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第1,200話 管理職に登用する際に、どのように選抜すればよいのか

2024年01月24日 | キャリア

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

社員(職員)を管理職に登用する際に、どのように選抜すればよいのか。これについては、古今・官民問わず様々な考え方があると思います。私がこれまでお付き合いをいただいている組織においては、本人の希望の有無にかかわらず人事考課の結果によって昇格を判断しているところが圧倒的に多いと感じています。実際、「等級制度と昇進昇格・降格の最新実態」(労務行政『労政時報』第4036号⦅2022. 6.10⦆)によると、一般社員から管理職への昇進・昇格の際に試験を導入しているのは1,000人以上の組織の場合で76.3%とのことです。このデータからは、規模が大きい組織の方が昇格試験を導入しているところが多いということが読み取れます。

昇格試験にはメリット・デメリットの双方が考えられ、一概にどちらがよいと言えるものではありません。試験を導入するメリットとしては、管理職として活躍したいというやる気がある人を見出せること、試験を通して管理職としての適性の有無を見極めることができ、その後の活躍が期待できることが挙げられます。一方、昇格試験を導入しないのであれば、昇進・昇格にかかる上司の部下の評価のレベルを一定に保つためにも継続的な訓練が必要となりますが、それはそれで簡単なものではありません。

そのように考えると、昇格試験はもっとも公平・公正な手段だと言えます。しかし、昇格試験と一言で言ってもその中身にはいろいろな方法があります。具体的には、筆記試験・論文試験・プレゼンテーション・面接試験等々あり、フルコースで導入している組織もあれば、一部のみを実施しているところがあります。

外部の私が担当させていただくことが最も多いのが面接試験で、受験者に対して先入観がない外部の面接官として、受験者に様々な質問をすることにより、管理職としての適性を評価させていただいています。これまでの経験では、面接でお会いする受験者は課長になりたいという思いが強く伝わってくる人が多く、真面目で真摯に業務に取り組んでいる様子が伝わってくる人がほとんどです。一方で、管理職とし組織の目標を達成するためにリーダーシップを発揮することができるだろうか、部下指導を熱心に行えるだろうかなど、管理職としてはやや物足りないと感じる受験者がいるのも事実です。そして当然のことながら、ある一定の割合で合格には至らない人もいます。翌年以降再びチャレンジする人も多いのですが、1年間で見違えるほど成長して管理職としての適性が感じられるようになる人がいる一方で、残念ながらあまり変わらない人もいます。

それらを踏まえ、私が昇格試験を担当させていただく中で改めて思うことは、不合格だった人にはなぜ不合格になってしまったのか、今後どのような改善を行っていけばよいのかなどについて、適切なフィードバックをすることが大切だということです。管理職への登用試験は確かに公平・公正な手段ではありますが、同時に適切なフィードバックを怠ってしまうと受験者のやる気が失われたり、仕事そのものへのモチベーションが下がったりという危険性も考えられるのです。そうした事態を避けるためにも、残念ながら不合格となってしまった人には、どういった点が足りなかったのか等についてのフィードバックを必ず行い、それをふまえて上司と部下で話し合って、その後の成長につなげていくことが強く望まれます。

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