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楽しみな船出
30日(火),大崎上島に渡ってきた。
前号で紹介したように,昨年の秋,広島城でのフードフェスティバルで櫂伝馬に乗せてもらった縁で大崎上島の啓志さんとつながりが出来た。
彼のお世話で舟を漕ぐ『艪』が手にはいることになり,厚かましくもそれを頂戴するためだ。
倉橋島から呉市内を抜け,185号線をひたすら北上。竹原港(①)からフェリーで垂水港に上陸。目的地まで4時間近くも掛かった。電話連絡を取ると待つ間もなく迎えに来てくれた。
目があったとたんに彼と分かる,予想したとおりの好青年で,早速造船所に案内してくれた。紹介された職人(船大工)さんも全く気持ちの良い方で,もちろんただ(無慮)ということだったが,形だけのお礼を無理矢理受け取っていただいて,ご厚意に甘えることにした。
たとえ小舟とはいえ,エンジン全盛の時代に,艪を使って海を楽しもうとする私を好意を持って受け止めてくれたようだ。
エンジンはどうすると聞かれて,使うつもりはないと答えたが,その時になって,(修理・整備が必要だろうが)使ってもらえるように持参すべきだったと気付いたが遅い。この件は啓志さんがアクセスしてくれたときに話してみよう。
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あれこれ話を伺いながら,帰り際には.痛んだら直してあげるから連絡せよ,とまで親切な言葉までいただいて辞した。
造船所のすぐそばに“厳島神社(②)”がある。今回の出会いを感謝し,航海の安全を祈願し帰路についた。厳島神社ではちょうど西日を背に受けて,後光が差しているような案配であった。
この島にはもう1箇所厳島神社がある。宮島の厳島神社は海の安全の守り神でもあるから,瀬戸内海だけでなく,山口県の萩市でも宮島の管弦祭に合わせて祭礼が行われるように,各地の港と深いつながりがあるようだ。
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史跡の多い島だし,櫂伝馬も見学したいところだったが,時間も圧してきたので楽しみはまたの機会に譲ることにして,帰りは西部に位置する大西港(③)から安芸津へのフェリーを利用した。大西港を北風から守る位置に長島があり,ここには中国電力の火力発電所がある。
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安芸津港に着いたら級に腹が減った。そういえば昼飯を食べていない。どういう訳か国道沿いにうどん点が多い。そのひとつ「うどんの庄」に立ち寄る。安芸津町は,プロゴルファーの岡本綾子,おおずもうの安芸乃島を生んだ土地だ。魚もうまいが,ここいら一帯で産出する「ジャガイモ」の人気が高い。肌もきれいで味も細やかだ。うどん点の娘さんもそんなお嬢さんに見えた。
帰宅したときには9時を回っていた。走行距離160㌔。
軽トラの運転で疲れたはずだが,幸せな1日で,新しい船出を夢見ながら心地よい眠りについた。
そうだった。
櫂伝馬による町おこしグループは,
6月4~5日,総勢30人が櫂伝馬をこいで呉市阿賀,音戸ノ瀬戸を経由して回路宮島の厳島神社に参詣,
7月24日には大崎上島で櫂伝馬競漕大会が行われる
そうだ。
興味をお持ちの方は是非ウルルン島住民記に注目していただきたい。