ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

「埼玉の日本一風土記」

2010年07月19日 18時09分32秒 | 文化・美術・文学・音楽


行きつけの南浦和図書館で、「郷土資料」の棚を何気なく見ていると、『埼玉の日本一風土記』という新しい本が並んでいるのを見つけた。10年の3月に出たもので、筆者は元埼玉県職員の関根久夫氏。出版は埼玉県関係の本で知られる幹書房。

先に『これでいいのか さいたま市 ”ダサイたま“とは呼ばせない』(マイクロマガジン社)という雑誌を初めて見た時も感じたことだが、さいたま物も商売になる時代が来たらしい。

読んでみると非常に面白い。歴史、民俗、文化財、自然など多くの「日本一」の中から33件を選び、7つの分野に分け、それに準じたものを番外のコラムとして7つ選んで計40件を取り上げたと書いてある。

後ろの参考文献では埼玉関係の目ぼしい本は網羅しており、大変な勉強家であることが分かる。それに加え感心するのは、1件ごとに自分で撮った写真が数枚ずつ付いていることだ。一度だけではなく、何度も関係個所を訪れ、頭と脚の双方を使って、長い時間をかけて書き上げた、頭の下がる労作なのである。

「秩父神社の素敵な動物彫刻」のコラムには、秩父神社本殿の「お元気三猿」は、日光東照宮の「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿と反対に「良く見て、聞いて、話そう」という逆三猿なのだとある。

今度出かける時、じっくりと見てみたい。

塙保己一のコラムでは、昭和12年、三重苦の「奇跡の人」ヘレンケラーが来日して、真っ先に訪問したのは、塙保己一が編纂した「群書類従」を保管している渋谷の温故学会で、群書類従を手で触って、保己一をしのんだ。

子供のころから母親から保己一のことを聞かされて手本にしていたからだという。今さらながら保己一の偉大さを思う。




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