「埼玉県は陸運の王者・陸王」 知事
埼玉県の09年~18年の企業の転入超過数(転入~転出を差し引いた数)は743社だった。08~17年の超過数を118社下回ったものの全国トップを維持した。1年の転入超過数は11年の102社を最後に、7年連続で2桁の社数となっている。帝国データバンク大宮支店が19年3月26日発表した全国の本店移転企業調査によるものである。。
2位は神奈川県、3位が千葉県、4位が茨城県で、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)が通るこの4県がベスト4を占めた。他都道府県から県内に転入した企業数は2263社で08~17年を97社下回った。転出は1520社で21社増だった。転入企業の転入元は、東京都の1892社(83.6%)が最高、千葉県86社、神奈川県63社と続いた。
同支店では「高速道路や鉄道網など交通インフラが充実、都内に近く、地下が安く広い土地を確保しやすい点が評価されている。災害が少ない点も大きく、圏央道沿いを中心に転入が進んでいる」としている。転入企業を業種別に見ると、卸売業が957社(24.6%)で最多。サービス業、製造業が20%台で続いている。
上田知事も期せずして「彩の国だより」4月号の知事コラムで、「企業本社の転入超過数、いわゆる純増も平成29(2017)年までの10年間で第1位となっている」と書いている。その理由は「地政学」から分析できるという。
本県には、東京を中心に放射状に延びる関越道、東北道、常磐道が東西方向に走る外環道と圏央道により直結する高速道路ネットワークが形成されている。この道路網は、今に始まったことではなく、中世、近世、現代と時代を超えて歴史的に脈々とつながっている。
鎌倉時代には「鎌倉街道」。この街道にはメインとなる5本の街道があった。西は京都方面に向かう「京の道」(現在の東名高速ライン)、東の「下(しも)の道」は茨城方面に抜ける常磐道ライン、「中の道」は栃木方面で東北道のライン、「上(かみ)の道」は関越道のラインで群馬方面に抜ける道、もう一つ飯能から秩父へ抜ける「山の道」もあった。「京の道」を除く4本が武蔵国を通っていた。
江戸時代になると「5街道」ができ、中山道、日光街道、・奥州街道が本県を通り、中山道から分岐した川越街道や日光御成道も整備された。
今は鉄道の在来線はもとより、新幹線は大宮駅を起点に東日本エリアをカバー、大宮駅のホームの数は、JRの駅では東京駅、上野駅についで第3位の多さ。
「埼玉県は中世以来、陸運の王者・陸王」。改めて埼玉県の強さを知っていただけたのではないか、というのである。
直近の推計人口増加率では、沖縄県を抜き東京都に次ぐ全国2位に上昇、平成27(2015)年度までの10年間の県内総生産増加額は名目が第3位、実質は第2位、同期間の県民所得増加額も約1兆1000億円(第2位の宮城県は約6000億円)で第1位だとか。
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