中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

ミシュラン店へのフィードバック

2014年11月26日 | コンサルティング

「砂糖を加えたの?前よりも甘みが強くなったと感じるんだけれど・・・」

「ピーナッツオイルを使った?少しくどい味になったように思うけれど・・・」

「行きつけのミシュラン一つ星の店のシェフに、以前と味が変ったように感じた時に正直に言ったんです。そうしたら次に行った時には味が改善されていて、一層おいしくなっていました。」

「注文をつけておいて、その後に店に行くことを止めてしまったら、ただの注文の多い煩い客になってしまう。注文をつけたからには、またその店にちゃんと行かないといけない。味を改善したかどうかもわからないからね。せっかく改善してくれていても、行かなければ、確認することもできない。だから注文を付けた時には、必ずその店を再び訪れること、それは店に対しての礼儀だと思うし、鉄則だと思っているんですよ。」

「どうです?注文をつけただけあって、さっぱりとしていて、それでいて深い味になっているでしょう?」

これは、先日あるミシュラン一つ星の料理店に連れて行ってくださった方の言葉です。確かにいただいた魚の蒸し物は甘すぎず、くどさもなく、さっぱりとした味わいの深いものでした。

この方は長く会社を経営されている方で、一時期は経営が厳しくリストラをした時もあったそうですが、その時のことを糧として折に触れて社員に経営理念を伝えていらっしゃるそうです。

その甲斐もあって、現在は順調に売り上げが伸びているそうですが、この方がおっしゃるには、レストランのシェフに対しても、部下指導であっても、言いっ放しにせずに、言ったからには必ずフォローし、フィードバックをされているとのことです。

先の例で言えば、シェフは大切なお客様からいただいた指摘に対しては、何とか期待に応えようと一所懸命改善を試みるはずです。でも、お客様に再び来店してもらえなければ、せっかくの努力の成果を味わっていただくことはできません。再び足を運んでいただきお客様に喜んでいただいてこそ、頑張ったかいがあるというものです。

このお店も、大切なお客様からの要望に応えるべく試行錯誤の努力を積み重ねた結果、ミシュラン一つ星と言う名誉を獲得できたのかもしれません。

因みにレストランが星を1つ獲得すると、その店の売り上げは30%増えるというデータがあるそうです。(ミシュランの影響力は大きいです。)

そして、それと同じことが部下への接し方にも言えると思います。部下を叱ったり注意をするなどして、その後改善がみられる場合には、必ずそれを具体的に伝えることが大事だということです。

ただ言い放しにするのではなく、「ちゃんと見ているよ、応援しているよ」というメッセージをこめて、必ずフィードバックをすることがとても大切であり、それが部下を大きく成長させる可能性があるということを、この経営者との会食を通して感じました。

そして、このフィードバックの大切さはあなたが周りの人に接する中でも必要なことです。自分に対して気にかけてくれている人がいると感じられることが、次なる一歩の糧となるのですから。

皆さんも明日からエールを込めてフィードバックすることを意識してみませんか!

(冒頭の写真はwikipediaより)

(人材育成社)