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何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

佐渡最大級のダム「小倉ダム」は佐渡の水がめ

2021年11月10日 | 土木構造物・土木遺産


以前、アースダムでは県内最大級の「佐和田ダム」を紹介したことがあった。それじゃ、構造を問わず、佐渡で一番大きなダムってどこだ?と調べてみた。どうやら「小倉ダム」で間違いなさそうだ!
まあ、以前からの課題として、何を取ってダムの規模とするのか?堤高(ダムの高さ)?堤頂長(ダム頂上部の長さ)?堤体積(ダム体積)?貯水量や流域面積なども考えなければならないが、目に見えるに高さ、長さを中心として、総体的なぼんやりとした自分なりの基準だ。
今回は家族旅行なので、自分の自由時間は早朝の2時間だけ。しかも夜明けが遅い季節、少し冷え込んだ中、うっすらと空が明るくなる頃に一人ホテルを出発。20分程度の近いところに目的地があるのが助かる。



国府川水系小倉川の上流にあるロックフィル式の「小倉ダム」。畑野から県道で赤泊・多田(おおた)に向かって走っていると、突如石積みの巨大なダムが現れる。実は、以前にも通ったことはあるので、存在は知っていた。
堤高64メートル、堤頂長236メートル、堤体積1014千立方メートル。堤頂長では県営の新保川ダムに僅かに劣るが、ロックフィルならではの存在感といい、下から見上げることができること、貯水量・貯水池でも島内では抜群で最大。
やはり佐渡の農業用水を確保するために、国営事業(ダム事業者は北陸農政局)として平成18年(2006年)に完成した比較的新しいダムだ。有効貯水量も420万立方メートルで、1,600ヘクタールの農地を潤す。



特徴的なものとして、コアフィルタ転圧管理システムという最新のICT技術を取り入れて施工されたこと。ロックフィルダムの斜面をリサイクル品である建設汚泥を吹き付け緑化に使用している。
また佐渡では唯一・水力発電所が設置されている(事業者は佐渡市)。最大出力184kWとかなり小規模ではあるが、電力事情についても小規模火力に依存する佐渡では、再生可能エネルギーの先駆けとして注目されている。
貯水池も景勝地として人気があるのだが、この湖の愛称は「朱鷺(トキ)湖」という。トキが舞うことを願って公募によって名付けられた。魅力いっぱいのダムなんです。



ところで、小倉ダムのすぐ下流には、同じく農業用水の確保を目的とした「小倉川ダム」がある。アースダムで、雑草に覆われた中にひっそりとたたずむ。この日は、水を貯めていなかったが、小倉ダムの完成により、その役目はかなり縮小したのではないか?
傍らの案内板に、「佐渡で2番目に古いダム」と書いてある。昭和31年着工、42年完成。長い工事期間だが、さて、ならば一番古いダムってのはどこだ?まだまだ、佐渡のダム探訪は続くことになる。
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