小島と広島と私たち

島爺の倉橋島での農作業と,
広島を中心とした孫たちとのくらし

やはりそうでしたか

2008-11-29 13:16:57 | 広島の生活
       潰瘍が4個ありますね

 袋に入れておきましょうね,と言って何種類かの薬をレジ袋に入れてくれる。覚悟はしていたがやはりこういう年齢と状態になったかと,少し情けなくなる。

 1ヶ月ほど前から胃の具合がおかしいとは感じていた。1週間ほど前に3~4日の便秘の続いた後,排泄物が黒く変色していた。(食事前だったらごめんなさい)
昨日も午後ずっと鈍痛があってそのような状態であったので,かみさんからの勧めもあり,今日は胃カメラを呑んだ次第。
 医師と看護師さんの会話を聞きながら,首をねじ曲げてディスプレイをのぞき込むと,あるある。黒く変色したところは出血の後らしい。

 ちょうど8年前の暮れであったか,できるものなら腹の中に手を突っ込んで,悪いところをむしり取りたいという日々が続き,知り合いの医師の紹介で,県病院での検査の結果が胃潰瘍であった。過去形のものも,現在進行形のものもありますね。
 手術・入院を依頼したが,その必要はないと言われる。今はいい薬があるからそれで十分。むしろ術後の傷が癒える時間の方が長くかかるという。

 前の原因ははっきりしている。厳しい勤務状態と職務内容が続いて満3年だった。今回は,恐らく痛み止めの薬による影響であろう。そう思ってなるべく服用しないようにしていたのだったが・・・。
 それにしても,医師の言葉はすごい力を持っている。今回も,いやぁ大丈夫ですよ。食べるものにも制限はありません。お酒も過ぎなければ大丈夫です。
 先日の予防接種といい今回の診察,どこでも医療に従事している方は苦労しておられる。私が麻生病院に勤務していたら,一発で同盟罷業といきたいところだ。
 半日の時間を要したが,すっきりした気分で田舎に帰れる。
   


割れた人参

2008-11-26 14:54:14 | 島の生活
       どなたかご教授を

 23日(日),農作業を終えて簡単に食事を済ませ,さて広島に帰宅という段階で物置にメモ用紙を発見。父の命日に墓参を済ませたこと,家が開かなかったことが記されている。
 島の家に入るには,郵便受け,物置,家と連動して開けるようになっている。土曜の夜はかって知ったる我が家とばかり,手探りで解錠したが,姉の手には余ったらしい。
 従兄の通夜には姉弟揃って参列したが,姉2人は葬儀に欠礼させていただき,父の墓参をしてくれている。仏壇にお参りできず残念とある。

 言葉だけでお礼というわけにはいくまいと気付いたのが人参。播種して150日程度になるが,育ちが悪く,今頃になってようやく太りだしている。里芋や馬鈴薯は無理だが,これなら懐中電灯一つで作業できるとばかり抜いた結果が,写真の有様。
 形のいいものも少しはあったが,右の人参のように大きく割れたり,左のように4本に別れたり,中にはコブコブのものもある。そこでご存じの方にお教えいただきたいのです。
 原因は土壌にあるのか,病虫害なのか,そして,その対処法。どなたかご教示ください。

 実はこの文章を書き始めて4度目になります。3度の投稿失敗。
『世間に恥をさらすな』ということかも分かりませんが,恥を忍んでおたずねする次第です。
 
  


山の畠-11/23

2008-11-25 22:56:31 | 島の生活
       今,山の畠は

 21日の金曜日,農業塾OB会の先輩は白木圃場で雨中での農作業。大豆(白と黒)の穫り入れと脱穀作業。申し訳ないと思いながらも,仕事で参加できず。
 22日(土),近くのクリニックでインフルエンザの予防注射。この医院は,総合クリニックということもあり,また他所より予防注射代が1000円安いということもあって,とにかく満員の盛況。,駐車場も待合室も順番待ちの人たちで動きがとれない。1時間半待ってようやく済ませる。
 人いきれに疲れて(横着心もあって),夜に入って島の実家に帰宅。

 山の畠は?
 イノシシが丹念に掘り起こしているか,雑草が元気に育っているかのどちらか。
下の写真は,サツマイモを植付けた畠の一部で,活着直後に掘り返され,うんざりしてそのままにしておいたが,相変わらず耕耘され,雑草の姿も見えない。
枇杷を植えてある場所もこれと煮たような状態。よほどおいしいものが植わっていたものと見える。
 逆に,(一部枯れ草や落ち葉を埋めた場所は掘り返されているが)蕗の生えている富有柿の周辺は生きいきと雑草が茂っている。
 柿や山桜はあらかた落葉しているが,栗やドングリはまだ青々としている。これらの枯れ葉が舞うまでには除草を,と,気になっていたので,間に合ってほっと一息。写真ではわかりにくいが,かなりの傾斜地。腰をいたわりながら,鎌と手で除去しては箒で集めて焼却したという次第。
 上部の柿や草と近いように見えても,山と積んだ草とは7~8mは離れているのでご心配なく。

 1日かかって,予定の半分も作業がはかどらない。茗荷を植えた部分は,手もつけられないような状態であるが,また次回に譲ることにする。
 しかし,毎年同じようなことをやってあほらしくもあるが,やらなければならないことがある・出来ることがあるということで,元気を貰っていると考えることにして,自分を納得させる。
  

あのこは,

2008-11-24 02:32:42 | 広島の生活
       お金がなくなると,うちに来るんかね?

 にぎやかな時間が過ぎた後,かみさんがこう言う。
「あの娘(たち)は,お金が無くなるとうちに来るんかね」
実家に帰ったとて,親も貧乏しているから,お好み焼きを食べて帰るだけである。
私はこれでいいと思っている。池田宰相に倣ったわけではないが,
「貧乏人は野菜とお好み焼きを食えばいい」
と、娘に勧めたのは私だから,毎晩来てもいいと思っている。

 金曜日の夜,このまま島に帰るべきか否かと逡巡しながら帰宅すると,
「おじいちゃん,おかえんなさい」
と二人の孫が迎えてくれた。帰り際には下の孫に絵本をせがまれたが,島でのわびしい食事を思うと,絵本を読むくらいのことは何でもない。

 5日であったか,娘が職場に電話で,今から行ってもいいかという。何ごとかと出てみると,着物を着せた孫を連れている。はて,婿殿のご両親と共に七五三のお参りは3日に厳島神社ですませてはずだが・・・。
 着物着せて写真を残してやりたくて,また,せっかく着せたから見せに来たという。一緒に写真を撮って,さっさと帰ってしまった。向こうの親御さんにも見せて,時間内に着物を返却するそうだ。

 上の息子HをF百貨店に連れて行ったときのこと,熱心におもちゃの自動車を眺めているから,どれでも好きなのを,といったらしばらく考えて,
「ボク,これでいい」
と言って,小さくて安いのを選んだことがあった。
 子供に直接おもちゃを買ってやろうとしたのはこのときだけであったが,貧乏してよかったという安心感と,わびしさを感じたものだった。どうもあれ以来長男は渋珍になったようだ。
 ところが下の二人は,貧乏なくせに余計な金を使うところがある。学生時代に,敬老の日だからと言って双方の祖父母に入浴剤を贈ってみたり,私の誕生日だからと酒を届けたりする。
 今回の着物騒動などもそれで,ムダな出費をするなといいたいところだが,私の誕生日が近いとこを考えると,黙るに如かず,かな。
  


タイトル等変更について

2008-11-18 23:19:59 | 私見
       11月24日(月)から様変わりします

 振り返ると,このブログを書くきっかけになったのは,農業塾を終えたことでした。
 途中,転勤等で異動はありましたが,島を出て広島市に住み始めて55年。自分の住み家も何とか確保しましたが,島にはわずかの家作も残っています。2001年に職を辞し非正規雇用の仕事に就きました。父母は既に亡く,誰もいないふるさとに帰る私に,『農』を学んだらどうかと勧めたのが妻。
 この塾では私と同じように,農業の経験は無い(あっても僅少)な人たちがほとんどとお見受けし,情報交換の場にでもなればと書き始めた次第です。
 もちろん,こういうことを始めます,というコメントを発する立場にはありませんから,静かに発進したわけですが,2年経過した今も交流の意見交換はありません。
 タイトルの割には中身の薄いブログになっていますから,当然といえば当然でしょう。そこで我が身の小ささに合わせて変身する,というわけです。
 
 分類分野についても見直し,記事の内容についても,単なる変換ミスはもちろん,内容についても少しずつ見直して必要に応じて書き直していくつもりです。ただし,基本的には削除したりするつもりはありません。たとえつたない文章であっても,その時どう考えたか,どう感じたのかという内容は今更削除できないと思いますし,それ以上に,その記事に関してコメントをお寄せいただいた方々のお気持ちまで,我が身の勝手で削除するということになりますから。
 この件について,忌憚のないご意見をお待ちしています。
  


お酒は大丈夫です

2008-11-17 22:26:31 | 私見
       よく我慢したね。第2腰椎の圧迫骨折です

 事故(10月9日)から1ヶ月余。ここ数日腰の痛みが激しく,今朝も鈍痛で目覚める始末。職場では友人から,
「そりゃあ,膵臓などの内臓癌ではないか」
と揶揄される。
 夕方,最初の整形外科医とは別の整形外科医に伺う。
当時の状況を説明し,最初のレントゲン撮影で骨には異常が見られなかったということ,現状(継続する鈍痛,肋骨最下部と腰骨の間の痛み,背骨の一尾に突起らしいものがあること)を報告。
とりあえず,もう一度ということで4枚の写真を撮影。この結果が冒頭の発言でした。
「心配したとおり,第2腰椎が圧迫骨折しています。よく我慢してきましたね」
と,感心してくれました。直後の写真には現れないことが多いとのこと。パソコン教室のN先生の助言に従って,早くに別の診療所で診断を受ければよかったと反省。

 手術は必要ないということで,当面は湿布薬と痛み止め。コルセットをはめて,必要に応じて電磁治療等を行うとのこと。安心しました。ただこのコルセット,腹にしわが寄って,かゆくて困るんですね。
 先週の日曜日は,かがむことと鍬を使うことがしんどくて,尻の下にビニールシートを敷いて除草したのだったが,昨夕,子供に新米を送ってやりたくて,30Kgを抱えて精米したのも時期尚早だったようだ。農作業は控えるようにとのことであった。

 このつまらないブログにも,60件を超えるアクセスがあったりして,サボるのが申し訳ない気もしていたが,ネタができてひとまず安心。といっても心配してくれる人はほんのわずか。自分の反省材料にと記帳している次第。愚痴らしく聞こえたら,お許しあれ。

 原因が判明してひとまず安心。
退去しかけて,大切なことを聞くのを忘れていた。
「お酒ですか?。呑んでもかまいませんよ」
これで安心してかみさんの前で呑める。
  


歳の瀬は・・・

2008-11-14 17:58:33 | 私見
       元気のでない連絡

 歳の瀬は,忙しい中に何かと気の沈むことが多い。知人友人から届く訃報連絡がそれである。他人ならまだしも。

 先日は従兄の訃報に接した。9人兄妹の下から2番目。『哲ちゃん』の弟で,若い時分私は彼に勉強を教わった。親と離れて暮らす遊び好きの従弟の指導に苦労させてしまった。『哲ちゃん』のあと,一人(二男),そして三人目の従弟が逝った。でも,通夜・葬儀に参列させていただいて少しは気持ちが安らいだ。

「家族のことを想ってくれてありがとう」
夫は若い頃からスポーツに爽やかな汗を流しつつ,
実に満ち足りた毎日を送ってきました。
K高等学校でバレーボールに情熱を傾けた青春時代を経て,
H大学に進んでからも,学業のかたわらスポーツに親しんでいた夫。
社会に出てからは,ゴルフや野球観戦等を趣味としていました。

家庭においては,常に子供のことを考えるやさしい父親で,
子供のやりたいことを自由にさせていたものです。
隠居生活を迎えてからしばらくは,夫婦でのんびりと
旅行を楽しんだり,食事に行ったりして,笑顔が絶えませんでしたが,
夫が大病を患ってからの九年間は,夫婦二人三脚での病魔との戦いでした。
闘病中も,愛する孫のことばかり考えていて,電話がかかってくると,
声を弾ませておしゃべりしていた面影・・・その裏には,
自分が病気で孫と遊んであげられないことを悔やむ思いもあったようです。

夫 K は,平成二十年十一月十日,満七十一歳にて人生に幕を下ろしました。
強い精神力を持って,力の限り生きた夫は本当に立派だったと思います。
そのような 人生をまっとうできましたのも,皆様のあたたかい支えのお陰と,
深く感謝申し上げます。
本日のご会葬 誠に有り難うございました。
略儀ながら書状をもってお礼申し上げます。


 兄貴の時はそうでもなかったが,弟については,やりきれないよ。
従兄の言葉が胸に響く。
 私が逝ったときは,
夫は若い頃から酒好きで,・・・家庭を顧みず遊び呆けて,・・・
やれやれほっとしました。
ということになるのだろうかとつまらないことを思いながらも,涙した。

 先ほどまた訃報が入った。義妹の姑が人生を終えたという。

空豆を植えたり,猪よけの作業は生ある限りできるが,別れは一度しかない。
  


消費税上げと定額給付金-2

2008-11-14 16:44:52 | 私見
       タコにも,ハゲにもなりたくないのだが・・・

①景気対策②財政再建③改革による経済成長ー
のためのポイントは,
「スピード,これまでにない大胆なもの,重点を絞りばらまきにしない,赤字国債を出さない」こと,
その財源については「安易に将来世代にツケをまわさず」
そのための具体策の一部として,
「定額給付金と高速道路料金値下げ」
を行うという。

 果たしてこのような言葉は有機的に繋がっていて齟齬はないか?。
スピード;「定額給付金」については確かに早かった。しかし,『何のために』という視点が欠落しているから,『誰に』『どれだけ』『いつ(いつまで)』という面がいつまでたっても明らかにならず,しかも『給付方法は地方自治体任せ』ということらしい。
これまでにない大胆なもの;前回も新聞記事に紹介したように,同じことは,ふるさと創生事業や地域振興券で失敗している。今回,3度目の失敗をするつもりであろうか。
ばらまきにせず,将来世代にツケをまわさない;田舎では棟上げや船おろし(進水式)には餅まきをしていたが,「高齢者や子どもたちは危ないから前もって確保しておきます」という『やさしい配慮』を見せてはいるが,究極のばらまきに他ならない。しかも,餅まきの負担は施主であるが,今回の餅の代金は私たちの懐から出るのだ。『埋蔵金』は,国債の償還等に使うべきものであって,これを今取り崩すということは,『将来世代にツケをまわし』『目に見えない国債を発行する』にひとしい。
 
 ばらまいた餅が『わらしべ長者』のように相乗効果で景気を良くする方に使われればよい。が,将来不安の世の中で餅は懐にしまわれたままになるであろう。
 施主の懐から出した餌で魚(私たち)を釣るのならまだしも,ルアーで,魚の身を削り取った餌で魚を釣ろうなんて!。食らいつく前に,少しは考える魚でありたいものだ。
 
 手軽に釣果を求めようとするから,吸い込み針の釣りのように針をいっぱいつけた餌を投げ込むわけで,本当の釣果を求めるなら,大鯉を釣るときのように定時に寄せ餌をして太らせて釣り上げればいいのだ。
 寄せ餌とは何か,減税に他ならない。ただし,『定額減税』とかアホらしいことではなく,累進課税の税率を変えて,低所得者からは少なく,高所得者からはより多く徴税するようにすれば拍手喝采,こぞって支持する。
 大体,年収1800万円という数字に政治家はおろか,霞ヶ関のタヌ公も誰も何も感じないというところが不思議だ。この数字は,月々150万円(日当5万円)の『実収入』がある家庭を表す。このような所帯がどれだけ存在するか知るところでないが,彼らにとっては『給付金』は1日分の収入に過ぎない。
 非正規雇用で週5日働いている私の10月分の収入は138,067円。そんなものだ。
 
 俗に,タコは餌がないときには自分の足を食べるといわれている。一時の飢えはしのげるが,肝腎の餌が現れたときそれを捕らえるべき手足は無くなっている。そういう姿を自分の身の上に被せてしまう。年金は減り,消費税も医療費も上がり,押し入れの隅でうすら汚れてくたばりたくないものだ。
 どうせ先行き短いのだから,ハゲ(カワハギ)のように上手に餌だけ食らっておこうかとも思う。
 だがそれは,孫や子に支払いのツケを残すことになるから,受け取れない。だが,やっぱり欲しい。みんなが受け取るものを何故我だけが拒否しなきゃあならん。となってしまう。
 こういう煩わしい思いを小市民に抱かされるのは,政治とは言えないのではないか?
 子や孫に苦を残すということを爺婆はしてはいけない,と思うのだが・・・。
 
 消費税?。上げなさい。どれだけの歳出が予想されるからこのようにせざるを得ない,という明確な説明があれば納得する。15%でも20%でも25%でもよい。ただし,だ,1800万円の年収がある世帯から600万円の税の徴収があっても何ともないように,400円のカップヌードルを買える人は100年の円の消費税,150円のヌードルは無税。
 物品税のことを思い起こしなさい。品物によって,金額によって税率を変えて貰いたい。そして,流通経路とものの動きをもう少し明確にして欲しいと願うものです。
 
  


教えてください,オートシェイブ

2008-11-14 11:08:24 | 孫たち
       絵だけは何とか描いたものの・・・

 白木農園パソコン教室で,オートシェイブによるお絵かきを習った。作品を持ち寄り,公民館祭りで展示させて貰った(ブログ;白木農園便り,晴耕雨読)。
 なんとか絵らしきものにはなったが,分からないことがあるので教えていただきたいのです。
1.保存方法について
 絵はワードのオートシェイブで描いたものですが,このままではこのブログには掲載できないのです。
 写真または絵として登録する方法を教えていただきたいのです。
 指導者のN先生は,提出された作品を写真撮影されご自身のブログに掲載してくださいました。登録方法についてN先生に教わったのですが,作業がまずいためと,生半可な知識のためにどうもうまくいかない。
 一つはプリントアウトしたものをイメージスキャナーで読み取り,小さく加工してなんとかできました。もう一つは,携帯で撮影して送信する方法ととりましたが,もっと簡単な方法を教えてください。

2. 絵描きは,コピーして添付する,という作業になりますから,どうしても設定したサイズから絵がはみ出してしまいます。印刷することに関しては用紙サイズに合わせてくれますから問題ないのですが,はみ出た部分が気になります。余分な部分を,絵に影響を与えないようにカットする方法はありますか?。写真でしたら,トリミングという方法もあるようですが・・・。

 以上,初歩的な質問に答えていただければ幸いです。
 
  


今日(12日)の新聞から

2008-11-13 01:06:05 | 私見
       毎日新聞『余録』

 人間が一番いい加減な金の使い方をするのは他人の金を他人のために使う時だ・・・・そう指摘したのは先年亡くなったノーベル賞受賞経済学者のM・フリードマンである。昨今はとかく評判の悪い市場競争万能の経済思想の大御所だが,この指摘は鋭い。
 自分の金を自分のために使う人は節約と効率の双方を心がける。自分の金を他人に使う時は効率に関心が薄くなる。他人の金を自分のために使う際はあまり節約しない。他人の金を他人のために使う人は節約も効率も考えないというわけだ。
 他人の金を他人のために使うのは役人だ。フリードマンは「大きな政府」のムダを突き,80年代からの市場競争重視の政策潮流をリードした。だが時代はひと巡りし,その市場の暴走が招いた経済危機への政府の対応が問われる今日である。
 当然ながら政府の金の使い方にいやでも注目が集まるところに飛び出たのが,麻生政権の2兆円給付金だ。だが「全世帯給付」「所得制限すべきだ」「窓口は対応不能」「金持ちは辞退しろ」などすったもんだするうちに,6割がそんな政策は「不要」という世論調査結果まで出た。
 結局きょうにも固まりそうなのは,所得制限を設けずに高額所得者には受け取り辞退を促すという前代未聞の「制度」である。支給の際の混乱も懸念されて当然だ。どだい他人の金をばらまく政策に,効率や節約の真剣な検討は無縁だった。
 「政府よりは上手に使ってやる」と支給を待つ方も多かろうが,巨額の給付費用も国民払いだ。市場が失敗したからといって,その分政府が賢くなるわけでもないらしい。天国のノーベル賞学者の高笑いが聞こえそうで情けない。

 毎日新聞の『余録』をそのまま転載させて貰いました。
ただこの中には一部誤植があるようです。
第3段落,
「他人の金を他人のために使うのは役人だ。」
少なくとも次の一文を追加してほしかったです。
「ただし,日本の役人は他人の金を自分のために使う」