現在のブログを書く前に、「いも焼酎とともに半世紀」というブログを百回程度書いたことがある。
どうしようもない飲兵衛で、最後にはいも焼酎が好きだったので、「いも焼酎のつまみには『やきとん』がよく似合う」といったタイトルの一文を載せたりしていた。
「やきとん」だから、焼き鳥ではなく「焼き豚」である。それもまっとうな高価な肉ではなく、タン、レバー、シロといった豚の安い内臓や頭部の頬やこめかみの部分のカシラ肉が材料だ。
内臓はもつ焼きやホルモン焼きとも呼ばれ、親しまれている。「放るもの=捨てるもの」が「ホルモン焼き」になったという。
なかでもカシラは独特の歯ごたえと旨みがあるので、人気が高く、関東の「やきとん」のメッカ埼玉県東松山市では、「やきとん」と注文すれば、カシラが出てくる店があるほどだ。
カシラも戦前は食用ではなかったが、戦後、韓国人の店主が垂れに味噌だれ=コチジャン(朝鮮半島の唐辛子の効いた味噌)を使い、ネギと合わせることで人気が出た。
首都圏の駅前ガード下の居酒屋派で、関東以外では、食べた経験が余りなかったので、「焼き鳥」とは「焼き豚」の串刺しのことだたと思い込んでいた。
「焼き鳥の世界も広い」と分かったのは、07年9月29日、福島市の競馬場に全国から20店が集まり、「第1回やきとリンピック」が2日間の日程で開かれたと各紙に報じられた時だった。
福島や北海道室蘭など全国7大やきとりの街の店主らで作る「全国やきとり連絡協議会」(略称全や連、06年発足)が、福島市制施行100周年記念事業の一つとして開いたものだった。
やきとりの激戦地でバラエティーを誇る久留米市では、馬肉やその内臓の串焼きも「やきとり」と呼んでいる。つまり、串に指せば何でも「やきとり」なのだ。愛媛県今治市では鉄板の上で焼き、串に刺さず、皿に盛って出す。北海道美唄ではさまざまな鶏の内臓肉を一本の串に刺した「もつぐし」が人気・・・とやきとりにも色々あることがわかった。
「全や連」は今や全国に約120店舗。それが15年9月26、7日、東松山市の松山市民活動センター駐車場で「第9回全国やきとリンピックin東松山」を開いた。
北海道から九州まで13店舗が出店した。東松山駅前のチェーン店「ひびき」が創立以来のメンバーで東松山開催は初めてだった。
「ひびき」の味噌だれは、モンドセレクション最高金賞を受賞している。彩の国黒豚や深谷ねぎを使い、地産池消にも取り組んでいる。
山形県米沢市からは日本三大和牛の「牛串」の店も参加していて驚いた。
東松山市や観光協会の実行委員会が主催、市内の農業団体や菓子店などが出品する市産業フェスタも同時開催、8回目を上回る5万の人出でにぎわった。特産の梨や栗も売られていた。(写真)
全や連では13年に東京・大手町の産経会館地下に、全国7大やきとりの街の味が一同に会する「全や連総本店」を開業しており、北から美唄、室蘭、福島、東松山、今治、長門、久留米の味が楽しめる。
各地を代表する串が1本ずつ入った「ご当地食べ比べセット」がお勧めとのことだ。
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