはない、生涯をかけて追及していくものなのかもしれません。