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「感情がストレートに出ることは、いけないことではない」

2014年11月12日 | コンサルティング

NHK連続テレビ小説「マッサン」の視聴率が5週連続で20%以上をキープして好調だそうです。ご存知とは思いますが、このマッサンは「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝とそのスコットランド人妻・リタをモデルにしたドラマで、主人公の亀山政春とエリー夫婦を玉山鉄二さんとシャーロット・ケイト・フォックスさんが演じています。

私はマッサンが始まった当初から、毎朝録画予約をして出かけ、帰ってから必ず見るほど楽しみにしているのですが、先日ひょんなことから二人がその晩年を神奈川県逗子市で過ごしていたことを知りました。隣まちの横須賀市出身である私には、同じ学区の逗子に一時とはいえ二人が住んでいたことを知ってから、ドラマが一層身近に感じられるようになりました。

北海道の余市に暮らしていた二人が逗子に住むようになった理由は、肺炎になってしまったリタに政孝が「温かい土地に引っ越そう」と提案したからだそうで、逗子海岸の近くに住み、よく海岸や商店街を散歩していたのだそうです。

二人が逗子に住んでいたことは、逗子に住んでいる私の知り合いも知らなかったと言っていましたので、これまでは地元でもあまり知られていなかったようです。

さて、このドラマの高視聴率にはいろいろな理由があると思いますが、私が魅力を感じているのは、エリーの豊かで且つストレートな感情表現です。

夫のマッサンに対して、プラスの感情のみならずマイナスの感情であっても、きちんと言葉にしてぶつけています。

職場の人や近隣の人に「また夫婦喧嘩?」と聞かれるくらいに頻繁に一見エキサイトしている二人。自分の感情を押し殺すのではなく、きちんと表に出せること、さらにその感情を言葉にすること、そしてとことん意見をぶつけ話し合っているのを見て、私にはとても清々しく感じられて、気持ちが良いのです。

しかし、時々このやりとりを気持ち良いと感じている私自身は、はたしてうまく感情表現できているのだろうかと思うことがあります。

研修を行う中で、受講者の皆さんに自身の仕事の進め方を感情的傾向と理論的傾向の2つの軸で尋ねるとことがありますが、理論的傾向が強いことを良しとするのに対して、感情的傾向が強いことをマイナスだととらえる人が多いと感じています。 

一般的に、この感情的傾向は「感情が顔や態度に表れやすいこと」として紹介されていますが、では、自分の考えや気持ちをはっきりと言うことは本当にマイナスのことなのでしょうか?

日本の社会には、感情をストレートに出すことをあまりよくないこととして捉える風土や文化があるように感じます。そのことがこういった結果をもたらしているのだろうと思いますが、コミュニケーションをしっかりととっていくためには、やはり気持ちを素直に表に出して、きちんと相手に伝えることが大切であることは言うまでもないと思っています。

皆さんも感じたこと、思ったことを押し殺したり、しまいこむのではなく、そうかと言って、ただエキサイトするのではなく、エリーを見習って、丁寧に感情を表現してみませんか?

(冒頭の写真は、NHK「マッサン」より)

(人材育成社)