余録 《毎日:4月21日》
70年の大阪万博のテーマソングと聞けば,すぐ「こんにちは こんにちは~」と口をついて出そうになる方もおいでだろう。この「世界の国からこんにちは」,もともとの詞のタイトルは「世界のひとがこんにちわ」というものだった。
▲なぜそんなトリビアに詳しいかというと,実はこの歌詞は小社主催の万博テーマソング公募の入選作なのだ。約1万3000点以上の応募作から大阪在住の詩人,島田陽子さんの作品が選ばれ,中村八大さんが曲をつけた。
▲発表会では吉永小百合さんが初めて歌を披露したが,レコードは各社看板歌手の競作となり,坂本九さん,西郷輝彦さん,山本リンダさんらも歌った。ただ今では高度成長の坂道を一気に駆け上がった時代の興奮と共に三波春夫さんの歌声を思い起こす方が多かろう。
▲さて今日,騒動となったのはジャッキー・チェンさんやアンディ・ラウさんらがリレーで歌う上海万博のPRソングだ。こちらも公募の楽曲だったが,岡本真夜さんの13年前の曲との酷似が香港で注目され,ネットでは両曲を比べられる動画まで現れる騒ぎとなった。
▲問題の曲を一時使用停止にした上海万博事務局も、結局は盗作と認めたのだろう,岡本さんの事務所に楽曲使用の申請をしてきたという。岡本さん側は「万博に協力する機会をいただき光栄です」と,ここはお祭り前の大人の応対を見せて騒ぎは下火に向かいそうだ。
▲中国人にとっても坂道を駆け上がるような高度成長の興奮の中,多くの国民が「世界」と出会う万博だ。作曲者がどの国の人であれ,何十年の後も時代の記憶として耳によみがえる曲はあった方がいい。
70年の大阪万博のテーマソングと聞けば,すぐ「こんにちは こんにちは~」と口をついて出そうになる方もおいでだろう。この「世界の国からこんにちは」,もともとの詞のタイトルは「世界のひとがこんにちわ」というものだった。
▲なぜそんなトリビアに詳しいかというと,実はこの歌詞は小社主催の万博テーマソング公募の入選作なのだ。約1万3000点以上の応募作から大阪在住の詩人,島田陽子さんの作品が選ばれ,中村八大さんが曲をつけた。
▲発表会では吉永小百合さんが初めて歌を披露したが,レコードは各社看板歌手の競作となり,坂本九さん,西郷輝彦さん,山本リンダさんらも歌った。ただ今では高度成長の坂道を一気に駆け上がった時代の興奮と共に三波春夫さんの歌声を思い起こす方が多かろう。
▲さて今日,騒動となったのはジャッキー・チェンさんやアンディ・ラウさんらがリレーで歌う上海万博のPRソングだ。こちらも公募の楽曲だったが,岡本真夜さんの13年前の曲との酷似が香港で注目され,ネットでは両曲を比べられる動画まで現れる騒ぎとなった。
▲問題の曲を一時使用停止にした上海万博事務局も、結局は盗作と認めたのだろう,岡本さんの事務所に楽曲使用の申請をしてきたという。岡本さん側は「万博に協力する機会をいただき光栄です」と,ここはお祭り前の大人の応対を見せて騒ぎは下火に向かいそうだ。
▲中国人にとっても坂道を駆け上がるような高度成長の興奮の中,多くの国民が「世界」と出会う万博だ。作曲者がどの国の人であれ,何十年の後も時代の記憶として耳によみがえる曲はあった方がいい。