原作を読破したので、奥様といつものミッドランドシネマ名古屋空港へ映画を見に行った。原作を読んだ限り、これを映画化するのは至難の業だろうと思ったものだ。
率直な感想としては「原作の足元にも及ばない」は言い過ぎかもしれないが、やはり限られた時間の中で原作を表現するのは限界があると感じざるを得なかった。
原作は登場人物のキャラクターを丁寧に描いているが、映画はその人ありきで、登場人物に感情移入しづらい。主役のワタナベと直子はそこそこに描かれるが、脇役的な緑、レイコ、永沢をもっと深く描写して欲しかった。
しかし、ワタナベ役の松山ケンイチの原作イメージを残しつつ抑えた演技は素晴らしかったし、直子役の菊地凛子の迫力があり、また押し殺した演技力にも圧倒された。
緑は原作を読んだ印象はもっと活発なイメージだったのでギャップを感じたし(個人的には緑のキャラが好きだったので…)、レイコはストーリーを組み立てる重要な役柄の割にはサラッとしていた。
ワタナベと永沢の相反するキャラクターも余り表現されていない感じ。でも永沢役の玉山鉄二はイメージにピッタリでしたね。
やはり、時間の関係でストーリーの本筋をわき目も振らず一気に駆け抜けた感じは否めない。いきなり映画を観て理解できるのか心配になってしまう。奥様にラストシーンの電話越しの会話 (緑)「あなた、今、どこにいるの?」 (ワタナベ)「僕は、どこにいるんだろう。」の意味がわからないと言っていた。
映画後、ランチを食べながら、奥様に映画シーンの意味を解説したことは言うまでもない。
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そんな訳で、上下巻を3日間で読破してしましました。(緑役の水原希子さんは2日間で読み切ったそうです)
タイトルの由来ですか?直子が好きな曲ということですが、他にも解釈がありそうですね。