南アルプス 北端にある花と星の名山を歩いてきました。
入笠山(標高 1955m)は富士見町と伊那市に跨り、赤石山脈(南アルプス)の最北部に位置し、❝ 花の百名山 ❞としても人気の高い山です。
山のほとんどを針葉樹林に覆われた水の豊かな山でもあります。 高原状の山頂付近には大小の湿原と池、そして草原が点在し6月中旬にはスズランをはじめノハナショウブ、クリンソウ、ヤナギランなど可憐な花々が咲き競う山であります。
最初の予定ではゴンドラリフトを利用せず、沢入登山口からの入山を計画していましたが、途中に『入笠山マイカー規制』 の看板に沢入駐車場は利用できません。 駐車は富士見パノラマリゾートをご利用くださいと表示されており、戻った。
富士見パノラマリゾートはスキー場であり、駐車場は広々していた。
こちらのゴンドラリフトが通年運行されているため、四季を通じて多くのハイカーや登山者で賑わっているようです。
到着、7時 40分。 ゴンドラリフトの乗車券は8時 15分から発売しますとのことで、それまでに登山準備をした。
8時 12分、乗車券販売窓口に向かう。 乗車券を購入し富士見パノラマリゾートの建物内に入ると、広いスキー場のゲレンデに出た。広々していて、とても気持ち良い。
ゲレンデを左手に見ながら北へ進むと、「ゴンドラすずらん」と書かれた建物が見え、まだ準備中で少し待ち8時半に乗車。 山麓駅の標高が 1050mで山頂駅が 1770mの標高差 720mを約 15分ほどで運んでくれた。 そのゴンドラが凄い急斜面をスイスイと登って行くのを見て、8月から全然歩いてなかったのでゴンドラリフトを利用して正解だった。
ゴンドラには自分が一番乗車であったので、山頂駅にはまだ誰の姿もなかった。
山頂駅出発、8時 55分。まず一番近い 「入笠湿原」を目指す。
入笠湿原は入笠山麓の標高 1734mに位置する面積約 1.85ヘクタールの湿原で、変化していく状態によって「低層湿原」・「中間湿原」・「高層湿原」の3種類に区分されており、入笠湿原は「高層湿原」にあたるそうです。
歩き出して直ぐに迎えてくれたクガイソウとノコンギク、ヤマハハコ。 春から秋にかけて様々な花が楽しめる湿原ですが、やはり春は素晴らしい花園になります。
入笠湿原入口に到着、9時 10分。
入笠湿原には折々の季節の花が咲き誇りますが、特にスズランの大群落地として有名で、6月中旬の花期には湿原一帯がスズランの甘い香りに包まれるそうです。
9月下旬の今では、ノコンギクやエゾリンドウが沢山見られた。
湿原内は木道で、歩く場所は限られている。
花の良い時期に来れば、木道から見るスズランやエゾリンドウ、ヤナギランが一面に咲く景色は圧巻であろうと想像できる。
入笠湿原内にある案内板。
湿原を抜け、広い道に出て山彦荘 の前を左折し、沢入登山口方面からの道とのT字路を直進すればマナスル山荘前に着く。
山彦荘前からお花畑に向かう。
前方の山の斜面に広がる 「お花畑」 が見えてきた。お花畑入口通過、9時 36分。
お花畑で見た有毒の『ホソバトリカブト』
華奢な草姿の『キオン』
高原に秋の訪れを告げる花として人気の『マツムシソウ』
花期は8月上旬で、葉がヤナギに似て花がランの様に美しいピンクの花をつける、秋には長い白毛のある種子を多数風に乗せる『ヤナギラン』
頭花は茎の先に直立して付き、秋の野で普通に見られる『ノハラアザミ』
御所平からは左手にお花畑、右手に牧場を見ながら 15分ほど急登すると入笠山山頂への分岐点に出る。どちらに進んでも山頂に出る。入笠山登山道分岐通過、9時 57分。
右は岩場コース、左は迂回コースと表示されていたが、岩場コースに挑戦。 岩場コースを緊張して登ったが、ただ登山道に岩が少し有るだけの普通の道でした。
10 時 12分、入笠(にゅうかさ)山山頂に到着。
ガイドブックには、入笠山からの展望は実に雄大で、東面には釜無川を隔てて八ヶ岳の峰々が、南面には南アルプス北部の雄峰「甲斐駒ヶ岳」や「仙丈ケ岳」が大きく迫る。そして西面に中央アルプス、北面には北アルプスも美しいと書かれております。 また、天文ファンにとっては近くに高い山がないので空が広く、流星群の観測などに人気の山だとも書かれていました。
ところが何と山頂に立ったら白一色の雲の中でした。
唯一山頂から見えたのが、麓の町「富士見町」でした。
花の百名山として人気のある『入笠山』には春の花の時期に再度訪れてみたい。