最近、地震や火山噴火などによる天災が国内に限らず、地球上で発生しています。 地球の表面には、厚さ約100Kmの岩の板(プレート)、十数枚で覆われており、年間に数cmずつ移動しています。
貴重な地質や地形遺産を保全し、千葉県で初めて認定された「銚子ジオパーク」に行って来ました。 この地球の丸く見える丘展望館(愛宕山)は恐竜のいた約1億五千万年前にできた岩石の上にあり、犬岩や千騎ヶ岩(せんがいわ)も同じ岩石で形成されているようです。
この周辺では銚子だけに1億年以上前の古い時代の地層が顔を出していることは、局所的に隆起したためと考えられています。
この隆起のおかげで、三方を水域に囲まれた半島地形が形成されたとのことです。 そのため銚子沖の海は、北から流れてくる親潮と南から流れてくる黒潮がぶつかる所で大量にプランクトンが発生し、それを餌とするイワシなどの小魚、更に小魚を食べるサバ、カツオなど漁獲量が高いようです。
利根川河口は内部の川幅が広く、河口付近の形状が極端に狭くなっているところが、酒器の銚子の口元に似ているということで《銚子》という地名になったと言われています。
江戸時代後期の測量家『伊能忠敬』も高台から見ると360度のうち、330度が水平線という見通しの良い、ここ銚子に滞在し自身の測量の正確さを確認されました。
伊能忠敬測量隊は、享和元年(1801)7月18日から9日間、太平洋に突き出た東端の地で富士山・筑波山・日光の山々が目視できる場所からの富士山の方位測定は測量の正確さを知るうえで重要でした。
7月26日の測量日記に「晴天、此早朝日出に犬若岬に於て(中略)富士山を測り得たり其の悦知るへし(下略)」と記し、此の地で測量の精度を確認し自信を深めました。
伊能測量隊の方位角:申十九分二五秒(259度25分相当) 現在の方位角:(259度36分32秒)、富士山までの距離196Km
犬吠埼のある東側の海岸は、1億三千万年前から1億一千万年前の恐竜がいた頃に、海にたまった砂や泥が堆積してできた地層を見ることができます。
そのため犬吠埼は貴重な地質なので、国の天然記念物に指定されています。
銚子というか日本列島が約2500万年前から1500万年前にかけて、大陸(中国)の端が徐々に離れて、日本列島と日本海が誕生し、はるか南にあった銚子の大地は、逆くの字型になり数千キロ北に移動したとのことです。
展望館から見えた、銚子半島の南側に延々と続く約10Kmの断崖は屏風ヶ浦と言います。
約300百年前に海の中で降り積もった堆積物が何層にも重なって隆起し、綺麗な縞模様を見せてくれています。
屏風のような断崖は激しい波浪の作用で台地が削られてでき、綺麗な縞模様の地層となっているので、断層もはっきり確認できます。 現在は、波による浸食を受けないよう堤防が作られています。