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2017年世界盆栽大会 さいたま市

2013年11月13日 17時25分07秒 | 盆栽・桜・花・木・緑・動物
2017年世界盆栽大会 さいたま市

さいたま市は、4年後の2017年、「第8回世界盆栽大会」を迎える。

1989年に開かれた第1回大会は、合併前の旧大宮市が主催、大宮ソニックシティを主会場にして、32か国から愛好家や研究者など約1200人が訪れた。さいたま市開催は2度目で28年ぶりになる。

世界盆栽友好連盟(WBFF)が設立されたのは、その時である。初代会長には、「蔓青園」3代目園主だった加藤三郎氏(故人)が選出された。加藤氏は、この大会でエゾマツの寄せ植えの剪定(せんてい)の実演を披露、拍手を浴びた。

加盟しているのは日本、インドの2か国と欧州、中国、台湾など7地区。オリンピック同様、4年ごとに開催される。

第2回は米国オーランド、第3回は韓国ソウル、第4回はドイツ・ミュンヘン、第5回は米国ワシントンDC、第6回はプエルトリコ・サンファン、13年の7回は中国金檀市で9月末に開かれた。

開催地は、理事会の各国と各地区の理事計9人の投票で決まる。第8回には12年9月、さいたま市がイタリアで開かれた理事会で誘致を表明、ついで台湾が立候補の動きを見せ、一騎打ちになりそうだった。

このため、大宮盆栽村の園主らでつくる誘致委員会の竹山浩委員長(芙蓉園2代目園主)らは豪州など海外の展示会に出かけ、プロモーションを展開、清水勇人さいたま市長も13年7月にロンドンで欧州地区理事らに支持を訴え、協力の約束を取り付けていた。

9月27日に開かれた理事会では、台湾がプレゼンテーションを辞退したので、全理事が賛成、さいたま市で2度目28年ぶりの開催が決まった。

第8回大会は、17年4月27~30日の4日間、前回同様大宮ソニックシティや大宮盆栽美術館、盆栽村など6か所が会場になる。

大宮盆栽美術館は、世界の盆栽ファンの聖地を目指す盆栽村の目玉施設として、10年に世界初の公立の盆栽美術館としてオープンした。

4日間の会期中、盆栽の剪定の様子をインターネット中継するイベントや一般展示、即売会などがあり、大会参加者1200人、約7万人の来場者と5億円を超す経済効果を見込む。

盆栽は「BONSAI」として欧州を中心に世界では人気が高まっているのに、国内では愛好者が減り、1965年設立の日本盆栽協会の会員数は、ピーク時の約1万5千人が今では約6千人に落ち込んでいる。

1923年の関東大震災で被災した東京・千駄木周辺の盆栽師が移住してできた、90年の歴史を誇る盆栽村も、戦前には30軒ほどあった盆栽園が現在6軒だけ。周辺を合わせても9軒だ。

大宮盆栽美術館の入場者数も12年度は5万人弱と人気は低迷している。

それでも樹種の多彩さと高い技術から高級盆栽として世界に知られている。経済産業省は「大宮盆栽」を「JAPANブランド育成支援事業」の一つに選び、さいたま市とともに12年度から海外展開への支援を始めた。

この海外展開に協力している東京都の盆栽関連輸出業者によると、「欧州だけで数百万、世界で1千万人を超える巨大マーケットがある」とのことで、土付き盆栽の輸出に必要な検疫体制も整った。

これまでの輸出が苗木中心だったのに、育てた盆栽そのものの輸出が可能になり、平均単価も最低10倍以上に跳ね上った。最高は何百万円もするのはご承知のとおりだ。

「大宮盆栽」の輸出は13年11月から本格的にスタートした。11月17日には盆栽村で日本貿易振興機構主催の輸出商談会が開かれた。

輸出額は2年後が1億、3年後が5億円が目標という。盆栽だけでなく、育てたり、剪定したりする技術の輸出も検討されているので、盆栽師の育成も課題になっている。

さいたま市国際観光協会は、14年3月14日から9日間、パリのルーブル美術館やオペラ座に近い雑貨店の約35平方mに盆栽4点を独自で出店、富裕層への売り込みを狙う。

さいたま市は17年を目指し、世界で活躍する盆栽の伝道師を育成するため「国際盆栽アカデミー(仮称)」の開設を目指している。

世界盆栽会議の開催は、大宮盆栽の輸出にも好影響を与えることは確実で、国内でも盆栽見直しの機運が高まることになるかもしれない。




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